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基礎体力。PMスキルは「正解がない仕事」に必須のスキル。

management studioの吉見です。
いきなりですが、スポーツでいいパフォーマンスをするのに必要なことは何でしょうか?野球ならバットやボールのコントロール技術、サッカーならボールを上手く扱う足元の技術、水泳なら水の抵抗を出来るだけ小さくするように体を使う技術、競技によって異なりますが、いいパフォーマンスには専門の技術の高さが不可欠です。ただし、多くの人はそれだけでは不十分だと感じるでしょう。技術だけで十分なら走りこんだり筋トレしたりしませんよね。そう、持久力や筋力、瞬発力といった基礎体力もとても大切になります。

いきなり何の話だと思われたかもしれませんが、これプロジェクトにも通じる話なのです。プロジェクトマネジメントの話をすると「大事なのは分かるけど自分は建築設計だから設計技術が重要なんだ」あるいは「自分はデザイナーだからデザインスキルを上げることが大事なんだ」というような会話になることがあります。その通り、専門技術を上げることはとても重要です。しかしそれとプロジェクトマネジメントスキルの要否は関係ありません。プロジェクトマネジメントスキルは自分から遠い専門領域の話だ、という前提によってこのような会話になっていますが、プロジェクトマネジメントスキルはある技術的な専門領域のスキルではなくスポーツでいうところの「基礎体力」に近いスキルなのです。

例えば、プロジェクトマネジャーにも専門の業界があります。私は建築のPMですが、ITのPMをやれと、急にいわれても難しいでしょう。しかし仕事の進め方には共通する部分がありますので、ポイントをヒアリングし特性を理解すればプロジェクトをマネジメントすることは不可能ではありません。建築PMとして培った基礎体力に、その業界や技術の特性の理解が進んで専門技術が加われば、技術では勝てなくても一定のパフォーマンスを示すことはできると思います(たぶん)。

ボールのコントロール技術があってもそれを支える筋力や持久力がないとパフォーマンスを発揮できないように、仕事も専門的なスキルが高くてもそれを実現する方法を知らなければパフォーマンスを発揮できません。現在、推進には我々のようなPMが入り、専門的なところは技術の専門家が担う、というようなプロジェクトは当然あります。しかし世の中どこも人手不足な上に、以前よりも不確実性が高い要求事項をカタチにして価値実現しなければいけません。仮にPMである私のスキルバランスが「プロジェクトマネジメント 8:建築専門 2」だとしても、専門プレーヤーが「プロジェクトマネジメント 0:建築専門 10」だとうまくいきません。プロジェクトは異なる専門家の協働、つまりチームプレーなのでPMだけが走り回っていても勝利は遠いのです。専門性だけでなく基礎体力が無いと自分の能力を発揮することが出来なくなる時代、各業界のプロフェッショナルも、基礎体力も上げるべき時が来ています。

「正解がない仕事」であるプロジェクトにはタフな計画と実行が求められます。どちらが大事、ではなくどちらも大事。専門性とプロジェクトマネジメントスキルの両方を伸ばし、自分の能力を最大化するパフォーマンスを目指してみてはいかがでしょうか?

吉見周平
management studio contact@mgt-st.com
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