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マンション理事は面倒。でも悪くない。総会だけは無理な理由

今の家に引っ越してから2年経ちました。

賃貸で借り続けてもその出費は将来的に無駄になってしまうし、住宅価格は上がり続けているし、互いの両親が高齢で私は父を前年に亡くしているという事情もあり、中古マンションを購入することに。

フルリフォーム済みで、都内であればどこでも時間を掛けずに行ける立地で、駅から近く、近場で買えないものは基本的に何もなく、更には静かな住宅街。

無理なく支払える金額ということもあり、今の家に決めました。

元々が両国在住で、家賃は高いし、狭いし、妻の荷物はクローゼットに収まらないところまで来ていたし、後で考えてみるとアクセスが良いのと相撲ライター的に両国に住んでみたいということ以外は結構不自由な点も多かったんですよ。

まぁそれも、今の環境が良いからだと思うんです。

でね。
引っ越して半年が経ち、マンション住まいで赤紙的な位置づけのやつが届いたんです。

「来年度の理事に選出されました」

元々実家がマンションですから、理事がどんなものかは聞かされていました。

そう。
誰しも嫌がるんですよ。

月に一度は理事会があり、2時間は拘束されます。で、決めることや協議することはと言うと、どこかで何かが壊れているとか、住民の方からこんな意見が出ているとか、消防点検の予定を組もうとか、言っちゃうと別に生産的な何かをするわけではない。

これは面倒だなぁ…

そう思いましたが、運が良かったのは新しい住人だということもあり「会計」なんていう1年に1度しか出番のない役割にしていただけたことは有難くも申し訳なくもありました。

ということで私の仕事は基本的に理事会に参加し、その時々で出てくる議案について意見を出していくことでした。

やってみて思ったのは、月一で巡ってくるこの役割はやっぱり面倒なんですよね。

そりゃそうです。
4~5週間に1度は理事会ですから。

特に私の場合はそうなんですけど、前日や当日に予定が入っているとそのことを考えてしまうので、14時開始でも午前中はあまり使い物にならないんですよ。

つまり、半日以上は拘束されたも同然になる。実質的な拘束時間以上に、精神的にも鎖を掛けられているような感覚になるので、これが一番面倒だったように思います。

まぁ話し合う議題っていうのは長期修繕計画策定と、それに伴う資金計画変更以外は大したものは無かったのは幸運でしたが、細かい話題が意外と難航したりして、持ち時間の2時間を丸々使うことになったんですよ。毎月ね。

だから、この9月で理事の任期が終わって1か月くらい経って気づきましたけど、理事やらないと物凄く楽なんです。当たり前のことなんですけどね。

ただ、かといって理事って面倒で負荷ばかりかといったらそうではなくて。

一番良かったのは、理事同士で交流できたことです。

今住んでいるのは妻の地元と言っていい街なんですけど、マンション内に知り合いなんて誰も居ない訳ですよ。子供が居れば自然と交流することになるんでしょうけど、そういうのも無くて。

あと、そこそこ年数が経っているマンションですから、私達よりも住人の方達の年齢層が少し上で。

色々と交流できる機会が無かったんですね。

だけど役割が出来て、月に一度顔を合わせて、お話をする。理事会のトピックだけでなくて、マンションそのものや近隣の情報が色々と入ってくるんです。

そういう生活にとても便利で知っておいた方がいいことって、自分たちだけではなかなか集められないんですよ。だから理事をするようになってからスムーズに運ぶようになったことも多くて。

あと。
同じ理事をやっていた方と友達付き合いに近いものも出来まして。

お相手は70代のおじいちゃんですよ。
私の母より少し年上で。

きっかけは私の副業の話だったんですけど、そりゃこの年代の方は相撲大好きですからね。これはもう、話が盛り上がるんですよ。

あ。
この副業って、ちょい上の世代の人たちと仲良くなるうえで凄く効果的なんだなって感じました。

まさか同じマンションの方と、それもここまで年上の方と近所のファミレスで2時間飯食いながら相撲の話することになるなんて夢にも思いませんでしたけど、これは嬉しかったですね。

だから、この1年振返って思ったのは、マンションの理事って気が乗らないし、出来れば避けたいけど、やってみると悪くないし、いいことも沢山あったということなんです。

次回が何年後になるかは分かりませんけど、最初はあーまた始まるのかと思いつつも、やり始めたらそれはそれで楽しくもあるんだろうなぁと。

しかし。
どうしても言いたいことが一つだけあります。

総会だけは本当に嫌でした。

前年の総会、すなわち私が理事を引き継がれる側だった時に初めて参加しましたが、当時からだいぶ気になっていたんですよ。

理事がフル叩きに遭うんです。

これに関しては正直、そんなことするのは限られた人なんです。そして、質問に関しては至極真っ当で、それも踏まえて考えなければいけないことっていうのもありました。

理事会の決議事項ですから、そこで通っちゃったら当面はその通り進められるってことを考えると、意見を言える場が設けられているのですから、言うのは当然というのはその通りです。

自分が進める側に回って思ったのは、意外と参加者の方ってこちらの想定とは異なる部分を気にされていて、それゆえ話がなかなかまとまらないことがあるということでした。

ただ、正直なところ、全ての人の考えを前もって想定することは出来ないことですし、そして全ての方の痒いところに手が届くような説明を準備するなんてことは出来ないんです。残念ながら。

そのうえで、説明が足りないとか、もっと議論をしたうえで議題に上げてほしいとか言われても、こっちは困るんですよね。

どこまでが「有意義な提言」で、どこからが単に「面倒な難癖」かは見解が別れるところではあると思うんです。

ただ一つ感じたのは、今その場で任期を終える理事の人に言っても仕方がないことというのは「面倒な難癖」になってしまうのではないか?ということでした。

もうその日をもって理事を終える人に対して進行の仕方とか意見の取りまとめ方、そしてどのレベルまで深堀して皆さんに情報提供するか?みたいなことをこの時点で私たちに言われても、いや、明日から私達はもう理事じゃないですからとしか言いようがないんですよ。

それを言う先は、次期の理事の方達だと思うんですね。

で私たちとしては、そういうことを言われたら本当は言い返したいという気持ちもあるんですけど、無駄なラリーになりかねないですから「では次期の理事に引き継ぎます」と言ってその場を終えることになります。

まぁ何より、一年間無償で毎月理事会に参加して、その末に言いたい放題、叩かれ放題されて終わるっていうのはなんなんだろうっていう、感情的なやるせなさが一番大きいです。

「提言」と「難癖」に関しては、「提言」側の方がほぼ全員なんですけど、悲しいことに「難癖」サイドの本当に一部の方の発言の量が多いんですよね。これ本当に困ったところなんですけど。

よく聞くのが、本当にどういうわけか、この手の「難癖」サイドの人ってどこのマンションにも1人居るらしいんですよね。確率的に見たらそんなもんなのかもしれないですけど、「難癖」サイドの人だけでマンション運営してほしいと心から思います。そんなことは無理なんですけどね。

ハッキリ言って一部の人たちによって議事が乱される。こちらの心象も著しく悪いものになる。でも彼らのような人たちが参加することも権利ですから、理事会の人たちは毎年サンドバッグになるしかない。

こういうの、なんかいい言葉付けられないですかね。

「総会クラッシャー」
とか

「総会ハラスメント」
とか。

上手いこと世間的に害悪な行為として何となく抑制していくような価値観が生まれてくると本当に有難いんですけど、どうなんだろう。

これに関しては他の方もnoteとかTwitter、各種SNSでもお聞きしたいところです。

PTAとか少年野球のお茶係みたいなもんだと思うんですよね。これも。誰もが嫌だと思いながら、慣習として残っているし、否定してたら色々と回らなくなってしまうから声も出しにくい。

理事会や総会の存在は別にいいと思うんです。
問題は「総会クラッシャー(仮称)」が野放しになっているという点です。

これは本当に広く議論してほしい。
初めての理事を務めて、心から思いました。

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