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スポーツのルール変更に思う。面白さを求める努力は必要だが、マゲの無い相撲は見たくない。

Voicyでも投稿しております

今日の内容につきましては毎回恒例ではありますが、Voicyでも投稿しております。またNoteでいただいたコメントは全て音声でコメント返ししております。

今のところいただいたコメントについては全て拾っておりますので、西尾と会話してみたいという方はコメント付けてみてください。全力でお答えします。

ピッチクロックの導入が大きな話題になっている


ちょっと今日はスポーツライターとしてお話をしたいと思います。

最近のニュースとしてメジャーリーグで「ピッチクロック」を導入したということがありました。


知らない人からするとえ?何それ?って話だと思いますけど、結構インパクトの大きなルール改正なんですよ。これ。


というのも、ピッチャーが所定の時間内に投げないといけないっていうことをルール化したっていうものなんですね。つまり、今までのように時間を掛けられないから、早く投げないといけない。


目的は、試合時間の短縮


なんでこんなことをするか?

と言ったら実は大きな理由があるんです。


それは、試合時間の短縮です。


野球って他のスポーツとくらべると試合時間が本当に長いんですよ。そして、今の若い人は長い時間をスポーツ観戦に費やすようなことをしないので、野球観戦は敬遠されている。だから、人によってはメジャーリーグの観戦っていうのは年寄の趣味だと言う人も居るくらいなんですよ。


何しろユーチューブの動画でさえも見なくなっていて、ショート動画に移行しているという潮流がありますからね。エンターテイメント業界としては結構これ、大きな問題です。


ピッチクロックの導入で試合時間が大幅に短縮できた


で、ピッチクロックの導入でどうなったかと言えば、効果てきめんで。


これまで野球って3時間とか、少し長くて4時間。

下手すりゃ5時間とかかかる日もあるんですよ。


だから昔の野球って好きじゃない方から嫌われてたじゃないですか。放送時間延長に伴って後の番組の予定がガタガタになるっていわれて。実際今回のWBCでも確か、その後の番組を楽しみにしていた人が怒っていて。


まぁあれもどうかと思うんですけどね。だって今、テレビ番組をオンタイムで観たいなんて人がどれだけ居るんだよってのも一つの流れじゃないですか。


ちょっと話は逸れましたけど、意図していた通りの効果が出たっていうのは大きなことだと思います。


ルール改正すると選手への影響が大きい


現場からしたら本当に大変だと思うんですよ。ルール改正っていうのはね。問題が幾つかあるんですけど、一つはそれに対応できない選手が出てきてしまうということです。


だって、投げるテンポが変わっちゃうんですよ?ゆっくり投げることによって、相手に打たせないタイプだって居る訳ですよ。一つの武器が奪われることになる訳です。


野球の世界では10年くらい前に統一球を導入したことがありました。いわゆる飛ばないボールっていうやつで、これが理由で多くの選手が成績を落とし、そこから浮上することなく引退していったということがありました。


で、不評だったこともあってボールをまた変えたんですけど、今度は飛ばないボールの影響で活躍できた選手が成績を落として、何人も対応できずに去っていきました。


ルール改正は競技の持つ面白さを損なう恐れがある


選手が対応できなくなるっていうのは確かに大きな問題なんですけど、より大きな問題もあるんです。


それは、競技の持つ面白さを損なう恐れがあるということです。


ピッチクロックの導入っていうのは時間の短縮が目的ですけど、そもそも時間を短縮する野球って面白いんですかね?


野球って、言い方は悪いですけどダラダラと1回に時間を掛けて、場合によっては1人の選手に対してピッチャー交代して勝負したり、時間を掛けての駆け引きがあったりというところに勝負の面白さがあるっていう観方もあるんですよ。


時間の短縮っていうのは、無制限だったからこそ存在していた闘い方を排除することになる訳で、果たしてそれでいいのか?っていうのは議論が必要になるんですよ。


ルールを頻繁に変えている競技もある


ルール改正って、野球だからかなり大きな話題になっていますけど、私が知っているところだとバレーボールって見る度にルール変わっているんですよ。これは印象ですけど、オリンピックの度に違う要素が混じっていて、え?何?って理解している間に終わっちゃうみたいな。


いつの間にか足を使っていいことになっていましたし、サーブ権なくても点が入るようになりましたし、15点じゃなくて25点先取になったし、リベロってポジションも出来たし。


人気が欲しい競技であればあるほど、ルールって頻繁に変わる印象なんですよね。多くの人が興味を持てるように、面白いと思えるように。競技者は大変かもしれないけど、大事なのはいつだってファン目線というのがそうした競技の考え方です。


時代に合わせた変化はスポーツの世界では必要なこと


ファンを楽しませるためのルール改正がいつだって正しいとは言いません。ただ、ファンが居ないことには競技は存続しません。何のための伝統かも分からなくなってしまいます。


だから、時代と人々の嗜好に合わせた変化っていうのはスポーツの世界では求められる日が来るんです。歴史があればあるほど、想いを抱く人の数が多ければ多いほど、それの変化は議論を産むことになります。


恐らくピッチクロックと同様のルールをバレーボールで導入したとしたらこんなニュースにはならずにぬるっと始まって、時間が短縮されるという結果がひっそりと出てくることにはなると思うんです。


日本でピッチクロックなんて導入したらそれはそれは大変なことになると思います。特にオールドファンであればあるほど、反対意見は強いことが予想されます。そりゃそうです。だって彼らからしたら時間短縮なんてしなくても今のままで十分に面白いんですから。


不合理がスポーツを魅力的にしていることもある


ただ、一方で大事なのは、競技の根幹を成す部分が何か?ということなんです。要するに、それ変えちゃうと競技そのものがつまんなくなるっていうことはある、ってことです。


野球の世界よりもよりそれが顕著なのが、ほかならぬ大相撲だったりします。


大相撲って、不合理な点が本当に多いんですよ。


どっちが先に体が土俵に付いたかなんてセンサー付けた方がいいとか、怪我をしないようにするためにウレタンマットを土俵外に置くべきとか、髷が地面に付いて負けるのは不平等だから髷を止めようとか、言い出したらキリがありません。


ただ、大相撲の不合理っていうのは、大相撲を大相撲たらしめているんですよ。ウレタンマットのある大相撲とか、髷の無い力士とか、誰が見たいですか?


つまり、世の中がどう変わろうとも変えちゃいけないものっていうのは、競技によっては存在するのでそれを見定めることが大事だということです。


まとめ:ピッチクロックの導入について


メジャーリーグでは最近、ピッチクロックを導入することによって試合時間を大幅に短縮することに成功しました。これは若者を始めとするエンターテイメントの時間短縮嗜好を受けてのものですが、結果が出たのはとてもよいことです。


スポーツというのはその時代に応じて人々の嗜好に合わせて変化することがとても大事です。実際に人気がメジャースポーツほど無い競技は盛り上がるようにルールの改正を頻繁に行っています。それほど見る側を焚きつけるということが求められているのです。


ただ、不合理なことがスポーツの魅力の根幹にあるということも事実です。髷の無い相撲、ウレタンマットに囲まれた土俵、防具を付けた力士。そういう相撲を見たいか?っていうことなんですよ。


だから、何かを変えることは時代に合わせて必要なんですけど、変えて良いことと良くないことの取捨選択は本当に大事になるということは覚えていただければと思います。



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