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読書「アトピーの治し方③」~アルコールやタバコとアトピーの関係~

私は昔からアトピー性皮膚炎で苦しんでいます。小さい頃は皮膚が赤くなってしまい、ホントに痒くて大変でした・・・。最近では冬場になると乾燥するからかカサつきと痒みが生じ、今でも辛い思いをしています。今回、アトピー性皮膚炎に関する分かりやすい本が出版されたということで手に取りました。

第3章では自分自身で治療法を判断できるようになるための情報が書かれています。日常目にする様々な民間療法に対してエビデンスの信用度から効果的かどうか著者の考えを述べています。

・アルコールとアトピーの関係

アルコールの飲酒とアトピーの関連はないと書かれています。酒飲みや妊娠中にアルコールを飲んだ母親の子どもにアトピーが多いというような因果関係は無いそうです。直接の原因がアルコールでないため、妊娠中に例え飲んだとしても自分を責めないでほしいと書かれています。

・タバコとアトピーの関係

煙草に関してはアトピーにかかることと相関がみられています。また、受動喫煙の場合でも煙草との関係はあるそうです。ただし、因果関係は証明されておらず、煙草をやめることでアトピーが良くなる保証はありませんが、がんやそのほか呼吸器疾患のリスクも高まるため控えたほうがよいと述べています。

・糖質制限とアトピー

糖質制限とアトピーに関してはエビデンスレベルの高い報告はないそうで、すべては経験則に基づいております。糖質制限はやりすぎるとケトアシドーシスにかかるリスクもあるため、辞めといた方がよいと書かれています。

・睡眠とアトピー

良質な睡眠とアトピーとの関係もエビデンスレベルの高い報告はないそうです。ただし、こうした生活習慣とアトピーに関しては患者の経験則から導かれたものが多く、まだ医学が追い付いていない分野のようです。

・ダニとアトピー

防ダニグッズや空気清浄機とアトピーとの因果関係はまだ報告されていないそうです。もちろん衛生上のダニ対策は重要で布団に掃除機をかけたり防ダニシーツを使うのも良いですが、まだ証明はされていないそうです。

・オメガ3脂肪酸とアトピー

オメガ3脂肪酸はEPA、DHAのもととなる多価不飽和脂肪酸の一つであり、サケなどの魚や植物油に含まれています。こちらもまだ大規模なアトピー研究はおこなわれておらず、根拠は無いようです。

・消毒入りの入浴とアトピー

次亜塩素酸ナトリウムを入れた風呂に入ることで殺菌するブリーチバスという療法があります。この療法もまだ効果があるといった結論はでていないそうです。また、著者はこうした風呂に入ると皮膚にある悪い菌だけでなく、健康な常在菌まで殺してしまい、悪化してしまう可能性があるため、あまりおススメはしておりません。

・ウェットラップ療法とアトピー

ステロイドを塗ってその上から湿った包帯で覆う方法をウェットラップ療法と呼び、注目を集めました。ただ、単にステロイドを塗るだけの療法とあまり変わらない結果が得られています。また、ウェットラップ療法によって皮膚感染のリスクを引き起こす可能性もあると述べております。

~終わりに~

本章で書かれていたことは、ほとんどがまだエビデンスレベルの高い報告では無いといったものです。でも「○○をやらなければよかった」と後悔したり、むやみに民間療法を否定しないほうがいいのかなと思います。著者も同じことを思っているだろうと勝手に推測しますが、建設的な治し方を議論するためには現状分かっていることをしっかりと整理する必要があります。

私も小さいころ母親から強制的にウェットラップ療法をされていました。(そのころはアトピーではなく、汗疹と診断されて使っていたのですが)この療法でも綺麗に治りました。確証の無い療法ですが、ウェットラップ療法に私は助けられましたし、やってよかったと思っています。

くりかえしになりますが、周囲の療法を否定したり後悔をするのではなく、知識をつけて自分で選択する力をつけることが必要なのではないかと思いました。

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