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読書「アトピーの治し方②」~アトピーの正体とは?~

私は昔からアトピー性皮膚炎で苦しんでいます。小さい頃は皮膚が赤くなってしまい、ホントに痒くて大変でした・・・。最近では冬場になると乾燥するからかカサつきと痒みが生じ、今でも辛い思いをしています。今回、アトピー性皮膚炎に関する分かりやすい本が出版されたということで手に取りました。

第2章ではアトピーの正体について書かれています。アトピーとは病名がギリシャ語で「atopia(奇妙な)」から由来しているほど正体が分かりにくいものだそうです。その中で現状分かっていることを非常に分かりやすく書かれていました。

・アトピーは乾燥肌が引き起こす

アトピーの原因の一つとして確かなものは乾燥肌であること。カサカサしたドライスキンであることが原因でアトピーが起きると考えられているそうです。皮膚の第1層目の表皮の部分には皮膚の保湿やバリアを担うフィラグリンという物質があり、このフィラグリン遺伝子に異常があるとアトピーになるリスクが上がると書かれています。フィラグリン遺伝子に変異があるかどうかを見極める方法は簡単で、手のひらの親指の付け根の母指球に深いしわがある人、足のスネの前面がカサカサしている人がフィラグリン遺伝子変異である可能性が高いです。

また、化粧品に配合されているセラミドはフィラグリンと同じく角層の維持に重要な物質で、アトピー患者はこの皮膚のセラミドが減少していることが報告されています。ただし、相関関係が認められただけであり、因果関係までは証明されていないようです。セラミドは化粧品などに含まれており、保湿のために塗って使用されています。ただし、サプリメントなどの食物に含まれているセラミドを摂取してもほとんど効果が無いので注意が必要だそうです。

・免疫システム異常がアトピーを引き起こす

アトピー患者は免疫システムにも異常が起きていると考えられており、Th2サイトカインという物質が増えすぎてしまうことがドライスキンや皮膚のバリア低下、かゆみなどに繋がるそうです。ただし、これに関しては原因不明な部分も多いそうです。

・かゆみを引き起こす原因とは?

アトピーで生じるかゆみの原因としてはヒスタミンという物質が引き起こしていると著者は述べています。末梢神経にあるヒスタミン受容体がヒスタミンによって反応し、かゆみというシグナルを脳に送り込むそうです。また、Th2サイトカインもまた同様に受容体と反応してかゆみというシグナルを脳に伝えてしまうようです。かゆくてかきむしると痛みを感じます。痛みを伝える神経回路はかゆみを伝える神経回路を抑制するため、痛くなるほどかけばかゆみは収まりますが、皮膚のバリアが壊れて他のアレルゲンが侵入しやすくなり、他のアレルギー疾患が起こってしまいますので良策とはいえません。

・骨の歪み説と腸内環境説はほんとうか?

著者はアトピーの原因は骨の歪みであることや腸内環境が悪いといった説に対して肯定しておりません。骨の歪みに関しては全く関係がないと述べており、この効果はプラシーボ効果によるものが多いだろうと言われています。腸内細菌は最近になって注目されている基礎研究でまだアトピー治療に有効かどうかまでは分かっていないため、肯定はできないようです。

また、アトピー患者の中には金属アレルギーである方もいるため、特定の食べものを控えることで改善することがあります。ただし、これは金属アレルギーを持つ患者に限った話ですべての患者に対してではありません。

~終わりに~

私の母指球にも深いシワが入っています。また、スネもカサカサで少し荒れていました。おそらく遺伝子変異が起きているんだと思います。恥ずかしながら、乾燥肌が悪いことは知っていましたが、メカニズムまでは知りませんでした。非常に勉強になりましたし、こうすれば良くなるんだという安心感を得ることができました。

これからはかゆみを感じたときは「あー、受容体が反応して脳にシグナルを送っちゃったか・・・」という気持ちを持ち、掻いてしまったときも「痛みが勝っているだけ、保湿しなきゃ」と思うようにします。

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