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迷路

うつろに閉じたその瞳の奥は 空っぽ
からっぽの死体は私をそっと抱きしめた
そういう風にあなたは笑う
だから そこに私はいない
存在だけがただ悲しい 曖昧な響きで突き刺した
あなたを欲し もっと知りたいと願うも
その肉体と魂はどこかへ 散歩
もう永遠にあなたを知ることもできないし
互いに迷路に迷い込める人たちに
真摯な嫉妬をおぼえる
私には迷い込む場所もない
ゴールのない 永遠の漂流者
閉鎖された思い出の中 漂っている
どこかで私に似た人物が
あなたとそっくりな人物と
そっと言葉を交わすとき
その魔法がとければいいのにと
不愉快な林檎のように 願いをかける
それは愛なのかしら
それとも只の 独りよがりな
叶わぬ彼方の夢


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