見出し画像

日本史授業脚本「17 日本の軍制」

「小さな政府」は「夜警国家」と呼ばれます。つまり、どれだけスリムな「国家」であっても、領土と国民の安全を守る「安全保障」は必須だということ。

日本が近代国家を目指す上で、「近代的軍隊」と「警察機構」を整備するのは早急な課題でした。しかも、江戸時代にはこの両方とも「武士」という身分の人たちが専門で行ってきたわけですから、簡単にはいかないですよね。

「国民皆兵」を掲げた日本の「徴兵告諭」は、幕末の長州藩で生まれた「奇兵隊」がモデルになっています。現代人の感覚だと「徴兵」はネガティブな制度に思えますが、当時はまったく逆の感覚だと思った方が良いでしょう。

「国の防衛」を「武士」が担っていたことで、武士は「特権身分」だったわけです。もちろん、経済的な特権ではなく、権威としてですけどね。

その特権、すなわち「武士のプライドやアイデンティティー」を無くして、国民みんなが等しく国防に携わる体制が目指されました。まさに「四民平等」。「徴兵令」と「四民平等」は表裏一体と考えるのが適当なのです。

外国に対抗できるだけの強い軍隊を作るためには、武士のような専門職だけで編成するのは無理だったということです。実際、この制度で日本の軍は数年で「日清戦争」「日露戦争」で勝利できるほどにまで強くなったのです。

現代の感覚で、「国民を徴兵するなんて酷い!」と言う人もいるかもしれませんが、「徴兵制」で悲しい思いをしたのは、むしろ「武士」です。

そして、この決断がなければ植民地化が当たり前だった欧米に飲み込まれ、日本の国家自体が滅んでいたかもしれないことに気づいて欲しいですね。

☆歴史の授業でお困りの先生方。生きた日本史を学びたい受験生。お子さんと一緒に歴史の勉強をしたい親御さん。ぜひぜひ下のテキストをご覧ください。もちろん無料です!

参考になった方は「すき」「コメント」お願いします。今後の参考にしたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?