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「なぜ」を忘れないで

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第3章 <今はまだ10代の君へ> より抜粋(十数回に分けて公開中)

僕が過去の出来事を思い返す時にはできるだけ「なぜこうなったのか」を考えるようにしています。

父親や母親、他には教師や誰かが自分の気持ちを無視した言動を取ったとして、「その人がやったから悪い!」「その人が原因だ!」と、その人の責任にすることは簡単ですし、起きた問題自体の責任は「その人」にあるかもしれません。

しかしそれは本質ではなくて、考えなきゃいけないのは、


「なぜその人がそんな言動を取ったのか」


です。
その人がその発言をした背景には必ず理由や原因があるはずです。
起こってしまった出来事に対して対処すること自体も間違いなく大切です。

しかし、そもそも【問題行動や問題発言が起こらないようにするにはどうすればいいのか】という視点が最も大切です。
問題が起きないようにするには「この問題の本質ってなんだっけ?」と、時々は考えてみてください。

自分に降りかかった嫌な出来事の意識が囚われる気持ちはすごく分かりますし、昔の僕も【本質】というものなんてまったく考えたことがありませんでした。

正直何をどう考えていいかわかりませんでしたし、ただただ起きたこと(言葉や行動による暴力)に気持ちが落ち込んで「あいつ!」「くそ!」という気持ちが先行して周りが見えなくなっていました。

でも、その感情はすごく当たり前で、誰でもそんな気持ちになるはずです。



しかし、原因と結果の2つの側面が必ずあります。

いじめを起こす(起こしたくなる)【きっかけ】がなければいじめは起きないはずです。

目の前で起こっていることだけに囚われず、「なぜこの問題が起こったのか」と疑問を持つことがすごく大事です。
そして、

その疑問をできる限り忘れないで欲しい。



疑問を持ち続けることはすごく大変だと思いますし、人と話をする時に違和感を感じても話を合わせたり見て見ぬ振りをすることはいろんな場面であると思います。
相手の言葉に対して同じ思いを抱かなかったとしても頷いたり同調したりする場面は誰しもあるのかもしれません。

しかし、心の中では
「そんなもんだよね」「しょうがない」
と思わないでほしい。

「どうしてそんなことを言うんだろう」
「本当にそう思ってるのかな?」

と、相手がなぜそんな言動に至ったのかを考えてみることが、あなた自身の未来を変えるきっかけになるはずです。

すぐに結論は出なくてもあきらめずに、

「なぜ?」を考える。
「なぜ?」を忘れないことは、あなたの人生を必ず変えます。


そしてもし、心ない言葉や行動が降りかかってきたらもちろん自分の身を守る行動をとってください。
逃げるように見えるかもしれませんが、それは正しい判断なので身を守る努力をしてください。

人は
【頑張る必要がある場面】と
【頑張る必要のない場面】がある
と思っています

日本人はひと昔前の戦後復興時代に学んだ「頑張る」「我慢する」「正解を探す」といった概念が根底にある教育を受けてきた影響で、今でも頑張る必要のない場面でも頑張ってしまいます。
その結果心をすり減らしてしまって、その時は満足できても、長い目で見ると心をどこかに置いてきてしまったような感覚だけが残ってしまいます。


大事なことは、【自分の人生を生きること】


で、誰かに人生を左右される必要はまったくありません。
時には逃げることも大事ですから、自分の身を守る行動をとってください。

そして自分自身の中では「違う」「おかしい」という気持ちを忘れないことが、大人になった時に必ず役に立ちます。
これは問題を発見する力で、社会人になると仕事では必ず必要になります。



社会人になってからの話になりますが、企業に所属すると「問題発見能力」と「問題解決能力」の2つの力が時には求められたりしますが、「問題発見能力」が「なぜ」を追求する力です。
これは大人になってから身につく能力ではなく、普段からの意識の問題です。

今はこうなってるけど、もっとこうしたら良くなるかな?
なんか違和感あるな、なんでなんだろう?

と、「なぜ」を意識し続けることによって本質を自力で見つけ出す力になり、自分自身を成長させることになると考えています。

僕の場合は、いじめの経験が「なぜ」を意識するきっかけでした。
むしろ強制的に「なぜ」を考えさせられていたかもしれません。

しかし、そのおかげで

何のために働いている?
なぜこんなに息苦しい環境になってる?
生きやすい社会ってどんな社会?


と、さまざまな「なぜ」を考えるきっかけをもらったと捉えています。

いじめを受けていた方も、そうでない方も、子供も大人も、おかしいことや違和感、矛盾を感じたらできる限りでいいんです。

その出来事を忘れないでください。

そして時々はその出来事が良くなる方法を考えてみてください。
大人になった時に必ずその経験は役に立ち、あなたの人生を支える力になります。


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