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第12話:初デートで連れて行かれた怪しいお店

数日後、フランス人の彼との初デート。
仕事を終えて、指定された待ち合わせ場所に向かう。

『泣いてばかりだった私が、運命の人に愛されるようになるまで』

元彼にネズミ呼ばわりされていた、尽くしタイプ依存症ダメ女から、どうやって運命の人(フランス人)に出会い、ありのままの自分で愛されるようになったのか?実際に起きたリアルなマイストーリーを綴ってきます。

>>> ここまでの話

第1話:アラサーどん底負け組に転落…リーマンショックで失業&失恋
第2話:英語力ゼロ・・・勢いだけでシンガポールへ移住!
第3話:アラサー女子が、何の目的もなくワーホリってどうなの?
第4話:TOEIC500点以下で海外で仕事をゲットした理由

第5話:赤面症だった私が、なんでラジオDJに!?
第6話:凧上げフェスティバルでナンパに大成功!
第7話:ねぇ、シンガポールで一番有名な日本人にならない?
第8話:YouTube婚活で外国人500名以上からオファー殺到!
第9話:初デートのためにドイツから彼がやってきました
第10話:運命の人は、ストーカー?!
第11話:ポールダンスを勝手に見ないで!

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「今日はどこに行くか、君に決めてほしいんだ!」

そう言うと、バックの中から、
おもむろに3枚の封筒を取り出し、私の前に差し出した。

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「さあ、選んで!」

よく訳がわからないまま
とりあえず真ん中の封筒を一つ選び、中を開けてみると
そこには子どもが書いたような手書きの日本語で

“ くらやみれすとらん "

と書かれていた。

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?????

あ、怪しい……


「OK!決まったね。さあ、行こう!」

困惑する私をよそに彼が向かった先は
シンガポールのBugis(ブギス)という
若者に人気のオシャレエリアにひっそりと佇む
NOX - Dine in the Dark -

その名の通り、真っ暗闇の中で食事を楽しむという
ちょっと変わったコンセプトの創作料理レストランだ。

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へぇ〜こんなお店あるんだ!!!

店スタッフに手を引かれ、ゆっくりと階段を登り
テーブルに案内されて、手探りで席に着く。

コース料理になっていて、前菜からデザートまで一品一品
お洒落(っぽい)お皿が運ばれきては
スタッフの方の誘導で、フォークやナイフを握らせてもらう。

どんなに目を凝らしても、光一つ見えない真っ暗闇。

視覚を取り上げられ、
聴覚、嗅覚、味覚が研ぎ澄まされていく…

真っ暗闇の中、食事をしながら、
正面から彼らしき声だけが聞こえてくる

「想像してみて。僕たちは今、世界に二人きりでボートに乗っているんだ。
 ほら、空一面にキレイな星が見えるよ。」

本気なのか
冗談なのか

巧みな想像力で甘い言葉を
陽気に語りかけるけど

「いや、何も見えませんからっwww」

フランス人のスイートなイメージをさらに煮詰め
ギュギュッと濃縮して体現しているような彼が、なんだか可笑しくて。

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暗闇の中でのフルコースのディナーを終え
光の世界に戻ってきた二人。

「ありがとう、今日はすごく楽しかったよ!」

そう言って、店を出ようとすると

「ちょっと待って。デートの本番はこれからだよ!」

と彼がニコッと悪戯っぽい笑みを浮かべ
先ほどとは別の、二枚の封筒を差し出した。

だんだん要領を掴めてきた私。

一枚だけ選び、中を開けると、
そこにはこう書かれていた。

“ すけーと ”

「お、ナイスチョイスだね!」

そう言って

今度はバックの中から大きな箱を2つ取り出し、

「君にちょっとしたプレゼントがあるんだ。好きな方を選んで!」

そいういって、私の前に差し出した。

青のストライプ柄のボックスを選ぶと
その中に入っていたのは

黒の毛糸のミトン手袋

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常夏の国シンガポール、一体どうやって手に入れたんだろう…

鳩が豆鉄砲を食らったようにキョトンとしていると

「せっかくだから、こっちもあげる!」

と言って、手渡されたもう一つの
赤のチェック柄の箱を開くと

中から出てきたのは

かば柄の青の靴下(笑)

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「よし、これで準備ができたね。さあ時間がないよ、急ごう!」

店の前でタクシーを拾い
向かった先は、アイススケートリンク。

もう4年近く住んでいるのに
シンガポールにスケート場があるなんて知らなかった。

夜遅い時間だったせいか、ほぼ貸切状態。

久しぶりすぎる

そして、

突然すぎる

スケートに戸惑いつつ

彼に手を引かれ、童心に返ってスケートを楽しんだ。
まるで初々しい学生のようなデートっぽい、デート。

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(実際の写真。動揺が滲み出てるw)

スケートを終えた頃には、もう深夜を回ろうとしていた。

タクシーに乗り込もうとする直前、
彼は、一通の真っ赤な封筒を私に手渡してひと言。

「今日はありがとう!最後の封筒は、家に帰ってから開けてね。」

帰宅後、

心地よい疲労感を感じながら
ベットにゴロンと寝転んで、彼から渡された封筒を開くと…

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今日はすごく楽しかったよ。
ありがとう!
きっと疲れたでしょ。
これで疲れを癒してね。
僕のプリンセス。

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という手紙と一緒に、
スパのチケットが同封されていた。

な、なんという計算され尽くしたサプライズ

恐るべし……

フランス人のデート力!!!!!


>>>つづく
第13話:彼氏じゃない男性と二人きりで海外旅行

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