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天皇から庶民まで歌を詠む国なんてある?

最古の歌集である『万葉集』や勅撰和歌集である「八代集」、歌物語というジャンルの『伊勢物語』など、古代の日本と和歌(歌)は密接に繫がっています😊

今から1000年以上前の世の中で、身分関係なく、和歌を詠む国という、日本の文化レベルの高さには驚くばかりです。

そしてそれらを、国家事業として編纂し、伝統えてきたことも素晴らしいと思いますね✨

1. 歴史を歌で伝えられる国

たいていの国は、歴史書や公文書、遺跡や言い伝えなどをもとに歴史が語られます。それをもとに後世の人の解釈ができあがるのです。

でも、日本にはそれらに加えて、当時の人達が詠んだ、それはそれはたくさんの歌があります🌸

そしてそこには、身分や立場が違う人たちの想いが込められています🌸🌸なんと素敵なことでしょう!

例えば、「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という歌。藤原道長が3人の娘を同日に入内させる宴の席で詠んだ歌です。

彼は、摂関政治を確立し、栄華を誇った藤原氏の代表的人物です。そのことは、多くの史料からわかっていることですが、その真っ只中にいた本人がどんな思いでいたのかは、和歌からしかわかりません😉

この歌では、道長の自信や奢り、誇らしさみたいな感情が表現されています。

しかも、当の本人がその気持ちを表現しようと思って詠んでいるわけですから、信憑性が高いと思います。

和歌のおかげで、私たちは、ただの史実を客観的に羅列するよりもはるかに深い歴史を知ることができるのです。

しかも、現代の人の憶測ではなく、リアルタイムな意味づけが可能になるでしょう。

2.  『万葉集』は本当にグレイトな歌集だ!

日本最古の歌集として知られる『万葉集』。この歌集の偉大さについて、学校でもっともっとしっかりと教えるべきだと思いますね🤔

この作品には日本の素晴らしさの本質がありますから✨✨✨

『万葉集』は万葉仮名と呼ばれる日本独自の文字で書かれています。ここが1つ目の感動ポイントです!

当時の日本には独自の文字がなかったんですね。記録には漢文を用いていました🤔

万葉仮名は、漢字の意味と音を組み合わせて、当て字のようにして話し言葉を文字で表したもの🌸漢字の送り仮名も漢字で書くみたいな感じ。

つまり、万葉仮名は、歌を残すために作られた文字ということになります✨

普通、文字は税を取ったり為政者の功績を残したりするために作られるものです。

それが、日本では「良い歌を残したい🌸」という動機で文字が作られたんですから、なんて雅なんでしょう!

『万葉集』2つ目の感動ポイントは、「歌のもとの平等」です🌸

4500首収録されている歌の作者は、天皇や皇族、豪族だけでなく、防人や農民までいます!さらに、詠み人知らずとして載っている歌もあるのです✨

これってすごいことじゃないですか?

1200年も前ですよ😲天皇から農民まで、また、男性も女性も、分け隔てなく収録するなんて、他国じゃ考えられない!

「歌の下の平等」というか、もともと日本人は基本的に差別はしない国なんですね。

良い歌はだれが詠んだものでも評価されるので、だからこそ詠み人知らずの歌も残すんです!

吉田松陰など、処刑された人物も「辞世の句」といって、死の直前に歌を詠ませてもらえる。

そして、その歌はちゃんと後世に伝えられるんです。普通、あり得ないですよね。

トドメに3つ目の感動ポイント🌸🌸🌸

とにかく、日本人の情緒の豊かさが感じられる点ですね😊

例えば、防人の歌からは、突然の任務で故郷を離れてしまったことに対する悲哀、妻の絵を描いてくれば良かったと妻を思う気持ちを詠んだ歌などが収録されています。

一般の農民が、そんな歌を詠めることにも驚きですが、見方によっては政府批判とも取られかねない歌を、政府が掲載するというのもスゴい!

山上憶良の「貧窮問答歌」にしても、当時の庶民の苦しい生活がわかる内容です。

それを公の歌集に載せてしまうんだから、為政者と庶民が敵対関係にならない、日本の特徴が表れてますね。

他にも、日本の豊かな四季を味わった歌や美しい景色を詠んだ歌、家族への愛、男女の恋愛の歌、挽歌(亡くなった人への追悼の)など、心の動きをあらゆるジャンルで詠んでいるんです🌸

当時の日本人がいかに豊かな心を持っており、その感性を歌で表現していたかがわかりますね。

そして、中でも「恋愛の歌」がなんと多いことか!

恋愛が文化になるのは、平和な社会であることの証ですよね🌸🌸🌸

そういうわけで、『万葉集』は本当にグレイトな歌集だということです👍




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