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内包

 自然との共存とか、命の大切さとか、そういうものを表現しようとしても、私にはなんの経験もないから、絵空事のように聞こえる。それでぶっ飛べるほどの想像力があるなら良いけど、それほどでもないようで。


 リアリティあるものを書くならばもっと経験が必要。
 そして片側だけの視点じゃなく、色んな視点が必要。一回の人生では無理そうだ。

 女になって、男になって、中性になって、日本人として海外暮らしして、中国人や韓国人、アメリカ人、黒人、どこかの民族、ありとあらゆる人種に生まれ変わり、猟師をやり、農家になり、ペットを飼い、動物保護活動、自然保護活動をし……。


 なんにもできない私の表現は薄っぺらい。けれど経験しようとしたらそちらに気を取られ、時間を取られ、表現どころではなくなるだろう。

 時間がないけど創作がしたい。そう思いつつも、それよりゲームしたい。その程度の人間である。


 私はあなたであり、あなたは私である。
 と、スピリチュアル的には思う。

 すべての生命と繋がり、すべての感覚を我がものにすることができるはずである。
 と、オカルト信者的には思う。

 でもすべての生命と繋がるなんて。今でさえそれなりに辛いのに、すべての虫、鳥、獣の悲鳴、命の重みがダイレクトに魂にのしかかったりなんかしたら、一瞬でショック死してしまう。


 私は地球をなんにも知らない。見ていない。なのにもう視力が落ち始めている。

 毛皮。動物実験。交通事故。屠殺。狩猟。駆除。殺処分。
 動物の異種愛。仲間への思いやり。豊かな感情。ユーモア。

 完全に心が壊れないように、ちょっとずつちょっとずつ、覗いていく。
 殺処分も動物実験も、そして動物の驚くべき思いやり、表現、知能の高さも。

 現実に嫌気が差して死にたくなったら、オカルトとスピリチュアルと芸術に逃避だ。一旦ショックを受けて感情が乱れても、これでやや元通り。


 ショックな現実を包み隠し、可愛い動画だけ見ていれば、ショックを回避できそうだが……。

 屠殺動画を見て「動物を殺す人間、最低! 地獄に落ちろ! 死ね!」などと書き込んでいるお馬鹿さんのままではいたくない。


 動物に「人間は怖くないよ。素晴らしいんだよ」と伝え、懐かせる。「世の中には良い人、優しい人もいるんだなぁ」と表現する。

 そのストーリーじゃ不完全だろう。この世に悪も正義もない、その実体をもっと煮詰める。着地点のない靄の中を探る。


 私が「良い人」になれるとしたら。それは誰かが泥を被ってくださっているおかげではないか。

 金儲けのためのペットビジネス、可愛い可愛いと煽って闇を放置。スポーツハンティング、動物虐待。そのような姿勢は流石にどうかと思うが、それと必要悪をいっしょくたにするのは違う。

「駆除」「畜産」「狩猟」
 そういうことは現段階、必要なのであって。

 逆に言うと、それが必要なくなるほどのシステム、理屈を生み出せるのならば、それらはいらなくなる。

 新システムを作ればいい。旧システムに乗っかって、誰かを悪者にしておきながら、自分は善人ぶるなどお門違いだ。


 私の書きたい物語は、何だ?
 そもそも創作してる場合か?
 なんの意味がある?

 創作に意味がない?
 現実に意味はあるのか?
 現実に夢や希望、実体として抱ける理想はあるか?
 現実で夢を見られるか?


 私はあなたであり、あなたは私である。
 すべての魂、すべての存在。
 マルチバースでありユニバースであり。

 ならば……

「世の中には良い人も悪い人もいる」なんて。
 だから何だ。その天使も悪魔もどちらも私なのである。

 じゃ、どうする?


 包み隠したところで、闇自体はどこにも行っていない。目の前にある。それを「見ていないフリ」するだけ。できるのは、違和感をスルーすることだけなのだ。

違和感を飲み込めば、「日本バンザーイ!」と叫んで死ぬことも可能、というかそうせざるを得ないところまで追い詰められるのだろう。抵抗しなければ。


 どうにもならない現実を直視し過ぎると、仕事中でも涙が溢れて止まらない。
 これはヤバい。まず第一に勤労の義務があるのだから、仕事が手に着かないようでは、人としていけない。

 働かなきゃ。働かざるもの食うべからず。

 ……なぜ働く? なんの為に生きる?

 死にたくないなら人に迷惑をかけすぎない方が良い。自己中が過ぎると呪い殺される。

 そう、死にたくないから他者や自分を押し殺すのだ。
 良い意味で「死んでもいいや」って思えたら無敵になれそうだけど、良い意味の「死んでもいいや」なんてありそうもない。自暴自棄の推奨は良くない。

 人様に死んでもらいたくないならば、現段階、人間以外の生き物の犠牲を推奨するしかないのである。


この文明はどこまで壊れれば気が済むのだ。というか、どうあれば正しいのか、サッパリ思い描けない。悪役をいかに憎たらしく描くかより、実用性のある理想郷像を緻密に描けた方が、多くの命が救われるはずだが。私にはサッパリ。



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