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瓶ビールとよだれ鶏|酒と肴 その五

休日、あいにくの雨模様。今年「は」なのか、今年「も」なのか、とにかく雨が続いて気が滅入ります。とは言え、家で大人しく過ごすのも癪なので、今日も昼酒を飲むことに。

晴れていようが曇っていようが飲む訳ですが、どうせなら気分転換になる肴で飲みたいと、思いついたのはよだれ鶏。鶏の胸肉にしっとり火を通して、辛いタレで食べる四川料理です。
麻辣味(まーらーあじ)で汗をかきかきビールを飲んで、長雨で湿気った心身をリフレッシュさせようという魂胆です。

もともと、週末に鶏ハムを作ろうと鶏肉の下拵えはしてあったのでそのまま流用。足りない材料を買いにスーパーへ向かいます。雨の買い物は億劫ですが、この後にお酒が待っていると思うと足どりも軽やか現金なものです。
お店で香菜と花椒、ピーナッツをカゴに入れ、お酒のコーナーに。いつも通り缶のビールを買う予定でしたが、この日はハートランドの瓶が目に止まりました。きっと中華料理ということで、自然と青島ビールの緑色を探していたのかも知れません。瓶にした分だけ買い物袋はいつもより重くなりましたが、これまた気持ちは軽くて酒飲みのしょうもなさに我ながら感心しました。

で、作ったのがこちら。

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鶏ハムを厚めに切って香菜と砕いたピーナッツを散らし、花椒とラー油の効いたタレをかけて出来上がり。部屋の中は湿度が高いですが、敢えてクーラーはかけずに窓を開けていただきます。

余熱で仕上げた鶏肉は柔らかく、タレに入れた花椒の痺れる辛味とラー油のピリッとした辛味と良く絡み合い、香菜の清涼感が全体をまとめ上げています。もうビールがないと始まりません。

水滴をまとったハートランドをグラスに注ぎ、雨音を聴きながらの昼酒。蒸し暑い部屋、よだれ鶏の辛さで滲む汗を拭きつつ飲むビール。目をつぶると浮かぶのは、雨に煙る中国の古い街並み。

鬱陶しかった雨もまた肴になる、そんな午後でした。

メニューと材料
・よだれ鶏(鶏胸肉、砂糖、塩、パクチー、ピーナッツ)
・タレ(醤油、酢、ラー油、花椒、生姜、ニンニク、すり胡麻)

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