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思いやれないあなたへ

年の瀬。親や親戚に会う方も多いでしょう。今日は、ちょっと思いやりについてお話しします。

私は大学院生のとき、母が大病を患っていました。大学院生活は大変で自分の研究を優先していました。でも母は「学んだものは永遠になくならない、がんばれ」と励ましてくれていました。結局大学院在学中に亡くなりました。

作家、三浦綾子さんの続氷点という小説にこんなセリフが出てきます。
「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」

母のお通夜の日、私は驚きます。私の知らないたくさんの人やたくさんの若い子が来てくれたのです。当時でいうヤンキーもたくさんいました。私の母は悪の組織の親分だったのでしょうか。みんな、若い頃に叱ってもらった、お世話になったと言っていました。与えて残すというのはこのことですね。

物やお金はため込んでも、ただのソレに過ぎません。でも、自分が勉強したこと、他人のためにしたことは残り続けます。生きている間に感謝されなくとも、私の放った言葉が、いつかその人のわずかな助けになることもあるんだと思いながら真剣に人に伝えます。

私たちの身体なんて、ほんの一瞬の借り物です。でも、思いはつながり続けます。
ちょっと損したくらい、どうってことないでしょう。
自分を肥やすことだけを考えず、人のことを、優しさを少しでも考えていきましょうよ、と肥えた私が言っています。さ、プリンたべて自分を思いやろうかな。

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