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失敗や挫折

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第2章 <子供のために、自分のために、大人が考えておきたいこと> より抜粋(十数回に分けて公開中)

失敗や挫折ってどんな状態になったら失敗で、挫折と判断する基準は何でしょうか。
なんだか哲学的で深い話に聞こえるかもしれませんが、そんなに深くはないと思ってます。

失敗や挫折をちゃんと捉えることがどきれば、気持ちが落ち込んだりすることはないと思ってます。
失敗や挫折の意味をちゃんと捉え直すことが大切です。

失敗や挫折を経験して落ち込んだり、切り替えることがうまくできなくて立ち直るのに時間がかかったりと、そんな経験をした人は少なくないと思います。

一昔前(大体20年以上前でしょうか)では失敗に対して厳しい風潮はありました。
後ろ指を指す人や陰口を叩く人がいたり見えないところで笑われたりと、いけないことをしたような時代がありました。

最近では失敗を大笑いする人自体は減ってきていますが、まだまだ正解を求めてくる人たちは大勢います。
失敗を良しとしない環境はまだたくさんあるでしょう。

僕自身仕事で失敗をした時は白い目で見られたり、無視をされたり、失敗したことを事あるごとに話に出してきたりと、失敗をダメなことのように扱われたこともあります。

失敗や挫折ってそんなにダメなことでしょうか。
そんなに恥ずかしいことなんでしょうか。

もちろん失敗した内容が大損害を被ったり、誰かを傷つけてしまう可能性がある場合は考えて行動しなければなりません。
しかし行動した結果、失敗の規模がそれほど大きくない場合は行動させていいと思っています。

僕個人の考えは、むしろ失敗は肯定しています。

挫折や失敗を経験したからこそ見えてきたものや気づいたことも沢山あります。
日本では失敗や挫折は良くないことだという考えを持った人がかなり多いですよね。
若い人はそうでもないですが、40代や50代以上の人たちは失敗をマイナスのイメージとして捉えている人が多い気がします。
(失敗をちゃんと肯定する人もいるので人によりますが)

なぜそのような考えを持った人が多いのか、個人的には【教育】が原因だと考えています。

第1章でも話をしましたが、少しだけ振り返らせてください。



日本の今の教育は戦中の【軍隊教育】や【富国強兵】の概念が土台になっています。
戦争に勝つことを念頭に置いた「指示に従う」や「決められたことを忠実に実行する」「足並みを揃える」ということを徹底的に叩き込む教育だったでしょう。
個人の能力よりも一致団結することが当時は正解でした。

戦後の高度経済成長の時代には与えられたことを粛々とミスなく進めることが求められ、そしてそれが評価対象でした。
高品質な商品を量産するには飛び抜けた能力を持った人は必要なく、足並みを揃えて同じ作業を繰り返せる人が必要でした。

しかし、その代償として「自分で考える」という経験や「想像する」「自分の意思で判断する」といった経験がすっぽ抜けてしまった人も多いでしょう。
その時の教育を受けてきた子供が大人になり、そして教師や親になります。
子供のころに学んできたやり方や考え方は【自分の考え方の基礎】になっている部分も少なからずあるでしょう。

【自分の経験した教育の在り方が普通】という感覚で子供たちに教育というものを教えます。

当時の正解を求める教育を受けて育った子供が大人になり、教師や親となって子供にも同じことを教えてしまう。
あるかどうかもわからない正解を探してしまう社会人が、今でも後をたちません。

挫折や失敗はしちゃいけない、というイメージはこんなところから来ているのかもしれません。

振り返りが長くなりました。



失敗や挫折を経験したからこそ得るものってたくさんあると思っています。
20代や30代の頃は周りから失敗しないための細かいアドバイスを沢山頂きましたが、今思い返せばありがたいと思う反面、すごく狭い世界で生きていたなと思います。

1回の失敗で周りから白い目で見られたり小馬鹿にされたりしてすごく辛くて何日も何週間も引きずったりもしました。

でもその経験があったから「揚げ足を取り合う世界で生きている人たちがいる」ことにも気づけたし、自分はそんなガチガチに固められた狭い世界で生きたくないと思えました。

自分にとっての幸せとは何か考えるようにもなりましたし、もっと自分らしく生きたいと思うようにもなりました。

もし、自分が挫折や失敗をして周りから白い目で見られたり小馬鹿にされた時に、「次は絶対に失敗しない!」「成功してやる」「間違えないようにする」と思っていたら、僕はどんな人間になってたんだろう。

その考え自体は悪いことじゃないと思いますが、

【成功】というものに縛られ、色んな考えを持った人間がいることに気付けなかったかもしれません。


この経験は自分がいろんなものに縛り付けられていたことを気づかせてくれたきっかけになりました。

そして、自分が生きたいと思う世界、生きやすい社会ってどんな社会だろう?と、考えるようになりました。

こんな感じで、失敗や挫折をしたからこそわかったことや感じたこと気づいたこと、きっと誰でもその瞬間に何かを感じたことがあると思います。

そしてそれは他の誰のものでもない、あなただけのものです。
失敗や挫折にはきっと何か意味があるし、その失敗や挫折をするまでに学んだことや身につけてきた知識はきっとこれからの人生の糧にできるはずです。

失敗は、人生を豊かにするきっかけになります。


それと、失敗や挫折を僕は【結果】とは捉えていません。
失敗しても人生が終わるわけではないですし、まだまだ人生は続きます。
むしろ失敗から何かを見つけたり気づくことが沢山あります。

僕は失敗を【過程】と捉えています。

長い人生の途中で失敗という経験をして、あなたの人生に「新しい考え方」や「見え方」を与えてくれる一つのきっかけです。

その後のあなたの人生を豊かにするための経験と捉えると、心が少しばかりは軽くなるんじゃないかと思うんです。

失敗・挫折をしてもどうか自分を責めすぎないでください。
あなたの人生を豊かにするための失敗です。

自分が思ったこと、感じたことを大切にしてください。
自分の幸せと他人の幸せは、そもそも基準が違いますから。



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