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新しい音楽の作曲方法の模索から行き着いた答え

大学院時代、新しい音楽の模索を毎日必死にしていた。


音楽理論

誰だか忘れたか有名作曲家の本を読んでると、彼はこう書いていた。

良いメロディーは、もう出尽くした。

それを鵜呑みにして、20代の僕はメロディー/ハーモニーの勉強をやめた。
(後からそれは間違えだと気づき、勉強は再開した)

コンピュターミュージック

2000年から、コンピューターミュージック、特にIDMというジャンルが世界的に流行した。ラップトップの性能が上がり低価格化になったことで、世界中の人々が誰も聴いたことのないサウンドを作りだした。

人間が弾く10000倍速い速度でバイオリンを弾いたり、無限にディレイがフィードバックしたりなど、想像を超えるサウンドに私は興奮した。

その流行に一役買ってたのは、Max/MSPというビジュアルプログラミング言語である。
Max/MSPは、突飛でオリジナリティーのあるシンセやシーケンサー、エフェクトを自分で作れるソフトだ。

例えば、既存のディレイエフェクトは、ディレイタイムが10秒ほどなのだが、Max/MSPでディレイを作ると、ディレイタイム1時間みたいなアホなディレイが作れた。

ドラムマシーンのシーケンスパターンも、ボタン1つで無限に作れるようになった。

音楽家はこぞってプログラミングを勉強し、またプログラマーは音楽のフィールドに飛び込んできた。各々新しい音楽の模索をし、ネットで発表しあっていた。

そして、IDMの王者AutechreがMax/MSPを使用していて、一気に世界に広がった。

Autechre's Max patch

もちろん、僕も自分の音楽ソフトを作った。

My unique music software


終焉

流行はいつか終焉する。
そして、コンピューターミュージックは終焉した。”新しい音楽”という定義上の意味でだが。

理由は簡単だ。
大手音楽ソフト会社がMax/MSPで開発しそうな突飛なプラグインを販売し出した。誰も聴いたことのないサウンドは、音楽初心者でもプラグインさえ買えば作れるようになった。

音響心理学・音楽認知

ちょうどその頃、大学の卒業論文を書いてる頃だった。
そこで、Music, Cognition, and Computerized Sound: An Introduction to Psychoacousticsという本に出会った。

この本は、サウンドと音楽と人間(聴覚)の関係性を科学的に説明している、音響心理学の本であった。
大多数の音楽家は読まないであろう。

だが、僕はハマってしまった。論文のためとはいえ、ずっと読み耽った。

そこであることを思った。
音響心理学を使えば、新しい音楽が作れるかもと。

聴く場所を指定したり、音楽鑑賞用の絵を書いたり、ミックスバランスを音響心理学のデータに沿って調整したり、いろいろ試した。

結果、何か手応えを掴んだ気がした。

始まり

それ以来、僕は音響心理学をいつも考えなら作曲をしている。
そして、去年、Digital Pharmacyというプロジェクトを始めた。

Digital Pharmacyは音楽認知、音響心理学、ソルフェジオ周波数、カラー理論、ゲシュタルト心理学など アカデミックな研究理論もちいて目と耳と空間から脳(精神)に直接効果があるように製薬された、世界初のオーディオビジュアル医薬品アートプロジェクトである。

「見て聴いて感じる薬」

次回は、Digital Pharmacyの制作過程の説明をしよう!




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