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映像・動画制作が育む想像力

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第4章 <わたし〜点と線〜> より抜粋(十数回に分けて公開中)


28歳くらいの時に役者から映像を作る側へ転向しました。

制作会社にも少しAD(アシスタントディレクター)として働いていた時期もあり、ロケハン・素材集め・キャスティングとか、作品制作に関わる準備系は色々とやてきました。

AD時代は大体2年くらいで、そのあとはフリーランスで企業の商品やサービスPRの映像を作りながら個人で作品を制作してました。

インディーズバンドのミュージックビデオ(MV)やバンドのライブを撮影・編集、自分でストーリーを考えて個人でアート作品みたいなものを作っていました。

映像や動画制作は形の無いものを想像し、そして具現化する作業です。
この【想像する経験】が動画制作ではメリットだと考えています。



動画は情報を伝える手段として広く使われてますしyoutubeも世界的に広まって動画のニーズは数年前から急激に高まっています。

僕が言いたいのはニーズがあるとか動画効果が高いとかそういった話ではなく、制作する過程で育まれる想像する経験が将来大きな力になるんじゃないかと考えています。

頭の中でまだイメージし切れていない世界に物語を作り、それを絵コンテでイメージ化する。

言葉のキャッチボールでどんな会話に発展して誰がどんな行動に移すか。

その世界を映像という目に見えるものに可視化していくこの一連の流れはとても脳を刺激し、想像力や創造性を育むためにはとてもいい作業なんだと思います。

そして、映像制作の中で創造性を養う作業は次の2つかなと思います。




▼物語作り

映像作りのスタートは、何もないところから登場人物の感情を作り、人と人との関係を作り、一つの世界観の中で感情を揺れ動かせながら物語が展開します。

この作業はイメージ力が問われますが、【妄想】【空想】にも似た作業は社会人にとっても役立ちます。
第2章の「空想することの意味」にメリットを書いていますので、是非読んでみてください。

特に子供の時からこういった自分の想像する世界観や感情を踏まえてストーリーを思い描く経験は大人になった時の「イメージ力」や「先を見通する力」になってくると思うので、若い時からこういった経験は大事になってきます。




▼編集

ストーリーのある映像に限ると思いますが、編集の良し悪しで作品全体の雰囲気が変わってきます。

BGMやSEだけでなく間(ま)を開けるだけでそのカットの意味が変わることもあります。

技術的なテクニックも必要ですが、感情や情緒を読み取り、作品の空気感を作ることも重要になってきます。

マニュアル通り進めるのではなく、作品全体の雰囲気や監督の意図、登場人物の関係性を考えた編集ができるようになってくると思います。

同じシーンを何度も何度も繰り返し感情や情緒をチェックしながらなので編集は根気がいる作業ですが、感情の動きを読み取る作業です。

さらに、手をどれだけ加えても「もっとうまく繋げられないか?」「もっと感情を表現した編集はできないか?」と、上を目指せばきりがありませんから、果てしない作業なのかもしれません。
だからこそ試行錯誤するので【思考の訓練】にもなると思っています。

「これが正解」なんてものはありませんが、想像することと追求する意識が映像編集には必要な気がしています。

だから思考を鍛えるのにはいいツールなんだと思います。



「芝居は感情のリハビリ」のところで、学生の時期に芝居の経験をした方がいいと書いていましたが、動画・映像制作も同じ考えです。

物語を想像したり編集で試行錯誤学する経験も、学生時代にやってみることをお勧めします。

僕が映像を始めた15年くらい前は編集ソフトの値段も高く敷居が高かった時代でしたが、今は編集ソフトも色んな種類が出ていて、簡単なものだと無料で使えるのものもあるので気軽に始められると思います。

「良い作品」とか「感動させる作品」を目指すことはもちろん素晴らしいです。
なんとなく作るよりも目標があると「もっと感動するにはどんな表現がいい?」と、突き詰めることができますから。


しかし人間力としては、制作する過程で得られる想像力や試行錯誤する経験、そして探究心が養われていくと、考えています。

若い時のこういった経験は完成した映像の良し悪しではなく、映像表現が拙くても全然OKだと思っています。

テクニック的なことは後でいくらでも身につけらますから。


まずは想像し、没頭すること。
何度も書き直し、試行錯誤することです。


他にメリットがあるとすれば、今後の人生の中で何か行動を起こしたいときに「動画制作のノウハウ」があるだけで選択肢の幅が広がるので、経験していて損はないかなと思います。



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