「地域性」とは「場の呼吸」ではないだろうか。
地域、ローカルという言葉がありますが、この言葉にふれた瞬間に何を想像するでしょうか。どことなく緑豊かな田園風景、ゆったりした田舎、活気ある下町。たとえば、そのようなイメージでしょうか。
一方、私は無意識のうちに区別してしまっているような気がする高層ビルが並び立つような、いわゆる「都市部」や「都心」は地域、ローカルに含まれないのだろうかと考えてみると、それはそれで違うように思います。
地域性、ローカルという響きからは、虫眼鏡や顕微鏡で範囲をしぼりながら解像度を上げてゆくことを想起します。そう思うと、あらゆる場所、空間が地域であり、ローカルに含まれる。自分の家の近所もひとつの地域であり、ローカル。
では、地域性、ローカリティとは一体何を意味するのでしょうか。人や場所の雰囲気?街並み、佇まい?水や空気の新鮮さ?街の香り?
地域性やローカリティという概念を構成する要素は様々あり、それら全ての総体であると思うのですが、私は「呼吸」あるいは「息づかい」と考えています。
そこに流れている呼吸、リズム、ペース。
ゆったりしている、せかせかしている、変化が穏やか、変化が激しい、などなど。
そこにいる人の生活、そして、それを彩り支える自然や人工物。
地域性やローカリティとは「静と動」によって、創発的に絶え間なく編み込まれ続けてゆくユニークな編み物のような、そんな感覚があります。
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