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和菓子はデザインかアートか?

和菓子屋で10年の修行を経て現在お店を開いて6年になりました

和菓子はデザインでもなく、アートでもない昔ながらのお菓子です!

ただのおやつなんです。それ以上でも以下でもありません。

しかし!!そんなただのおやつたちに芸術的なものを見出してみました!

ちなみに私は全く芸術系とは無縁です。

デザインもアートも知りませんが語ってみたいと思います。

完璧な丸を求めて…

和菓子って包むのがまず基本なんですよ。

大福でも、饅頭でも、練り切りでも。あんこ包むことを包餡(ほうあん)と言ってまずこれを練習するんです。

包餡の練習は基本的に右利きの人は左手で、左利きの人は右手でゴルフボールくらいのサイズのものや、たまごなんかを片手で回すんです。

生地を回しながら餡を包み込んでいくので、回せないとあんこが上手く包めないのです。包むのも生地の厚さを平等にしないとダメだし、お菓子によっては下を薄くしたり、餡をど真ん中になるように包んだりと包み方も色々あるんです。

なので最初はひたすらボールを回す練習をするんですよ。

包むので和菓子って丸いのが多いです。

まん丸にできると完璧なフォルムだ!!美しい…とうっとりします

かわいい系

イメージとして洋菓子って角があるという感じに対して和菓子は角がない…

スタイリッシュな洋菓子に対して和菓子は丸くてぽてってしてる。

なのでぽっちゃり系でかわいいんですよ!!わかりますか!?

この丸いフォルム!!癒されませんか!?

うちの大福たちもかわいいって褒められます(サイズかな…?)

デザインとアート

意味を調べると色々出てくるのですが、素人な私のイメージで言うとデザインは設計図通りに作ることで、アートは自由に表現することという感じです。

お菓子って料理と違って配合を正確に計らないと出来上がりが変わるんですよ。

このキチッと計るのがデザインって感じがします。

キチッと計ってもちゃんとできるとは限らないのですが、同じ配合でも人が変わると味も変わるんです、不思議と。

こう言うところがアートな感じがするのです。

あっ?もしかして練り切りの話するかと思いました?

たしかに五感の芸術と言われる上生菓子は言わずもがなです。アートです。

デザインのもう一つの意味

デザインの語源を調べていると「削ること」という意味もあって、余計なものを削ってシンプルにすることみたいな意味が書いてあって…

解釈はこっちの方が好きかな。

私も配合考えるとき、シンプルになるようにと思ってやってるので、通ずるところがあるなあと。

配合の数字とか綺麗にまとまってるな!と感じたりすることがあるので、そういうとき、デザインしてるって気がします。

で、その通り作っても「ん?」となると、これをこれくらいの足してと結局カンでやったりしてるとアート的なことしてるなって思います。

結論

デザインしてアートしてる!

なので結論、和菓子はデザインであり、アートでもあるということになります。

人の手で作り上げる完璧な丸いフォルム、癒される形、デザインされた配合に、職人個人のアート性…!!

…と、そんなこと誰も考えてないので、やっぱり和菓子はただのおやつでした!

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