北田信人

インドの弦楽器サロードを演奏しています。 1989年より、シタール奏者アミットロイに師…

北田信人

インドの弦楽器サロードを演奏しています。 1989年より、シタール奏者アミットロイに師事。 1999年-2006年 ドイツに留学し、インド音楽、ヨーガ、インド伝統医学(アーユルヴェーダ)についての博士論文を執筆。サンスクリット語 Ph.D. (博士)

最近の記事

北インド古典音楽ライブ

弦楽器サロードと打楽器タブラ 4月27日(土)15:30 open 16:00 start ペマ・ギャラリー 渋谷区神山町18-6 ¥3,000 要予約 makotokitada72[at]yahoo.co.jp 出演者 北田 信人 (Sarod, Talk) 立岩 潤三 (Tabla) 「心を彩るもの」といわれるインド音楽。 インド古典音楽は、ひとの声から生まれる歌を源泉としています。 11世紀インドの宗教詩人バサヴァンナは「私の身体はテンプル(寺院)」と

    • イベント情報 1月19日ベンガルの音楽・詩・料理

      2024年1月19日(金)7PM イベント:「北インド古典音楽×インドの詩×ベンガル料理」 出演者 北田信 (Sarod)、森上唯 (Tabla) 場所:町屋プージャー 東京都荒川区町屋3-2-1 ライオンズプラザ町屋B1F チャージ ¥5,000 (ベンガル料理ディナー付き) 電話予約 090-8489-5075(緒方) 主催:トルカリジュッティー 新年1月19日(金) 「帝都で最も名高い」と絶賛される、東京・町屋のベンガル料理専門店プージャーで、北インド古典音楽(サ

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        11月5日夜インド音楽ライブ

        • 9/26(月) インド音楽ライブ@渋谷

          音の中に広がる世界  案内人北田信人 (Sarod) と立岩潤三 (Tabla) が誘(いざな)う めくるめく音マンダラの旅 インドの弦楽器サロード(北田信人)と打楽器タブラ(立岩潤三)による即興演奏です。 今回は演奏だけでなく、インド音楽や舞踊・絵画などの芸術の背景にある、インドの哲学思想や美学についてもやさしく解説します。 会場となる Pema Gallery では、インド・ネパール・チベットの美術品を展示しています。 Pema Gallery 渋谷区神山町18-

        北インド古典音楽ライブ

          7月24日インド音楽ライブ@神戸元町

          7月に神戸元町で演奏します。 神戸市地下鉄・県庁前駅からスグです。 イベント・リンクはコチラ👇 https://fb.me/e/1S2bKCBz1 要予約です。 ……………………………….. 北インド古典音楽の起源は古く、聖典ヴェーダの朗誦やお釈迦様の時代の音楽が脈々と受け継がれ、 さらにペルシャや中央アジアの音楽の影響のもとに、 ムガル王朝の宮廷音楽、そして英領植民地期の都会の音楽を経て、今日の姿になりました。 季節のめぐり等、森羅万象を象徴するラーガ(旋法)と、インド独

          7月24日インド音楽ライブ@神戸元町

          この世の儚さを歌ったムガル期の詩

          インド・ムガル王朝末期のウルドゥー語の詩人ミール・タキー・ミール (1723-1810) の有名な詩を訳してみました。 この世は泡沫のごとし この見世物は蜃気楼のごとし かのひとの唇のやはらかさを何と言おう 一枚の花びらのごとし 幾度となく、かの人の扉を叩いた 私の胸の高鳴りのごとくに 私が呼んだ声は、むなしくこだました 誰も居ない廃墟に あのかすかに開いた目の中に 旨酒の酔いが広がり満ちる  イベント『インド音楽で聴く源氏物語』5月14日(土)16:00 @東京渋谷

          この世の儚さを歌ったムガル期の詩

          インドと日本の香り(アロマ)の道

          5月14日のイベントの宣伝もかねて-- インドと日本の香り(アロマ)の道 (日本の心にインド(天竺)を発見) インドのお香って、サンダルウッド(白檀)が定番ですが、その他にも、ジャスミンとかバラとか、色々な花の香りのものが多いです。 でも、調べてみると、花の香り(エッセンシャルオイル)でお香(火をつけて焚くもの)が作られるようになったのは、中世アラブでアルコールの蒸留法が発明されてから後のことで、 もともとは、花の線香、というのはなかったようです。 それ以前は、インドで

          インドと日本の香り(アロマ)の道

          源氏物語の架空庭園

          源氏物語「胡蝶」の巻より光源氏の邸宅で催された春の宴のくだりを現代語訳してみました。(岩波文庫『源氏物語㈣』p. 170) 翻訳に当たっては、岩波文庫版の注釈を参考としました。原文のままで現代文としても理解可能な表現は、できるかぎりそのままにしました。  ・・・・・・・・・・・・・・・・ 弥生月の二十日余りの頃、(紫の上の住まう)春の御殿のありさまは、格別な美しさの限りを尽くして匂う(照り映える)花の色、鳥の声、春ももう終わりごろなのに、ここではまだその気配もなく、見るもの

          源氏物語の架空庭園

          5月14日ライブ案内「インド音楽で聴く源氏物語」

          5月14日(土)に東京渋谷でライブをすることになりましたのでご案内いたします。 澄んだ空と流れる雲 花の色と鳥のこゑ 季節の移ろいと揺れる恋心 日本の心の奥に天竺(インド)を再発見☆ 源氏物語の愛の世界を 北田信人によるオリジナル現代語訳と 天竺(インド)の絃と鼓の演奏で お楽しみいただきます☆ 源氏物語の名場面を選び、現代語訳とともに紹介、 そしてその情景を、インドの弦楽器サロードと打楽器タブラの色彩豊かな即興演奏で描き出します。 会場となる Pema Galler

          5月14日ライブ案内「インド音楽で聴く源氏物語」

          インドの音階論と心

          古代インド人の興味は、心という内的な世界に向けられ、心を観察し探求していった結果、 ヨーガや禅などの精緻な心理学と方法論を考案しました。 心の微細な揺らぎを観察し、突き詰めていき、結果として、無(ゼロ)の境地、という、人間の思考の届く限界まで到達したのは、人類の思想史上、驚くべきことだと思います。 古代インド人の、このような思想的特性は、インド音楽にも、如実に見ることができます。 インド音楽では、オクターブの7つの楽音に、次のような名前がついています。 サ、レ、ガ、マ、パ

          インドの音階論と心

          サロード+タブラの演奏

          サロード+タブラの演奏

          『音楽の海』ナーダ(音響)の生成

          13世紀インドの音楽理論書『サンギータ・ラトナーカラ』(音楽の海) の2章「胎生学・解剖学・チャクラ」に続いて、 3章では、人体内でのナーダnāda (音響・声)の発生のプロセスが解説されます。 魂(自我)が発話しようと欲し、体内の火を突き動かす。 (体内の火、とは、身体の熱を生み出す“消火の火“ のことで、下腹部のところで燃えている、と言われます。) 火は、風(気息)を刺激する。 風は、突き動かされ、臍にある“梵天の結び目“ (brahma-granthi) から、上方に

          『音楽の海』ナーダ(音響)の生成

          博士論文「音楽の海」

          2006年にドイツ・ハレ大学に提出し、その後2012年にスイスのペーターラング社から出版された私の博士論文は、 13世紀のインドで書かれたサンスクリット語の音楽理論書『音楽の海』(サンギータ・ラトナーカラ)についてです。 この本の最初の章では、面白いことに、インド古典医学(アーユルヴェーダ)の理論に基づいて、人体の生成について述べられ、さらにヨーガの神秘的身体論(チャクラや気管制御など)が述べられます。 まず、人体の生成についての記述では、 胎生学つまり、 母胎内での受

          博士論文「音楽の海」

          今はサロード弾いてます

          サロードは、北インド古典音楽の弦楽器です。 バンジョーや三味線のように皮が張られています。 フレットは無く、金属製の指板の上で金属弦を爪で押さえて,スライド・テクニックにより、人間の声を模倣した音を出します。 メインの弦9本の下に、共鳴弦が20本がついていますが、これらは爪弾かなくても、共鳴作用によってひとりでに鳴り響き、キラキラとした幻想的な雰囲気を醸し出します。

          今はサロード弾いてます

          昔取った杵柄(シタール)

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          枯山水

          最近、感動したのは、枯山水です。 仏教(古代インド)の世界観を表現したのだとも、 古代中国の神話の、南海に浮かぶ不老不死の島・蓬莱山(ホウライ)を表現したのだとも言われるそうです。 仏教の世界観では、世界は円盤で、中心に須弥山(シュミセン)という高い山がそびえており、宇宙軸となってます。この軸の周りを山脈と海が幾重にも同心円状に連なり、 さらにその外に、四つの大陸が、ちょうど4枚の花びらが雌しべを取り囲むようにして大洋に浮かんでいます。 宇宙は、ロータスの花のような形をし