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拙著『CMS キャッシュマネジメントシステム入門』のご紹介(2021/3/8発売)

『CMS キャッシュマネジメントシステム入門』の目的

本書の目的は、日本国内向けのキャッシュ・マネジメント・システム(国内CMS)の実務に役立つ知識や、成功のためのノウハウを読者の皆様に伝授することです。

国内CMSの導入を検討している企業の関係者や、既に国内CMSを利用している企業で実務を担当することになった方が最初に手にする手引書として執筆しました。

国内CMSの導入はグループ経営強化の一環であり、関連する業務知識の習得だけでなく、グループ全体での業務改革が必要になります。

本書では、筆者が支援した企業の成功事例をもとに、グループ業務改革の普遍的な成功法則についても解説しています。

国内CMSの関係者のみならず、グループ経営強化のための変革を目指す経営者やリーダーの方にも役立つ内容です。

本書は12の章で構成されており、読者の目的や知識レベルにより、必要な章だけ読んでいただくことも可能です。

キャッシュマネジメントシステムとは?(Wikipedia)

キャッシュマネジメントとCMSの基礎知識

第1章、第2章はキャッシュマネジメントとCMSの基礎知識について解説しています。

キャッシュマネジメントにおける国内CMSの位置づけと役割について体系的に理解できます。

第3章は国内CMSの詳細な機能について解説しています。

国内CMSと言っても、複数の銀行やベンダーから提供されているので、それぞれ機能に特徴がありますが、本書では、できる限り共通項となる機能を取りj上げました。

国内CMSは関連する書籍が少ないせいか、機能についての誤解が多いように思われます。国内CMSの導入が期待外れにならないよう、本章で国内CMSの機能について理解を深めて頂きます。

国内CMS導入判断の検討ポイント

第4章から第7章は国内CMSの導入を検討する際に役立つ内容です。

国内CMSの目的と導入効果は、企業の状況や課題により異なるので、各々の企業が導入方針を決定する際に、検討すべきポイントと考え方について解説しています。

本内容は既に国内CMSを利用している企業であっても、その目的や、あるべき姿を再考する際に参考になります。

中小企業にCMSは必要か?

第6章は国内CMSの導入を前提とするのではなく、キャッシュマネジメントの本来の目的に立ち返って、どのような考え方で、何をすべきかを解説しています。

キャッシュマネジメントはグループ経営のための必須の取り組みであり、国内CMSを導入しない場合でも、やるべきことや、できることが沢山あります。

子会社を持つ中堅・中小企業の経営者、管理職で、国内CMSに投資し、導入すべきか悩んでいる方は是非、ご一読ください。


国内CMSに関わる法規制の変化

第8章は国内CMSに関わる法規制について解説しています。

近年、キャッシュマネジメントに関わる法整備が進んでおり、拙著「キャッシュマネジメントシステム導入・運営ガイド」が出版された頃(2008年)と大きく変わっています。

国内CMSを統括する組織の在り方に関わる内容なので、ご存知ない方は是非、本章で確認してください。

国内CMSの導入・運営の成功ポイント

第9章は国内CMSの導入と運営の体制について解説しています。

企業規模に関係なく、国内CMSの導入と運営において必要な役割は同じですが、やるべきことや、やることの濃淡に違いがあるので、本章でポイントを押さえてください。

第10章は国内CMS導入の具体的な作業とスケジュールについて解説しています。国内CMSの導入は、業務、システム共に様々な作業があるので、抜け落ちや手戻りがないよう本章でしっかりと確認してください。

第11章、12章は国内CMSの導入・運営に関する成功のポイントを、筆者が支援した成功企業の共通の取り組みをもとに解説しています。

国内CMSは便利なツールですが、これを活かせるかどうかは企業の取り組み次第です。

銀行やCMSベンダーに言われるがまま導入し、改善活動を怠った企業は、中途半端な効果しか得られていません。

また、長い間、国内CMSを利用している企業の中には、担当者の世代交代を繰り返すうちに業務が形骸化し、改善活動が止まってしまう企業もあります。

キャッシュマネジメントに完成形は無く、環境変化に応じて最良の状態になるよう改善活動を継続することが大切です。

資金に関わるリスクの監視と統制の強化が必要。人材育成が急務!

さて、筆者はこれまで多くの銀行や事業会社に対して国内CMSの構築や導入のコンサルティングを行ってきました。

筆者が国内CMSに初めて関わったのは今から約23年前(1998年)、ある都市銀行のCMSの構築を支援したときです。

当時、国内CMSの書籍や参考になる情報は皆無に等しく、企業でCMSを担当された方は、銀行、コンサルタント、会計士、弁護士と連携しながら、ゼロベースでビジネススキームを設計し、システム要件を定義していく必要がありました。

ベストプラクティスが無い中、リスクをとって自らの判断で国内CMSを導入し、経営改革を推し進めたのです。こうした先駆者のおかげで日本企業にも国内CMSは浸透し、グループ経営の必須のツールとして確立しました。

近年、国内CMSの導入が一段落し、長らく超低金利、金余り状態が続いたため、企業の資金繰りに対する改善意識は薄らぎ、国内のキャッシュマネジメントは重要視されなくなっているように思われます。

利用企業の中には国内CMSの運営が形骸化し、前例主義に基づいてオペレーションを行っている企業も散見されました。

しかし、このような安定した経済環境が未来永劫に続くはずがありません。

2020年、新型コロナウィルスによる急激な需要の低下やサプライチェーンの崩壊により、多くの企業の資金繰りがひっ迫し、これまでの緩い資金管理では急激な環境変化に耐えることが難しいと企業の財務担当者は痛感したのではないでしょうか。

キャッシュマネジメントの本質は、資金に関わるリスクの監視と統制です。

国内CMSの運営においても、今後の大きな変化に備えて常に目的を問い、あるべき姿を考え、改善に向けて取り組める自律型人材の育成が必要です。

本書が国内CMS導入企業において、キャッシュマネジメントの形骸化を防ぎ、原点に立ち返るための基本書としてお役に立てることを願います。

また、新たに国内CMSを導入する企業が、本書を参考にすることにより、最短距離で成功を掴むことができれば、筆者として望外の喜びです。

         著者 中村正史

Kindle版もあります。↓

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