見出し画像

『光』と『影』をみつめる。

今年度3回目のヤングケアラー講演会。
はじめてお仕事でご縁の出来た街で、はじめて出会う人達と一緒にその『場』を作る。

講演会は人権フェスタの一環として開催されており、私の前には地元の中学生のダンスや合唱などの催しがありました。
控え室に通されても大人しくしておけず、会場に紛れ込み子ども達のその一瞬を、会場で皆さんと一緒に楽しんでいたわたし。
会場の入り口には地元の特産品の販売も。
ここに暮らす皆さんの雰囲気を感じながら。皆さんと一緒に過ごす温かいひととき。

演題は「ヤングケアラーと呼ばれる子ども達の思い」
社会の状況や流れから親子や子ども達を紐解いていく。
私が講演会をする時に大切にしているのは、会場の皆さんの気付きを促すこと。
『自分ごと』として。自分なりに。じっくり考えて。。。
そして気付いた!!

気付いたことはその人次第。
会場の「あなた」を尊重していく。
「あなた」の中に紡がれていく物語。

私はただただ会場の「あなた」が『自分ごと』に考えられる為の情報をお伝えてしていく。
ヤングケアラーも含めた社会課題や物事には、何にでも一長一短『光』と『影』の部分がある。
子ども達を「かわいそう」だと決めつけてはいけない。

私が子どもの頃。
私にも「ちゃんと」幸せがここにあるのに。
大人から何とも言えないハの字の眉毛の表情で、「かわいそうに」と決めつけられ、わたしの顔をのぞき込まれることが何より一番大嫌いで、何より一番傷ついた。
その度に「絶対この人にわたしの気持ちなんてわからないし、絶対に言うもんか!」と心に決める。
そしてそれ以上聞かれないように、にっこり笑顔を返してやった。

講演の最後会場の皆さんに感想を尋ねる。
「涙が出ました。きっとそれは、『光』の部分もあるんだなと気付いたから。何だかほっとして涙が出てきました」
目を潤ませて語ってくれた彼女の物語に思いを馳せる。
彼女の優しさに胸が熱くなる。

また別の方から
「地域みんなで子ども達に声をかけていきたいなとおもいました。私も何かあったら声をかけたいと思います」
『自分ごと』になった瞬間。
「あなた」のその一言が、子ども達の未来を変えるエネルギーになっていく。

「かこちゃん何かあったらおばちゃん家においでぇや」「ちゃんとおじちゃんに言うんじゃぞ」
小さい私の目を見る、真っ直ぐな瞳に私が写る。
「きっとこの人達は本物だ!この人達には嘘をつかなくても良いんだ!」とどれだけほっとしたことか!

家族の緊張が高まっている時期には、家族の顔色を見てみんなが平和に過ごせるように、自分がどう立ち振る舞うべきか神経をすり減らしていた子ども時代。
そんな時代があったからこそ身についた、本当に信頼できる人を見分ける力と、相手や状況をしっかり観察・分析する力。

『影』に押しつぶされずに『光』が残ったのは、周りの大人からの声かけや見守りのまなざしがあったから。

教育長さんと奥様が、地元で評判の鯛焼きをお土産にわざわざ買って来てくださった。
はじめての場所ではじめて会う人達と。甘くて優しい鯛焼きと。
何て幸せな週末だ。

子ども達が子どもらしく、子ども時代を過ごせるように。
子ども達の『光』を引き出せる大人がたくさんいる地域が作れるように。
『自分ごと』として日々精進。前へ。。。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?