見出し画像

3つのA。プロジェクトをアクティブにマネジメントする基準。

management studioの吉見です。
いきなりですが、プロジェクトは積極的に仕掛けてマネジメントする方が上手くいきます。受身では予測していなかった状況や変化に対して後手での対処が必要になるからです。後手で間違いなく対処するには瞬発的に正確な対応がを求められるので、かなりの経験、テクニック、判断力が必要になります。自信のあるベテランPMでない限り、プロジェクトに対して受身になるのは避けた方が実は無難です。
積極的にプロジェクトに関わることをmanagement studioではActive Project Managementと呼んでいますが、ニュアンスとしては「恐れずガンガン攻めよう!」よりも「不安は先に解消して落ち着いてクレバーに進めよう」という方が近いですね。
では、実践の場でアクティブにプロジェクトに関わるとして、具体的に何をすればいいのでしょうか?プロジェクトによっては推進スピードが速いものもありますし、どんなプロジェクトでもじっくり考えていられるシーンばかりではありません。ミーティングの場で悠長に「プロジェクトマネジャーとしてどうするのが積極的かなぁ」と考えている暇もないでしょう。そんな時には「3つのA」を思い出してください。
ちなみにこれは普段、私が建築プロジェクトのマネジメントで実践している方法です。

1つ目 Aim(目的・意図)

まずは目的です。これはプロジェクトで生み出す成果や価値といった広い視点でも、日常の作業やミーティングの論点といった細かい視点でも重要です。目的に結びつかないリソース(時間、お金、労力など)の使い方は意味がありません。常に「何のために?」という問いを持ちプロジェクトに投げかけ、意図を明確にすることがActive Project Managementでリソースを最適化するための重要なテーマになります。定例会議でも資料作成でも常に「何のために?」ということにこだわりましょう。プロジェクトマネジャーのその姿勢がプロジェクト全体を活性化してくれます。

2つ目 Action(行動・活動)

次に行動です。プロジェクトを推進する上で成果に結びつくのは、行動の結果のみです。いくら素晴らしい考え方や正論を語っていても行動に落とし込まれなければ意味がありません。理屈としては当たり前のことなのですが、ミーティングの内容やメールのやり取りなどは意識しなければ具体的な行動に繋がらず発散してしまいます。なぜなら、考えたことを行動に落とし込むためには「抽象的な内容」を「具体的な内容」に置き換える必要があるため少し頭を使いますが、普通はそれが面倒で無意識にサボってしまうからです。逆に言うと積極的に少し頭を使って「何を、誰が、いつまでに」を明確にすることでプロジェクトマネジャーとしての存在感を出せる上に、成果に向けた推進力を生むことができます。これを積み重ねることがActive Project Managementで推進力を生むための肝です。

3つ目 Alteration(変更・修正)

そして変更です。手戻りや無駄のイメージから変更を嫌い避けようとするのはプロジェクト推進上は間違いです。プロジェクトは絶対に変更があります。むしろ変更無くそのまま進むのは不健全な状態です。だから管理や調整がプロジェクトマネジメントの重要な要素になっている訳ですね。管理は変更の予兆を汲み取るため、調整は最適な変更の落とし所を見つけるために行います。「変更させられる、変更せざるを得ない」と「変更する、変更を仕掛ける」は大きく違います。読んでそのまま、前者は受動的で、後者は能動的ですね。関係者に「プロジェクトには変更が絶対にある」という意識があるか、またその変更のきっかけを積極的に発信できるかは、プロジェクト推進の柔軟性に関わります。変更をプロジェクト関係者が納得するように伝えられるストーリー構築やコミュニケーションはプロジェクトマネジャーの力量ですね。プロジェクト全体が変更を積極的に受け入れる空気感になってくれば柔軟性が高くなっている証拠。Active Project Managementを上手く実践できています。

頭に置いておくチェック基準に

話を聞く時、説明する時、資料をつくる時、次にどうするか考える時…、私自身、1日に何度も3つのAを頭の中で思い浮かべています。3つのAにしっかり答えられる状態をつくるようにすると、気付けばActive Project Managementが実践されているはずです。

吉見周平
management studio contact@mgt-st.com
HP https://www.mgmt-studio.com
X(twitter) https://twitter.com/management_st_

この記事が参加している募集

PMの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?