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永遠のいのちのクオリティーって、どうなのよ、っていう話です。

アルウェンのパラドックスというのがある。

ある、って言っても、これは自分が勝手に考えた造語なんだけど。。。

なので、正確に言えば、あるんじゃないかと思う。

どういうパラドックスかというと。。。

アルウェンというのは J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場するエルフ族の姫君だ *。

エルフ族は不老不死の種族という設定なので、千年たとうが百万年たとうが肉体は少しも衰えず、よほどの致命傷を負わない限り基本的に死ぬことがない。世界の終わりまでずっと生き続ける。

そのアルウェンが「死すべき定めの人の子」であるアラゴルンを好きになってしまう。

馳夫ストライダーと呼ばれるアラゴルンは指輪戦争の総大将として冥王サウロンに勝利し、王都ミナスティリスへの帰還を果たすんだけど、彼は人間なので年を取れば死んでしまう定めだ。

好きになる、っていうことは、相手とずっと一緒にいたい、ってことなんだろうと思うけど。。。

アルウェンの場合、アラゴルンを好きになってしまうと、早晩、愛する者の死を経験しなければならなくなる。人間、必ず死ぬからね。でも、エルフである彼女は死ねない。

それはつまり、アラゴルンの死後は、アルウェンは愛する者の死を永久に悲しみ続けなければならないことを意味する。

しかし、それでも気持ちを抑えられないアルウェンは、父エルロンド卿の反対を押し切ってアラゴルンと結婚するのだ。

じゃあ、アルウェンはその当然の帰結であるアラゴルンの死後の永久の悲しみに自分を幽閉することになったのかと言うと。。。

そうではなく、アラゴルンの死後、アルウェンはエルフ族としての在り方を放棄して衰弱死することを選んだんだ。

。。。なんだ、エルフ、死ねるんじゃん。。。

今日の聖書の言葉。

わたしの肉もわたしの心も朽ちるであろうが
神はとこしえにわたしの心の岩
わたしに与えられた分。
詩編 73:26 新共同訳

永遠の命を持つ者が、死すべき定めの者を愛してしまうと、永遠に悲しまなければならなくなる、っていうアルウェンのパラドックス。

これは「永遠の命」のクオリティーに関わるんじゃないかと思う。

もし、永遠の命を得ても、それが自分ひとりの永遠だったら、とてもじゃないけど耐えられないよね。

だって、愛するひとが、みーんないなくなって、自分ひとり永遠のなかに取り残されるんだから。

これを神と人間との関係にあてはめて考えてみたら、どうなるんだろう?

人間は「死すべき定めの人の子」だから、必ず命数が尽きる時が来る。

でも、その人間が「神」に愛を向けたなら、人間から愛を受け取った神は、その愛を記憶し続ける。その人間が死んだ後も、ずっと、永遠に。。。

神の記憶の中でその人間の愛は永遠に存在し続けるのだ。

ところで。。。

神は定義上、全能の存在だから、神が神の意志で欲すれば神が欲したとおりになるはずだ。

そこで、もし神が、神の記憶の中で存在し続けているその人間の愛を想起して、その人間自体はとっくに死んでいたとしても、その愛をいつくしみ・いとおしみ、だから、その人間の復活を欲したなら?

神は神だから神が欲したとおり、その人間をよみがえらせることができるはずだ。全能だからね。

この考え方に沿って神はスケジュール1を実行したんじゃないかと思う。

神は、神のひとり子であるイエスが復活することを欲した。結果、イエスは、よみがえった。イエスは、朽ちることのない身体をもって永遠に生き続けている。

このスケジュール1を実行した上で、神はスケジュール2を行うことを予告したんだと思う。その予告通知が新約聖書だ。

神は、全人類が復活することを欲している。神はイエスをすでに復活させた。イエスは言わば全人類の代表として先行で復活したのだ。その線に沿ってスケジュール2が実行される日がやがて来る。予告通知が、これ。

神は、主を復活させ、また、その力によってわたしたちをも復活させてくださいます。
コリントの信徒への手紙一 6:14 新共同訳

このスケジュール2が実行されると、どうなるかというと、アルウェンのパラドックスは解消されることになる。

それはつまり、われわれは神と共に、イエスと共に、愛するすべてのひとと共に、永遠に一緒にいることができるようになる、ということだ。

このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。
テサロニケの信徒への手紙一 4:17 新共同訳

註)
*  『指輪物語』(ゆびわものがたり、原題:The Lord of the Rings)は、イギリスの J.R.R.トールキンによる長編小説。エルフや人間が国家を築き、戦争を繰り広げる架空の世界を舞台としたハイ・ファンタジー作品である。初期作品『ホビットの冒険』の続編として始まるが、より大きな物語になった。1937年から1949年にかけて少しずつ書かれたが、執筆期間の大部分は第二次世界大戦中であった。最初の版は1954年から1955年にかけて3巻本として出版された。以来多くの言語に翻訳され、増刷を重ね、20世紀の文学で最もポピュラーな作品の一つになった(by Wikipedia)

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