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『THE FIRST SLAM DUNK』の木暮くんから学ぶEQの重要性

突然ですが、湘北メンバーで一番結婚生活が安定しそうな人って誰だと思いますか?
私は断然木暮君(メガネくん)だと思います。
結婚じゃなくても
例えばビジネスパートナーが木暮君。
はたまたプロジェクトメンバーに木暮君・・・。
想像してみてください。なんかストレスなく安心して仕事をしている自分の姿を思い浮かべませんでした?!
あの映画を見た人は、木暮君の安定感に驚いたはず。
この安定感こそ、彼はEQが高いことを証明していると考察しました。
てことで今回は山王戦の木暮君の言動を、EQの視点から解説していきたいと思います。
注意※
ネタバレを含みます。まだ映画を見ていなくてネタバレしたくない方はご遠慮ください!!

EQ(こころの知能指数)とは


EQという言葉を聞いたことがありますか?
EQとは、心の知能を測定する指標のことで、こころの知能指数とも呼ばれ、私たちの幸福度に大きくかかわっています。

EQと提唱している心理学者のダニエル・ゴールマン博士は、「人生で成功できるかどうか、本当の意味で聡明な人間かどうかを決めるのは、IQではなくEQの高さだ」と主張。全米で話題となりました。
EQの能力をゴールマン博士は自著でこのように述べています。

IQが同じでも人生に成功する人とつまずく人がでてくるのは、EQに差があるからだ。私たちが知能をはじめとするさまざまな能力をどこまで活用できるか決めてしまうという意味で、EQは「メタ能力」と呼ぶべき能力だ。

(出典:講談社 EQこころの知能指数 ダニエル・ゴールマン著)

「あの人頭はいいんだけど、ちょっとねぇ。」
あなたの身近につい愚痴ってしまいたくなるような人がいるのではないでしょうか。
勉強が苦手でも、他人とうまく関れる人のほうが、ずっと社会で活躍することを私たちは知っています。
その「他人とうまく関わる」能力をEQと呼ぶのです。

EQの5つの領域

EQの能力は5つの領域に分類されています。

・自己認識・・・自分の本当の気持ちを自覚し尊重し、心から納得できる決断を下す能力

・自己統制・・・衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスの元になる感情を制御する能力

・モチベーション・・・目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力

・共感・・・他人の気持ちを感じ取る能力

・社会的技能・・・集団の中で調和を保ち、協力し合う能力

山王戦の木暮君を通して、5つの領域がどのようなものなのかを解説します。

木暮君から学ぶ「自己認識」


「自己認識」とは自分の本当の気持ちを自覚し尊重し、心から納得できる決断を下す能力です。
木暮君の自己認識が高いことを証明するセリフは映画ではカットされていますが、原作にありました。
山王戦の試合前夜、3年生だけのシーンです。

絶対的王者の山王への挑戦を前に、不安が消えないゴリと三井。
そんな二人に木暮君が1年生の時の自分たちの決断を思い出し、「こうなったら信じようぜ、勝てるさ絶対。」と語りかけています。
このセリフ、ゴリでも三井でもなく、木暮君が言うことに意味があります。

なぜなら木暮君は自分がコートに立たないことをわかっているからです。

1年生2人(そのうち1人はバスケを始めて4ヶ月)や、2年間もグレてた人達にレギュラーの座を奪われようと、彼は腐りません。

全国制覇(自分の本当の気持ち)を果たしてくれる俺の仲間を信じる(心から納得できる決断)

強い自己認識ができているからこそ、まっすぐの想いが伝わるセリフです。
3年生たちの絆を強くする一言だったのではないでしょうか。

木暮君から学ぶ「自己統制」

コートの5人はすごい相手と戦ってるんだ ベンチも・・・ 最後まで戦おう

映画『THE FIRST SLAM DUNK』

自己統制とは、衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスの元になる感情を制御する能力です。
この能力を示すのが上記のセリフ。

20点差をつけられ意気消沈モードが漂います。
ベンチメンバーたちもこれが山王の力か、とうなだれています。
木暮君も不安な気持ちがいっぱいでしょう。
同じように落ち込むか、もしくはイライラして後輩に「声出せ!」など強い語気で指示してもおかしくない場面です。
そんな時でも木暮君は
冷静に自分の不安を認め(衝動を自制)、そこからコートメンバーへの共感、そしてベンチメンバーへの鼓舞(ストレスの元になる感情を制御)へと言葉を続けます。

誰も傷つけず、さらには嘘のような取り繕ったポジティブではなく、ベンチメンバーを「一緒に戦っている」気にさせるひとこと。
うーん、完璧です。

木暮君から学ぶ「モチベーション」

1本決めたらまた流れは変わるはずだ!

映画『THE FIRST SLAM DUNK』

モチベーションとは目標の追求に挫折したときでも楽観を捨てず、自分自身を励ます能力です。
このセリフは正確に言うと山王戦に勝っているので、挫折したわけではないのですが、山王に流れを持っていかれ、ノーゴールが続いていたときのセリフです。

木暮君は1本決めることでチームが動き出すと信じ、勝利に対して弱気になる自分を励ましています。

同じセリフをリョータも言っていますが、リョータは切り込み隊長として流れを変えることができる力を持っています。
しかし、木暮君は自分で流れを変えることができません。
木暮君の「1本決めたら」は、他力本願で楽観的とも捉えれます。

しかし、それがいいのです。

“1本決めたからってこの点差が追いつくわけじゃないさ”
なんて思ってしまったら彼の心が折れてしまいます。
実際、山王キャプテン・深津はいつも湘北が流れを変えそうなタイムミングで「同じ2点だぴょん」と軽やかにゴールを決める切れ者です。

その深津の恐ろしさを理解したうえで、仲間を信じ「1本決めたら」流れが変わると盲目的に信じることができる。
このことがモチベーションの高さを物語っています。

木暮君から学ぶ「共感」


共感は、他人の気持ちを感じ取る能力です。
映画でゴリが倒れた後、「オレたちゃ別に仲良しじゃねえし、お前らには腹が立ってばかりだ。だが、このチームは……最高だ……」
と言うシーンがありますが、原作ではこのシーンの前にゴリがベンチで涙する場面があります。
メンバーは誰もゴリが泣いた理由がわからなかったのですが、苦楽を共にした木暮君だけが瞬時にゴリの涙を理解した時のセリフです。
「ずっとこんな仲間が欲しかったもんな」とゴリに寄り添う姿は副キャプテンとして頼もしくあります。

しかし、木暮君の共感力はこれだけではありません。
ゴリに対する気持ちはシンパシーですが、木暮君はエンパシー能力も高いのです。
それを証明するのがこのセリフ

イケメン!

山王戦じゃないけど有名すぎるほど有名なこのセリフ。

エンパシーとは認知の共感と訳され、「私があなただったら」と相手の立場で物事を捉える力のことをいいます。

三井に殴られ、カッとなってもいいはずです。
だって上達しなくてもずっと真面目にバスケをしてきた木暮君からしてみれば三井の行動や言動が理解できなくて当たり前だからです。
それでも、共感できない三井の立場に立ったうえで”バスケが好きすぎてねじれちゃった男”と理解し、「大人になれよ」と説いています。
ほんと、どんだけ冷静なんだよ!


木暮君から学ぶ「社会的技能」

社会的技能は、集団の中で調和を保ち、協力し合う能力です。
これは一言に集約するのは難しいので印象的なシーンを取り上げていきます。
①桜木と交代したシーン、

安西監督は一旦桜木をベンチに下げ、リバウンドの重要性を説明します。
そのためだけに木暮君はコートに出るのですが、
普通たったこれだけのためだけに試合に素直に出なくない?
ていうのが私の感想です。
メモリー出場させてくれているのか、という疑問や、急に王者と対峙することになる不安などを1ミクロンも感じさせることなく、即座にコートに出ていく姿。
まさに自分の役割を理解し、集団の中で調和を保っています。

②桜木、背中のピンチ

ルーズボールを追って背中を痛めた桜木。
ゴリのフリースローの前に意識を失いかけ、ベンチに抱えられながら運ばれますが、その時の木暮君の動き見てましたかみなさん!?
桜木をちらっと見ながらも即座にシャツを脱ぎ、審判に交代を伝えに行きます。
絶対に木暮君も桜木が心配でしょう。
でも、今自分がやるべきことは試合を中断させないことだと、大きな視点で判断し、行動しています。その素早さと冷静さたるや!

あなたもEQを鍛えよう

他にも木暮君のいいところはたくさんあって伝えたいのですが(コートから出るときにちゃんと一礼するとか)
今回はEQ縛りで木暮君の魅力を伝えてみました。
木暮くんがいなかったら山王戦に勝利していなかったかもしれません。
EQの高い人物が1人いる事で、チームが安定し、より高いパフォーマンスを発揮することができるとこを証明している映画です。

さてここで朗報です。
EQはIQと違って、自分で伸ばすことができる技術なんですよ。
EQを伸ばす一番の方法がマインドフルネス瞑想です。

マインドフルネス瞑想とは、いま現在の心や身体に集中する瞑想方法の事です。
マインドフルネス瞑想を習慣的に行うことで、感情に対して注意深くなり、本能的な行動が減ることがわかっています。

EQはどの年齢からでも鍛えることができます。

もし、あなたが木暮くんのようにチームを安定させる役割りを担いたいのであれば、今日から瞑想を始めてみるのはいかがでしょうか?

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