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【超私的10周年記念企画・前編】歴代アニメ感想振り返り(2014春~2016夏)

以前、どこかの記事でも少し触れたことがあるのだが、自分はこの「note」という媒体にて各クールのアニメの感想の投稿を始める前は、私的文書として仲間内だけでその紹介を行っていた(「note」への投稿は2019春アニメから)。
この度、2014春アニメから本格的に始めた各クールのアニメの感想の執筆が今期(2024冬アニメ)にて丸10年を迎えるということで、「note」にて投稿を始める前の期間の作品(2014春アニメ~2019冬アニメ)について、前後編に分けて、改めて当時の感想を掘り起こしつつ振り返りを行っていきたい。
よろしければ、共に懐かしさを共有していただければ幸いである。


【2014春アニメ】

<視聴作品一覧>

『一週間フレンズ』 ○
『ご注文はうさぎですか?』
『極黒のブリュンヒルデ』 ◎
『シドニアの騎士』
『selector infected WIXOSS』
『ソウルイーターノット!』
『ノーゲーム・ノーライフ』
『ハイキュー!!』
『ベイビーステップ』
『僕らはみんな河合荘』
『魔法科高校の劣等生』
『メカクシティアクターズ』
『ラブライブ! School idol project』(2期) ☆
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『ラブライブ! School idol project』(2期)

当時の感想を掘り起こしたら、各話ごとに感想がびっしりと綴ってありその熱量のほどが窺い知れる。
実はその少し前までは、自分はまごうことなきいわゆる「アイマス派」の人間であり、『ラブライブ!』はアイマスの勢いに乗っかっただけの後追い作品という認識であまり良い感情は持ち合わせていなかった。
しかし、2014春アニメにて2期が放送されるということで、1期(当時は未視聴)の視聴を事前に薦められ、「まあ『敵を知り己を知れば…』って言うしな」と試しに視聴したところ、完全に沼に嵌りミイラ取りがミイラになってしまった模様(ちなみに「μ's」の推しは海未ちゃん)。
それにしても、今でも各話の内容が鮮明に思い出せるのって凄いな…。
まさしく神回しかなかったし、5thライブ(LVだったけど…)の「Love wing bell」ではリアルウエディング凛ちゃんの可愛さとアニメと完璧にシンクロした演出に興奮しすぎて放心状態になった記憶…。

<総評>

記念すべき本格的に視聴したアニメの感想を執筆し始めたクール。
それまでは、お気に入りの作品を何度も繰り返し見るといった感じで大量の作品をリアルタイムで見るという習慣は無かったのだが、ふとしたきっかけから各クールの作品の評価を丁寧にエクセルで管理している諸先輩方の存在を知り、大いに感銘を受けたことから自分も本格的に各クールの作品の感想の執筆を始めた次第である。
その結果、『ラブライブ!』にドハマりし、『極黒のブリュンヒルデ』のOPに衝撃を受け、『一週間フレンズ』のEDの演出に震え…と、非常に思い入れの強いクールであることは否定しないが、それを差し引いてもこの10年間の中でも屈指の豊作クールだったと思う。


【2014夏アニメ】

<視聴作品一覧>

『アオハライド』
『アカメが斬る!』 ○
『アルドノア・ゼロ』  ☆
『グラスリップ』
『月刊少女野崎くん』
『さばげぶっ!』 ◎
『人生相談テレビアニメーション「人生」』
『ソードアート・オンラインII ファントム・バレット編』
『東京喰種トーキョーグール』
『白銀の意思 アルジェヴォルン』
『ハナヤマタ』
『ばらかもん』
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!』
『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』
『Free! Eternal Summer』
『ベイビーステップ』
『まじもじるるも』
『魔法科高校の劣等生』
『モモキュンソード』
『Re:␣ ハマトラ』
『RAIL WARS!』
『六畳間の侵略者!?』
『ヤマノススメ セカンドシーズン』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『グラスリップ』

面白いとか面白くないとかを超越して色々と伝説になった作品。
いまだに「無味無臭」な作品の代表格として、事あるごとにサンプルとして引っ張り出されることも多いという意味では、2014夏アニメの中では一番の爪痕を残した作品と言えるかもしれない。
ネット上の感想で「噛み続ければ味が出るかもしれないと期待して嚙み続けたけど、結局何の味もしなかったガムのような作品」という表現を見かけた時は盛大に吹き出した笑
キービジュアルは青春感に溢れており、定評と実績のあるP.A.WORKSのオリジナルアニメなら間違いないと終始良さげな雰囲気だけをいたずらに煽り、期待したようなドロドロした展開もさしたる掘り下げは行われず、最後はメインヒロインの未来視設定も盛大にぶん投げて終わり、結局主人公は何をしに来て何をして去っていったのか全く分からなかったというどうしようもない作品になってしまったのは誠に遺憾である。
ただ、どうしても憎めない作品なんだよなあ…笑

<総評>

当時の感想を見たら、自分が架空のアシスタントキャラと謎の会話劇を繰り広げながらアニメの感想を語るという黒歴史一直線の代物であったので、間違っても原文をお見せすることはできそうにない…汗
一応、そういった会話形式の記事も「note」にて投稿したことはあるので、その雰囲気はご想像にお任せしたい。

『アルドノア・ゼロ』は当時の感想では一番の評価にしていたみたいだけど、前半クールだけだったなあ…。
『さばげぶっ!』は全くのノーマークだったけど、主人公がゲス可愛く、からあげレモン氏とかいう色物キャラも交えてのギャグのテンポも良くて思わぬ掘り出し物だった笑
そしてこの頃からもうこれだけの作品数を見ていたんだな~と、改めて感慨深くなった次第。


【2014秋アニメ】

<視聴作品一覧>

『暁のヨナ』
『アカメが斬る!』
『甘城ブリリアントパーク』
『異能バトルは日常系のなかで』
『失われた未来を求めて』
『オオカミ少女と黒王子』
『俺、ツインテールになります。』
『ガールフレンド(仮)』
『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』
『ガンダム Gのレコンギスタ』
『ガンダム ビルドファイターズトライ』
『寄生獣 セイの格率』
『繰繰れ!コックリさん』
『グリザイアの果実』
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』
『四月は君の嘘』 ◎
『白銀の意思 アルジェヴォルン』
『SHIROBAKO』 ○
『selector spread WIXOSS』
『天体のメソッド』
『デンキ街の本屋さん』
『テラフォーマーズ アネックス1号編』
『トリニティセブン』
『曇天に笑う』
『七つの大罪』
『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』 ☆
『魔弾の王と戦姫』
『ヤマノススメ セカンドシーズン』
『結城友奈は勇者である』
『弱虫ペダル GRANDE ROAD』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『SHIROBAKO』

言わずと知れたアニメ業界に大いなる衝撃と革命を巻き起こしたP.A.WORKSの「お仕事シリーズ」の第2作。
それにしても、前期の『グラスリップ』からの上げ幅が凄まじすぎる笑
この頃のP.A.WORKSは色んな意味で主役だったんだなあ…(遠い目)
アニメファンが知りたくても中々知る機会の無かった制作会社の赤裸々な実情を、ロジカルかつコミカルに描き出したという点は特筆に値する。
前半クールのエピソードとしては、「手描き」VS「3DCG」の論争回がやはりお気に入り。
この戦いは今後もずっと続いていくんだろうなあ…。
ちなみに推しキャラは絵麻ちゃんで、駆け出しの若手アニメーター故にお金が無くて、毎日昼休憩ごとに四畳半のアパートに自転車で帰って大量に作り置きしたカレーを温めなおして食べている姿を見て涙がちょちょぎれそうになった件。

<総評>

「大豊作」の一言に尽きる。
普段は「豊作」「不作」といった表現はあえて避けている自分であるが、これはさすがに認めざるを得ない。
間違いなく、この10年間で一番の豊作クールであり、秋アニメの豊作傾向のイメージの象徴的クールでもある。
上記の視聴作品一覧で印が付けられなかった作品の中にも通常のクールであれば主役級に成り得る作品がいくつもあり、本当に多くの魅力的な作品に溢れていた。
そしてやはり、『SHIROBAKO』のようなアニメオリジナルで魅せられる作品が中心にあるとそのクールに芯がしっかり通る印象になるので、ハードルが高いのは重々承知だが、制作会社の挑戦の姿勢にはこれからも大いに期待したい。


【2015冬アニメ】

<視聴作品一覧>

『アイドルマスターシンデレラガールズ』
『暁のヨナ』
『アブソリュート・デュオ』
『アルドノア・ゼロ』
『ISUCA-イスカ-』
『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』
『艦隊これくしょん -艦これ-』
『ガンダム Gのレコンギスタ』
『ガンダム ビルドファイターズトライ』
『寄生獣 セイの格率』
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』
『幸腹グラフィティ』
『冴えない彼女の育てかた』 
『四月は君の嘘』 ☆
『SHIROBAKO』 ◎
『聖剣使いの禁呪詠唱』
『探偵歌劇ミルキィホームズ TD』
『デス・パレード』
『デュラララ!!×2 承』
『東京喰種トーキョーグール√A』
『七つの大罪』
『ユリ熊嵐』
『弱虫ペダル GRANDE ROAD』
『夜ノヤッターマン』
『ローリング☆ガールズ』 ○
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『ローリング☆ガールズ』

普通(?)の少女四人組が日本全国をバイクによるツーリングで旅して巡るロードムービー。
「THE BLUE HEARTS」の数々の名曲のカバーをバックに「主役になれなかった少女たち」が他の誰かの活躍を傍から応援するという独特の観点はオリジナリティに溢れ、この作品をこの作品たらしめる独自の感性として輝き続けていた。
個人的に特にお気に入りだったのが中盤の「愛知&三重編」で、放送終了後も定期的に何回も見返しているほど。
名曲「TRAIN-TRAIN」のイントロが流れ始めるとともに、今回の主役の姫子と友亀の「「やっぱり…好きだ‼」」がシンクロするシーンは何度見ても最の高である。
それにしても、「モブ」という概念について色々と考えさせられる作品だなあ…笑

<総評>

前期からの継続2クール作品が8作品もあったのは、秋クールと冬クールの合間にはお正月休みがあるので、そこで一息付けるのが2クール作品の制作過程にとって非常にありがたいからだろう。
その点、自分が多くの作品を視聴し始めた2014春アニメの一つ前の2014冬アニメでは、歴代2クール作品における金字塔である『凪のあすから』の後半クールが放送されていたのだが、中途半端に後半部分だけを先に見ることにならなくて本当に良かったと今でも思っている。
自分は放送終了後に後追いで視聴したクチなのだが、あれほど2クール作品である意義に溢れた作品はもう二度と見られないかもしれない。
欲を言えば、リアルタイムでその衝撃と感動を味わいたかったなあ…。
そして、『四月は君の嘘』と『SHIROBAKO』の終盤ではそれはもう見事に涙と鼻水でハンカチがべちょべちょになっていた模様。

【2015春アニメ】

<視聴作品一覧>

『アルスラーン戦記』
『終わりのセラフ』
『グリザイアの迷宮・グリザイアの楽園』
『シドニアの騎士 第九惑星戦役』
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』 ☆
『長門有希ちゃんの消失』
『ニセコイ』(2期)
『ハイスクールD×D BorN』
『ハロー!!きんいろモザイク』
『パンチライン』
『響け!ユーフォニアム』 ◎
『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』 ○
『プラスティック・メモリーズ』
『ベイビーステップ』(2期)
『魔法少女リリカルなのはViVid』
『ミカグラ学園組曲』
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』
『山田くんと7人の魔女』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のアニメとしては「原点にして頂点」を維持し続けている記念すべき1期。
紐の動きと軽快に連動してバインバインと揺れるロリ巨乳、お調子者かつ自堕落だが同時に深い慈愛にも溢れた味のある性格、水瀬いのり史上最高クラスのCVと3拍子揃ったヘスティア様のキャラクターとしての完成度が高すぎて、ベルに懸想するヒロインが続々と増え続けている現在でも、いまだに彼の生涯の伴侶はヘスティア様であってほしいと祈り続けている。
1期の放送で一気にハマってしまい、原作もスピンオフ作品も即座に買い揃えたところ、そのライトノベルの常識を逸脱した地の文章の語彙力と豊かな情景描写にさらなる深い感銘を受け、現在に至っている(体感的にも、読者が大森藤ノ先生の「信者」になる確率は非常に高いと認識している。)。
原作があまりに良かったので、逆に2期からはアニメ化の必要性そのものに疑問を抱くようになってしまったのは誤算であったが、間違いなく自分の歴代においてもトップクラスにお気に入りの作品の一つである。

<総評>

最終的に『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』を上回る評価を獲得した作品が2つもあったのは、大きな驚きであった。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』と『響け!ユーフォニアム』はアニメファンにとって、ともに最高級の評価を獲得していてもおかしくない傑作であるが、その2作品の1期が同時に放送開始されたというのは中々豪華なクールであったと言えるだろう。
視聴作品一覧でご覧いただいたように、シリーズ作品も多いクールであったが、この頃は1期を見ていない状態でも「脳内で補完すればいいから」と平気で2期・3期をリアルタイムで視聴していた(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』については、さすがに内容についていけなくて途中で1期を履修したが…笑)。
この10年間でそれなりに多くの作品を視聴してきたので、現在はそういう状況になることはほとんどないのだが、『はたらく魔王さま!』のように久方ぶりに続編が制作されたケースではまれにそれも起こり得る。
現在はもちろん、そのような未履修かつ興味のあるシリーズ作品が先のクールに予定されているのなら、事前にそれまでの放送分を履修するようにしているのでご安心を…。

【2015夏アニメ】

<視聴作品一覧>

『アイドルマスターシンデレラガールズ』
『赤髪の白雪姫』
『アルスラーン戦記』
『がっこうぐらし!』
『GANGSTA.』
『Classroom☆Crisis』
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』
『Charlotte』 ○
『城下町のダンデライオン』
『戦姫絶唱シンフォギアGX』
『デュラララ!!×2 転』
『To LOVEる-とらぶる-ダークネス2nd』
『のんのんびより りぴーと』 ◎
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!』
『監獄学園(プリズンスクール)』 ☆
『干物妹!うまるちゃん』
『ベイビーステップ』(2期)
『モンスター娘のいる日常』
『乱歩奇譚 Game of Laplace』
『六花の勇者』
『WORKING!!!』(3期)
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『監獄学園(プリズンスクール)』

当時、原作勢からはテンポが速すぎるとの指摘もあったようだが、アニメ勢としてはそのような印象もなくむしろ非常にテンポよく最後まで中だるみを感じなかった怪作快作。
キャラの造形がリアル路線でありながらここまでキレのあるギャグを織り込めるのは作者の類まれなる才能に他ならない。
ガクトを筆頭に印象に残る台詞回しも多く、中の人のノリノリな演技も相まってアフレコ現場の雰囲気がダイレクトに伝わってくるようで実に楽しかった。
花澤香菜さんによる花の演技は、見た目の可憐さとドスの利いた台詞のギャップに惚れ込んだ記憶。
こういう路線の花澤香菜さんの演技も個人的にすごく好き。
続きもとても楽しみなので2期の発表を今でも待ち続けているが、これまで以上に内容が際どいとの噂なのでさすがに厳しいか。

<総評>

当時の感想を振り返ると、このクールから視聴作品についてハッキリとした順位付けが行われるようになったようで、現在の「note」への記事の投稿形式に大分近づいてきた模様。
『Charlotte』は麻枝准氏がガッツリと制作に関わった作品としては、ここまでがギリギリ及第点という趣が強い。
ただし、本作品もKey作品の系譜として捉えるなら、その後制作された『Summer Pockets』は非常に「らしい」仕上がりとなっており、クリア後の余韻が素晴らしかった。
シナリオの構成自体も大枠では無理なくアニメに落とし込めそうだし、鋭意進行中らしいアニメ化企画の続報が待たれる。
上記視聴作品一覧に印のなかった作品の中では、『城下町のダンデライオン』もかなりお気に入りだった(次女推し)。


【2015秋アニメ】

<視聴作品一覧>

『うたわれるもの 偽りの仮面』
『おそ松さん』 ☆
『終わりのセラフ』(2期)
『終物語』
『学戦都市アスタリスク』
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 ◎
『ご注文はうさぎですか??』
『コメット・ルシファー』
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』
『進撃!巨人中学校』
『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』
『ハイキュー!! 』(2期)
『緋弾のアリアAA』
『ヘヴィーオブジェクト』
『ヤング ブラック・ジャック』
『ゆるゆり さん☆ハイ!』 ○
『落第騎士の英雄譚』
『ランスアンドマスクス』
『ワンパンマン』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『おそ松さん』

「おそ松女子」という言葉も誕生したように、ダークホースを飛び越えて一気に社会現象にまでなった超問題作(幻の1話は永久保存)。
ここまでリメイクによって化けた作品は、後にも先にも本作品だけだろう。
声優のアイドル化という昨今の情勢を的確に捉えた誰もが主役を張れそうな豪華すぎる人選と、ブラックユーモアにあふれる作風は正に一世を風靡し、男女を問わず大きな人気を博したのも商業的には非常に大きかったことだろう。
1期では「恋する十四松」の回が白眉の出来となっており、こうしたたまにある「いい話」でもちゃんと魅せられるのは本作品の強みだな、と。
ちなみに、推しキャラは十四松で、お気に入りのカップリングは「おそ松×カラ松」(受け・攻め的な意味は無し…だと思いたい汗)。
カラ松だけが唯一、おそ松のことを「兄さん」ではなく呼び捨てにしており、いざという時に対等の立場で向き合える長男と次男の関係性が良き。

<総評>

視聴作品数自体は控えめだが、『終物語』の放送に合わせて一気に最初からシリーズを視聴していた模様(実はそれまで『物語』シリーズは未履修だった。)
『コメット・ルシファー』のOP然り、「fhána」枠という概念を意識し出したのもこの頃だろうか。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の1期が放送されたというのも印象的であり、毎週ネット上の感想を追うのが非常に楽しみだった記憶。
ちなみに、自分は「クーデリア・アトラ論争」ではアトラ派だったけど、ディープなアニメオタクのアイドルとして有名なKis-My-Ft2の宮田くんもアトラ派だったらしい。
宮田くんとは、公表されている範囲では「μ's→海未ちゃん」「Aqours→曜ちゃん」とことごとく推しが自分と被っており、「Liella!」の推しも被っていないかとドキドキしているのだが、有識者の情報求む(なお、自分は可可推し)。


【2016冬アニメ】

<視聴作品一覧>

『蒼の彼方のフォーリズム』
『赤髪の白雪姫』
『亜人』
『うたわれるもの 偽りの仮面』
『おしえて!ギャル子ちゃん』
『おそ松さん』
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 ○
『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』
『紅殻のパンドラ』
『この素晴らしい世界に祝福を!』
『最弱無敗の神装機竜』
『少女たちは荒野を目指す』
『だがしかし』
『ディバインゲート』
『ディメンションW』
『デュラララ!!×2 結』
『虹色デイズ』
『NORN9 ノルン+ノネット』
『ハイキュー!!』(2期) ◎
『灰と幻想のグリムガル』
『ハルチカ~ハルタとチカは青春する~』
『ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション』
『ブブキ・ブランキ』
『ヘヴィーオブジェクト』
『僕だけがいない街』 ☆
『無彩限のファントム・ワールド』
『ラクエンロジック』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『この素晴らしい世界に祝福を!』

自分にとって、アニメの評価基準について再考するきっかけとなった作品。
つまるところ、「作画がイマイチでも面白いものは面白い。むしろ、だからこそ面白いまである」ということなのだが、その再考の過程については下記記事を参照いただきたい。

従前の正統派ヒロイン路線とはガラッと様相を変え新たな引き出しを見せてくれた雨宮天さんによるポンコツ駄女神の好演と主人公のクズマカズマの軽妙なお調子者キャラ、めぐみんの頑固一徹な厨二キャラ、ダクネスのドM姫騎士キャラ等々によるテンポの良いギャグ展開が絶妙に噛み合い、視聴中は終始笑いが絶えなかった。
総じて、いわゆる「なろう系」の作品の地位やイメージの向上に一役も二役も買った作品であると言えるだろう。

<総評>

『僕だけがいない街』はその内容も素晴らしかったが、何よりも嬉しかったのはきちんと原作の最後までをアニメ化してくれたということ。
先の『四月は君の嘘』と同様に、アニメの放送中に原作は完結を迎えたようだが、そうしたタイミングでのアニメ化は大歓迎なのでこれからもどんどん増えて欲しい。
ちなみに、『ハイキュー!!』の評価が高かったのは、ちょうど青葉城西との準決勝が山場となっていたから。
(メタ的な意味も含めて)ここで全てを出し切るということはしなくとも、因縁の対決をきちんと盛り上げるという作者の職人芸に唸らされたクールであった。
上記視聴作品一覧に印のなかった作品の中では、『だがしかし』もけっこうお気に入りだった。
世間的には同作者の『よふかしのうた』の方が人気なのかな?
自分は圧倒的に『だがしかし』派なのだが。
ほたるさん然り、竹達彩奈さんの演じるヒロインが自分に刺さる確率の高いこと高いこと。


【2016春アニメ】

<視聴作品一覧>

『あんハピ♪』
『学戦都市アスタリスク』
『キズナイーバー』
『逆転裁判』
『くまみこ』
『クロムクロ』
『甲鉄城のカバネリ』
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』
『坂本ですが?』
『三者三葉』
『少年メイド』
『ジョーカー・ゲーム』
『聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテ』
『双星の陰陽師』
『田中くんはいつもけだるげ』
『テラフォーマーズ リベンジ』
『虹色デイズ』
『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』
『ハイスクール・フリート』
『ばくおん!!』 ○
『ビッグオーダー』
『ふらいんぐうぃっち』 ☆
『文豪ストレイドッグス』
『僕のヒーローアカデミア』 ◎
『マクロスΔ』
『迷家‐マヨイガ‐』
『Re:ゼロから始める異世界生活』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『迷家‐マヨイガ‐』

『ガールズ&パンツァー』『SHIROBAKO』『監獄学園(プリズンスクール)』等のヒット作を次々と手掛け、ノリに乗っていた水島努監督の最新オリジナルアニメということで期待値はうなぎ上りだったが、蓋を開けてみれば見事に第二の『グラスリップ』化してしまった悲しい作品。
終始シリアスな雰囲気であり、登場人物が精神に異常を来たしたり命の危機に晒されたりしているので物語に起伏が無い(=無味無臭)とまでは言わないが、いかんせんちっとも物語に惹き込まれないのが致命的すぎた。
シュールというかなんというか、絶妙な微妙加減(←日本語がおかしい)を突き詰めた笑えるようで笑えないけどやっぱり笑ってしまうギャグ描写だけが見所だったというのが正直なところであり、事あるごとに「処刑、処刑です!」と叫んでいたらぶぽんや「よっつんの川流れ」とかいう字面だけで吹き出しそうな出オチのサブタイトルは今でも鮮明に記憶に残っている。

<総評>

『ふらいんぐうぃっち』は間違いなく名作。
今でも、アニメ初心者に胸を張ってオススメできる優良作品の一つと言っていいだろう。
『ばくおん!!』はもうタイトルやらキャラの設定や見た目やら各話のタイトルや新入部員が入るまでの一連の流れやら、隠す気のさらさらない某作品のパクリリスペクトっぷりが凄まじかった笑
そして、現実のバイクメーカー名がそのまま使われていたにもかかわらず、モジャ子に「私に人間の心が残ってる内に殺してくれ!」ときちんと叫ばせたのには、各方面の方々は度量が大きいなあとしみじみ。
『文豪ストレイドッグス』『僕のヒーローアカデミア』『Re:ゼロから始める異世界生活』など後に長期シリーズ化した作品の1期がこぞって放送されたのも印象的。
なお、本クールの感想をエクセルにまとめる際に調子に乗って画像を張りまくっていたらファイルがゲロ重になって、送信するのに一苦労した記憶…。


【2016夏アニメ】

<視聴作品一覧>

『甘々と稲妻』 ○
『あまんちゅ!』
『アルスラーン戦記 風神乱舞』
『orange』
『クオリディア・コード』
『クロムクロ』
『この美術部には問題がある!』
『タブー・タトゥー』
『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編』
『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 未来編』
『DAYS』
『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』
『NEW GAME!』
『バッテリー』
『はんだくん』
『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!』
『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』
『ベルセルク』
『マクロスΔ』
『魔装学園H×H』
『ももくり』
『ラブライブ!サンシャイン!!』 ◎
『Re:ゼロから始める異世界生活』
『ReLIFE』 ☆
『Rewrite』
(※五十音順。☆は1推し、◎は2推し、○は3推し)

<ピックアップ作品>

『ReLIFE』

27歳のフリーターが体だけ高校生に戻って1年間ReLIFEするというアラサーの妄想爆発の作品。
だがそれでいい。
いや、それがいい。
登場人物は少ないが女の子は全員魅力的で、特に日代さんの可愛さは図抜けている。
日代さんについては、自分の「理想のヒロイン像」として『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の黒猫と双璧を成す存在なのだが、要は「友達が少ないヒロインが主人公を頼って心の拠り所にしてくれるというシチュエーション」が好きすぎるということで。
この辺りの思いの丈を熱く「会話形式で」語った怪文書も過去には存在するのだが、今になって見返せば例によって中々に香ばしい記述満載なのでそのまま世に公開することはできそうもないが、内容を「大幅に」見直した上でいつか投稿するのもアリかもしれないな…。

<総評>

『ラブライブ!サンシャイン!!』は遂に企画の立ち上げから追うことができたコンテンツとして当然のようにドハマりし、毎週「週刊ラブライブ!」なるA4用紙1枚分の各話の感想を書き上げ、放送後には仲間内で私的なアンケート企画と併せ、聖地巡礼も行った。
一つのクールで「絶望編」と「未来編」という時間軸の異なる二つのストーリーを同時に放送するという『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園』の挑戦は大いに称賛すべきであり、このような粋な試みはこれからも引き続き歓迎したい。
『Rewrite』もそうなのだが、こうしたゲームが原作だからこそ本領が発揮できるストーリー構成をどうやってアニメ作品に落とし込むのかは永遠の課題であり、監督・脚本家の腕の見せ所でもあるので、『CLANNAD』『STEINS;GATE』のような成功例にまた巡り合いたいものである(上記した『Summer Pockets』に当面は期待したい。)。
また、くしくも『Re:ゼロから始める異世界生活』『ReLIFE』『Rewrite』と「Re」の文字をタイトルに冠する作品が3つも同クールに揃ったのは不思議な縁ではあるが、これもまた時代が「やり直し願望」というものを求めている証拠なのかもしれない。


(後編はこちらから)


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