【ソニックブランディング】企画提案: RainBlend Coffee Shop
降りしきる雨の音を聞くと、心が落ち着く。
それには心理学的な説明がある。
雨の音は、リラックス状態を誘発するが、覚醒もさせる。相反のように聞こえるが、違う。
覚醒を興奮と読み取るのが普通であるが、この場合は違う。
言うならば、「静かなる覚醒」と言うべきかも知れない。
リラックス+静かなる覚醒の状態をみなさんは想像でき、そして体験をしたことがありますか?
これは言い換えると、「集中」になります。
人間は、集中すると、リラックス状態であるが覚醒をしています。
ケーススタディ: RainBlend Coffee Shop
RainBlendは、都市部に位置するコーヒーショップチェーンで、雨の音をブランディングのメインとして利用しています。
都市部のコーヒショップは、割合において、リラックスや休憩で
利用している人は多いが、仕事をしていたり、学生は論文を書いていたりする人が多い。
「都市部にオアシスを!」のようなブランディングで、居心地の良い空間を提供するコーヒショップは多いが、それとは差別化をしたい。
そこで、雨の音を利用し、ブランディングのコアにしてみる。
コンセプト: 集中できるスペース
差別化をするために、コアコンセプトを考えてみた。
結論から言うと、「集中できるスペース」である。
都市部は都市部らしく、コーヒーショップ = 集中できる”仕事場”、をコンセプトにブランディングしてみたらどうか。
上記で説明した、雨の音は集中力を誘発する力がある。
あえて、仕事場の提供という、割り切ったブランディングは、他との差別化にもなるし、一定のデマンドはあると思う。
アプローチは至ってシンプルで、店内のBGMを雨の音にすることだ。
雨の音を聞きながら、コーヒーを楽しみ、仕事に集中してもらい、尚且つリラックスもしてもらう。
3つのアドバンテージ
1. 集中力アップ
雨の音はリラックス+静かなる覚醒の状態を誘発させ、集中力をアップさせる。RainBlendは、これをコアにブランディングしていく。
2.リラックスを提供する
雨の音は、やはりリラックス効果も十分に提供することができる。
顧客にリラックスしてもらい、都市の喧騒から離れた穏やかな空間を演出する。顧客は心地よい環境の中でコーヒーを楽しむことができ、滞在時間が延びる効果が高い。
3.マスキング
雨の音は、自然のピンクノイズと言われている。ピンクノイズは、サウンドマスキングによく使われ、見えない壁を作ることができる。
雨の音をBGMにすると、自分の話し声がかき消され、隣に座っている他人に聞かれづらくなる。
雨の音は、Invisible Sonic Wallになるのだ。
これで、ちょっとしたミーティングもできるし、気軽におしゃべりもすることもできる。
My Sonic Branding
では、どんな雨の音にすればいいのか?
少なからず、私がソニックブランディングするなら、ただ雨の音を流すというのはしたくない。
可能な限り、コーヒーと関係性のあるアプローチをしたい。そうすれば、ソニックブランディングの強度が上がるし、クライアントの愛着度も変わっていく。
愛着度があれば、会社にプライドを持つことができるし、働くモチベーションを上げることもできる。
私は、コーヒードリップに注目した。
ドリップ音は、小さな雨である。
雨の音を録音せず、ドリップ音を録音し、加工して、ドリップレインサウンドを作ることを決めた。
特殊なEQを使い、このような雨の音を制作した。
*わかりやすいように以下のような編集をしている。
ドリップ音 -> Drizzling -> Pour -> ドリップ音
聞いてみてください。
本物の雨の音に聞こえると思うが、これはドリップコーヒーの音なのだ。
クロスモーダル
気をつけなきゃいけないのは、ただ雨の音をBGMにするのが、ソニックブランディングではないのだ。
ただ、雨の音を流していても、インテリアの雰囲気とマッチしていないといけない。
音は、視覚情報によって大きく左右される。
雨の音が不快になる可能性も十分ある。
そして、雨の音の種類もたくさんある。
どんな雨の音が良いのか、悪いのか?
どの時間帯に、どの雨の音を流せば良いのか?
良いブランディングをするには、クロスモーダルである必要がある。
サウンドデザイナー、デザイナー、建築家など他分野の人たちとチームとなり、一体で仕事をする必要がある。
もっと詳しく聞きたい人はDMしてください。
誰か一緒に、RainBlend Coffee Shopを作りませんか?
Referece: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5821317/
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