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多くの塾は、生徒をもう諦めている。


現代のパワハラ否定時代における教育の弊害

現在はパワハラが強く否定される時代です。それは大賛成です。
しかし、このことが行き過ぎて弊害が出ています。
それは中間層がいなくなったということ。
受験で言えば「厳しく指導されれば成績が伸びる」層が消滅しつつあります。
この問題についてお話していきます。

パワハラという言葉の影響

現在は、「パワハラ」という言葉がよく使われます。
こういう響きの強い言葉は問題があります。
たとえば、講師が生徒を注意します。「先生、それってパワハラですよ」といわれると、背筋が寒くなってしまいます。
パワハラかどうかの客観的な基準はあるでしょうが、生徒や保護者が「パワハラ」と感じたら、それはもう客観的な基準は関係なく、パワハラ認定されてしまいます。
塾としては生徒に辞められたり、大事にされるのが怖いので、「はい、パワハラかもしれません。すみません!」と謝るしかないからです。
その結果、講師は生徒を叱ることができなくなります。
「生徒と講師の信頼関係ができれば叱ることも出来る」と反論もあるでしょうが、そんなことはありません。
後で、その理由を説明します。

中間層の消滅と教育への影響

現在、塾業界で起きていることは、中間層の消滅です。
塾にいる生徒は3つに分類し、中間層を説明します。

  • どのような環境でも成績が上がる層(独学が出来る層)

  • どのような環境でも成績が上がらない層(勉強が以上に苦手な層)

  • 環境次第なら成績が上がる層(中間層)

この中間層に、大体な生徒が分類されます。
社会人で、会社ではバリバリ働けるが、休みの日やプライベートのことはついダラダラしてしまうような人は中間層です。
なにか、努力する動機が外部にないと気が緩んでしまう層が中間層です。

指導の難しさと成績向上の阻害

受験では、厳しい指導をすれば成績が上がる生徒が大半です。
ただ厳しい指導と言っても怒鳴ったり殴ったりなんてしません。
注意したり叱るだけです。
ここで問題です。
注意したり叱る程度で勉強態度が変わる生徒は何も問題がありません。
しかし、そこで変わらない生徒をどうするかです。
以前は、厳しく叱ったりしたのですが、今はそれはパワハラなのでできません。
そうなるとどうするでしょうか。
結論は、そんな生徒を諦める、ということになります。

成績向上のための塾の現状と課題

よく塾や教育家は「態度が変わるまで注意したり、説得したり、話し合ったりする」と言います。
しかし、それは嘘です。
だって、塾のビジネスモデルは、有名校の合格実績を上げて、生徒を集客するというものです。
だったら、塾のリソース(人材、時間、資金)を優秀な生徒にかけることになります。
言っても聞かない生徒にリソースを割くなんてのは不合理なわけです。
それでは、塾は中間層から上位層に上がれない中間層をどうするか。
「塾をやめないように適当に褒めたりおだてたりする」のです。
当然成績は上がりません。
しかし保護者には「もう少しで成績は上がりますよ!」とか「もっと授業をとればいいですよ」と誤魔化して、退塾を防ぎます。
これが多くの塾に起きている問題です。

保護者から「褒めて育てください」と言われても

たまに、保護者から「この子は褒めれば育つタイプなので、叱らず褒めてください」といわれます。
しかし、人は希望と不安で行動します。
つまり、「自分はこうなりたい!」と努力し、
「自分はこうはなりたくない」と努力するのです。
この希望と不安のバランスが重要であって、どちらか一方だけでは人を大きく成長させるのは難しいと思います。
また、希望と不安のバランスは個人の性格にもよって変わってきます。
ただ僕が断言できるるのは「褒めるだけ」や「叱るだけ」の偏った指導では生徒は伸び悩むということです。

まとめ

今回言いたいことは、今の日本では中間層は消滅しつつあるということです。
そして、塾では中間層を上位層に押し上げることを諦めだしています。
そうなると、上位層にとってはラッキーな状況です。
だって、ライバルが減るからです。
そして、上位層は個人塾や家庭教師で厳しい指導を受けている人も多いのでは、と思っています。
実際自分が知っている塾も超スパルタ塾で、すごい合格実績を上げています。
偏差値がこれからも価値を持つのなら、この状況をみなさんはどう考えますか?

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