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夏の終わりに。たっぷりバジルのフリッタータ。

そろそろバジルも食べ収め。ウチの放置自然菜園では雑草に混じってわさわさとバジルが葉を茂らせています。バジルって、ジェノヴェーゼペーストでも作らない限り一度に沢山は消費できないものですよね。人気のあるハーブなのに案外お料理に活用しきれずにいる人が多い気がします。

そんな時におすすめなのがこのフリッタータ。一度に沢山消費できます。
超簡単なのですが、ちょっとしたコツが。

イタリアの玉子焼き、フリッタータは一年を通して色々な具で作っていますが「一番好きなフリッタータは?」と聞かれたら迷わず「バジル!」と答えます。バジルの季節になると何度も繰返し作ってしまうフリッタータで具はシンプルにバジルのみ、なのですがこれが本当にやみつきになる美味しさ。

シチリアのマンマに教えてもらったフリッタータはオリーブオイルをたっぷり使って揚げ物のようにジュワ~ッと焼くので、卵の端っこがカリッとサクッと揚がったようになるのと、表面のバジルも一緒に揚がってパリパリ香ばしくなるのがたまらないのです。 ウチでは羽生さんのフライパンのSサイズで作っているのでだいたい玉子は3~4個くらい。そこにバジルをこれでもか、というくらいたっぷり入れます。分量的にはこんな感じです。

ではでは、簡単に作り方を。というかもとから簡単なんです。ただ、いくつか絶対に譲れないポイントがあって、ほんの少しのことなんですけれど大きく出来を左右してしまうのです。少なくともワタシは、このやり方に出会ってからは「フリッタータはこれに限る!」と決め込んでしまいました。以来20年以上このやり方を貫いてきています。そのポイントとは…

1、卵液は最低限しか混ぜない。

2、たっぷりの油をしっかり熱して全量を一気に流し入れ、最後まで混ぜない。

3、蓋をして卵の焼けるお菓子のような香りがしてきてからひっくり返す。

以上です。たったこれだけ。これはバジルに限らず、どんな具のフリッタータでもだいたい一緒のルールでやっています。

卵液はシャカッシャカッと黄身がつぶれ、ざっくり混ざったくらいで十分。卵白と卵黄を均一にしようと何度もかき混ぜると仕上がりが固くなってしまいます。日本の玉子焼きや、オムレツのようにフライパンに入れてから菜箸で混ぜたりもしません。肝心なのは、とにかく良質のオリーブオイルをケチらないことと、しっかり熱してから卵液を入れること。そうすると卵液を入れた瞬間「ジョワワ~!!」っと土砂降りの様なものすごい音がしていきなり卵の縁がチリチリと焦げはじめます。

フリッタータを作っていて「あ、今日のは上手くいくな」と確信できる時は、この音が気持ちよく響いた時なのです。時間が無くて油を熱し足りない時などに気弱なショワ~という音になってしまうと「ああ、失敗だあ」と落ち込んでしまいます。

イタリア語でフリッタータ(frittata)とはフリットしたもの、つまり揚げた物という意味。このやり方を台所で実際に見せてくれたマンマも、その点を強調していました。オーブンなどで仕上げるレシピもありますが、ワタシにはやはりフライパンで揚げるように焼くのが本当のフリッタータです。3つ目のポイントは、最初に流し込んだ片面でほとんど火を通してしまうということで、これは油を吸った片面がしっかり焼けてカリッとしてくると吸った油を再び吐き出しはじめるんですね。そのタイミングでもう片面を焼きたいから。両面サクッと行かせたいじゃないですか。

簡単とはいえ、実際の作り方を。分量は、小さ目のフライパンでやりやすい量で、だいたい2~3人分です。一人でもペロッと食べられますが。

材料:玉子3個、牛乳大匙1、塩、コショウ少々(お好みでパルミジャーノチーズを大匙2ほど入れても、入れなくても)、バジルたっぷり
美味しいエキストラ・バージン・オリーブオイル大匙3(フライパンの底にしっかりゆきわたるくらい)

1、ボールに玉子を割り入れ、塩、コショウを適量入れてシャカシャカと軽くほぐす。

2、バジルは太い茎だけ残して葉っぱは丸ごと、卵液からはみ出るくらいたっぷり入れて軽く卵液を絡めます。

え?こんなにバジルを沢山?というくらい入れても大丈夫。

3、フライパンにオイルをいれ、揚げ物が出来るくらい十分熱してから一気に卵液を注ぎます。こんな風にバジルがむき出しですが心配無用。反対面を焼くときにバジルは勝手に卵液の中に納まってくれます。

4、蓋をして火を弱め、卵が焼けるよい香りがして卵液が中心部以外固まってきていたらひっくり返す。大き目のフライパンで量を増やして作る場合など、上手に返せない時はお皿をかぶせて手で押さえたままひっくり返し、お皿からフライパンにすべり落とすとうまく行きます。

5、2~3分焼いたら出来上がり。もう一度ひっくり返してお皿に盛ると、バジルの色がキレイです。写真のように、フチがチリチリと薄い皮のように焼きあがれば成功。

蓋をして焼くとフリッタータはふんわりふくらみます。それっ!と焼き立てを頬張るのが一番ですが、お弁当など時間を置いて食べる場合はいったんキッチンペーパーなどを敷いたお皿で休ませ、余分な油を吸い取っておくとしぼんでからも美味しく食べられます。

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