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先人の叡智「繰り出し位牌」を現代の暮らしと想いにアプデしてみました

ご供養業界「偲ぶことの真ん中と向き合う」会社
株式会社まなか広報室・壱号(新入り・広報未経験)が社内を突撃取材して、10月の「祈りの道具屋 まなか」新商品の中から、勝手に「これは絶対語りたい」1品を紹介語りします!!

まなかのプロダクト「家景牌」を語りたい

「家景牌(かけいはい)」は、間取りや面積の住宅事情を考え、ご実家や離れて暮らす家族から「引き継ぐこと」・「引き継いでもらうこと」を諦めない、あるいは面倒事にしない新しい「お位牌のカタチ」。家族のつながり、同じ場所に還る・集まる、想い合うことが続いていくよう祈りを込めて提案します。

家景牌(かけいはい)」――それは、同じ場所へ家族がつながり集う、これまでにない全く新しい形の繰り出し位牌

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これなんですか?って言われそうですが「お位牌」の1種です。
「繰り出し位牌」という種類の、新しいまなかの答え。
※そもそも「繰り出し位牌」って?は次段に基礎知識要点のみをまとめておきます。

●デザインコンセプト
「最後にたどりつく、家族が一緒に安らげる場所」
代々続いてきた家族のつながり。今の暮らしに無理なく「家族みんな」一緒に祀る場所を持っていただける位牌を用意したいと考えました。別々の道を歩んできても、最後は家族の集まる場所に還るように。これまでも、これからも。家族がつながっていくことを感じられる「みんながそこにいる」よすがとしての位牌。札、スタンド、ケースをセットにしたご提案です。

●物づくりのこだわり
家族がともに休む「家」であるために、壁となるケースの素材を「土」から生み出される陶磁器製にすることが第一でした。
最も神聖でうつくしい「白」を表現できる窯元へ、土と火による焼き物でありながら、内ケースを支える凹凸や、包み込む繭玉のようなまろみを実現するために知恵と技術を振り絞っていただきました。
繊細な位牌札の水晶は、伝統工芸士であり1級宝石研磨士へ依頼。
位牌札と台座を受け止める内ケース台は高級宝飾品専用品を得意とする業者にmm単位の調整で作り上げてもらいました。

まさに「日本のもの作り技術」の結晶と自負しています!!

従来型「繰り出し位牌」の基礎知識

繰り出し位牌説明

●従来のカタチ
・箱型(扉付きや屋根ありなどデザインは色々)の本体に、札が複数枚納められるタイプのお位牌のこと。札に1人ずつ、一般的な位牌と同じように名前(戒名or俗名)や命日などを記して収納していきます。
※札の両面を使うかどうかは地域や宗派でもこれまた異なります。一般的には、関東は表面のみ・関西は裏面も使うよう、が多いようです。

・一般的には一番前の札(表紙)は黒塗りで、「〇〇家先祖代々之霊位」のように「先祖位牌」と呼ぶ「みんなここにいます」札を入れます。
※地域や宗派で、先祖位牌の文言には種類があります。気になる方は、ご親族のお墓のあるお寺、地域のお寺や仏具店に教えてもらうと正確なものがわかると思います!

●従来の仕組み
・命日順に入れておいて、その日が過ぎたら、札を後ろに入れ直していきます。(あんまり適切じゃないかもしれませんが、すごくわかりやすい言い方をしますと紙芝居のように札を後ろへ回して次の方が一番前に出てくる、繰り出し方法です)

●従来のしきたり
・浄土真宗で使うお位牌。※浄土真宗は、一般的な1人1つの位牌(札位牌と呼びます)を使わない宗派です。
・他の宗派では「使わない」「使ってはいけない」わけではなく、50周忌のタイミングでお位牌から、繰り出し位牌に移すのが一般的な作法とされてます。

●従来の歴史と知恵
・位牌が一般の家庭にも普及したのは江戸時代とされていて、明治時代に繰り出し位牌も普及したようです。
・理由はズバリ「省スペース化」目的。お仏壇の中に、先に亡くなった故人(ご先祖)の位牌がたくさんになってきたから。長い周年周忌を迎えた方のものを、繰り出し位牌におまとめさせてもらって、お仏壇の中にしっかり納め・お祀りしよう!という知恵ですね。

現代同様かそれ以上に、江戸時代から明治時代と時代変化は大きかったでしょう。徐々に西洋式の文化も庶民に普及して、パラダイムシフト著しかった中でも「ご先祖様や大切な故人を想う・偲ぶ」工夫として繰り出し位牌が普及したんだろうなぁ、と想像。

で。なにが違うの?まなかの考えた「新しい繰り出し位牌」

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●家景牌のカタチ
・まるみある、包み込むような形の陶器の蓋つき器のカタチで、家族が集まる「家」をイメージしたデザイン
・従来型の繰り出し位牌よりは大きいですが、ステージ型仏壇や供養台の上におくだけでも「神聖感」ある白いコンパクトな形
・蓋を開けるとスウェード生地の内ケースに、位牌札を横たえて並んで眠るように納められます(最大5枚)

※これね。単に機能的に収納する方法なんて、ほかにもあるし。それこそ従来型の繰り出し位牌の知恵はすごいものだと思うんです。順番にちゃんと出せて、コンパクトで。でも、「どうしても、家族が川の字になって眠っているみたいにしたかった」ってデザイン監修の副社長に聞いて、それを叶える収納ケースを高級宝飾品のケースメーカーさんと試行錯誤した開発室の仲間の話を聞いて、壱号、泣いた。(mm単位で何回も。なにしてんの。ねえ。)

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●家景牌の仕組み
・位牌札はフロスト加工を施した水晶板(必要な分、1枚単位で追加購入可能です)
・手を合わせたい時、必要な方の位牌札だけ飾る形式。真鍮製の台座に位牌札を差して、ケースの前に飾れます

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●家景牌という新しいカタチを選択肢に
・しきたり上は、一定の周年周忌で個別のお位牌から移すものでしたが、まなかの「家景牌」は位牌札だけでもしっかり自立します(単なるシート的なお札じゃない)
・位牌札を台座に置いて「お位牌」として最初から魂入れいただき、それでいて家族みんなが同じ場所に休める形(器の中に納められる形)を目指しました
・もちろん、戒名や仏式にこだわらず、俗名(生前と同じお名前)でも、しきたりに囚われず想いを祈れる対象になるように、「伝統デザイン」でない透明感ある神聖さを叶えました

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現代のお仏壇・お位牌事情

核家族化が進んで、大家族ではないご家庭が増えてきました。マンションだけでなく、戸建てでも仏間が無い住宅スタイルが一般的になりました。立派な従来型のお仏壇を、望んでも自宅に置くことが叶わない、という方も多い時代です。
すでにご実家にある場合は、やはり代々の仏壇、位牌をそのまま、次世代が暮らす家に引き継げるならば、迷う必要もあまりないのかな、と想像します。それが難しい……。

あるいは今後、新しい家族の単位だけでも、お仏壇やお位牌を持つことも「邪魔になるだろうから」と、後ろ向きな理由で諦めてしまう判断も増えています。遺す家族の邪魔になりたくない。負担になりたくない。そんな気持ちから。

思想や信仰の面から「私は仏教徒ではないので」と選択肢から除外される方も増えているかもしれません。

じゃあ偲ぶとか、「ご供養」ってなんなのか。
少なくとも、近しい大事な存在を亡くした時。その後。遺された人たちが生きていく中で考えてみると……。
「大切な人を想うこと。」はどの宗教の考えやお作法を用いても、「私は無宗教なんです」という立場の方から見ても、共通するところなんじゃないのかなぁ。とまなかは考えました。冥福を祈ることも。見守っていてくれていると感じることも。心で語り掛けることも。笑顔を思い浮かべることも。大切な人を想うこと。

なにをしたら「想っていることになるか」は人それぞれ、千差万別でいい。
伝統的な従来のカタチで、お寺のお力を借りることが“そうしたい”大事な表現でもいい。
そういう形じゃないんだ、と別の考え方で表現してもいい。
究極的に、なにも形を用意しなくても、「想う」ことは可能かもしれませんよね。(って、本気でまなかは考えていて、ブランドブックでも「無くてもいいものかもしれない」と明記しちゃってます……。)

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形が無くてもいいかもしれないけど、やっぱり、なにかその人の記録や、存在を投影して、手を止めて、思い出すきっかけにできる祈りの空間、祈りの道具がある方が、日々日々、ふと、目を止め、手を合わせるきっかけが暮らしに持ちやすいだろうと思っています。
だからまなかは、
・限られたスペースでも置きやすいサイズ感
・日常の生活家具の中に馴染みながらも、聖域感を損なわないデザイン性
・個々人の想いや姿を投影しやすい、選択肢の多さ
を意識して、祈りの道具を1つ1つ生み出してます。

詳しい商品情報は「祈りの道具屋 まなか」ECサイトにてどうぞ!

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現物は、まなかの銀座ショールームor横浜元町ショールームでご確認いただけます。ご予約の上、お越しください。お待ちしております!

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