いつ、こどもにスマホをもたせるべき? 『WAIT until 8th』ムーブメント
注)ここでは、わが子のことを 「チビマナ」 と呼びます。
チビマナ(11才)は、今年の秋からミドルスクール(日本の小学6年生から中学2年生の3年間にあたる)に進学します。そこで、まだスマホを持っていないチビマナに、ミドル入学を機にスマホを買うべきかどうか悩んでいます。
私の脳内葛藤は、
Yes for スマホ!
1,ミドルになると宿題やプレイデートなど、友達同士で連絡を取り合うことが必要になるだろうから、スマホが必要なのでは。
2,これからはスマホをはじめ、テクノロジーに親の目が行き届くうちに使い始めて、慣れたほうがいいのでは。
NO for スマホ!
1,本人いらないって言ってる。
2,スクリーンタイムをコントロールするのは、大人でも難しい。チビマナにはまだ早い。
という感じです。しかし、ミドル入学が迫る中、ここで一度思考整理をしてみたいと思います。
まだチビマナがスマホを持っていない理由
チビマナの話によると、クラスメートの大半はスマホを持っているようです。しかし、まだチビマナはスマホを持っていません。
一番大きな理由は、必要を感じないから。
子供にスマホを持たせる一番の理由は、子どもとの連絡手段ではないでしょうか?
スクールバスで通学しているチビマナ。バス停は家の目の前にあります。バスが遅れたりした場合は、学校からテキストが来ます。
放課後の習い事や友達と遊ぶ場合は、親が送迎します。チビマナ一人での行動がないのです。
これは、アメリカ生活あるあるの一つだと思いますが、高校に上がる前の子供が一人でどこかに出かけるということは、まずありません。
最近、とても治安がいいと有名な町で、子供が自宅の裏庭で遊んでいたところ、誘拐されそうになったというニュースがありました。子供はいつでも誘拐のターゲットと、認識しなくてはいけないアメリカ生活です。なので、チビマナが一人で出歩くということは、まだ考えられません。
そんなチビマナとの距離感。糸電話でもいいくらいです。
もう一つの大きな理由は、本人がいらないというからです。
小さいときから、ソーシャルメディアに関する話をいろいろしてきてしまったせいか、チビマナは、「自分には無理。」と感じているようです。
それと、、、、チビマナには、あまりキャピキャピした友達がいません。仲の良い子たち(2人)は、まだ携帯を持っていませんし、携帯を持っている子とテキストのやり取りをすることがあっても、親の携帯でやっているので、あまり盛り上がりません。なので、面白さを感じないようです。
しかし、ゆくゆくはスマホが欲しいというでしょうし、スマホとの適度な付き合い方も学んでほしい。いつが最適なのか、悩んでいます。
日本では、小6、中学入学のタイミングが多いらしい
日本では、小6か中学入学のタイミングでスマホを買い与えるケースが多いようです。それに次いで、高校入学時。
そう考えると、ミドル入学(アメリカ6年生)か、高校入学(アメリカ9年生)という区切りで考えるのも、いいのかなと思いました。
Supporting your child with technology & social media
最近、進学予定のミドルスクールで、新入生の親対象に
Supporting your child with technology & social media (こどものテクノロジーとソーシャルメディアの付き合い方をサポートするには)というお題目で座談会が行われました。
そこでは、ITの先生による「子供にソーシャルメディアとの付き合い方を教えるのに、役立つサイトの紹介」があり、そして、在校生の親と現役生徒を囲んでの質疑応答がありました。
この中で、一番印象に残っているのは、在校生の親から聞いた話です。
それは、「 You live under my roof, you follow my rule.」
在校生の親3人、口をそろえて言っていました。子供は、みんな携帯を持っています。その理由は、子供を携帯から遠ざけるのではなく、今のうちから子供に携帯電話と、そしてテクノロジー/ソーシャルメディアとの付き合いかたを親の目が届くうちしっかり教える方がよいという考えのもとです。なので、それぞれの家庭で厳格なルールが決まっていました。
例えば、
などなど。案外厳しいですよね。それで、もし子供が親は携帯を自由に使っているのに不公平だと文句を言ったら、上記の決め台詞です。
日本語に意訳するならばこんな感じでしょうか。
「養ってもらってるうちは、文句は言うな」
もちろん、このようなルールを作る前にはしっかり親子で会話をして、なぜダメなのかという説明をすると言っていましたが、この確固とした態度に私はしびれました。
アメリカの親は、子供に理論立てて説明はしますが、最終的にダメなものはダメと言う家庭のルールは、しっかり子供に守らせるというイメージがあります。こういう時の親の態度は、声のトーンも低く、有無を言わせない怖さがあります。
普段は、子供と友達のような距離感でいるアメリカの親は、メリハリをつけるのが上手だなといつも感心しています。
この話を聞いて、チビマナにスマホを持たせる際には、チビマナと話し合ったうえでしっかりとした家庭のルールを決めたいと思いました。
スマホを持つのを遅らせる誓い『Wait until 8th 』について
これもこの座談会で知ったのですが、子供に携帯を持たせるのをできる限り遅らせたい親が作ったサイトがあるそうです。それは、『Wait until 8th 』というもの。
子供の脳の発達具合から考えると、パソコン以上に手軽でアディクティブな携帯から子供を遠ざけるのが、一番と考える親の集まりです。
仕組みを簡単に説明すると、
学校単位で行われる、共同宣言のようなものです。
まず、考えに賛同する親が、「少なくとも8年生までは、子供に携帯を買い与えません!」という、サイトにある宣言書にサインをします。そして、子供の通う学校で10家族以上がサインすると、宣言が有効となります。
宣言が有効になると、宣言をした親同士が連絡を取り合えるようになります。さらに、Wait until 8th の団体から定期的にニュースレターが届くという仕組みです。ただし、宣言にサインした家族の名前はもちろん一般公開はされません。あくまでも、サインをした仲間同士で支えあうためのものです。
ちなみに、チビマナの通う学校では、(進学予定のミドルも)この Wait until 8th には参加していないようです。なので、もし私がこの誓いに参加したい場合は、自分で学校に働きかけなくてはいけません。
ここまでしないといけない親の心がぶれてしまうという、子供に携帯を買わない決断の難しさを感じました。確かに、子供にとっても、他の子も同じように携帯を買ってもらえないと知っていると、あきらめがつきやすいのかもしれません。同調圧力を回避するには、効果的だと思います。
周りのママ友の話
私のママ友たちは、口をそろえて子供のスクリーンタイムをコントロールする難しさを嘆いています。それと同時に、携帯およびパソコンのスクリーンにあまり興味を持たない子もいるようです。
しかし、それは少数派。大多数の子供は、学校の課題をするために開いたパソコンや、友達と連絡するために始めた携帯のチャットをしているうちに深夜になるということが多いようです。
話を聞いていると、学校の宿題がオンライン上で出されるため、子供をスクリーンから離すのが、本当に難しいという難題が浮かび上がってきました。
それと、毎日部活や習い事があるうえに、学校からの大量の宿題もこなさなくてはいけない、子供たちのキャパオーバーによるストレスも大きな問題だと感じました。
まとめ
色々考えた結果、チビマナが欲しいというまで待つことにしました。
以前は、友達とつながりたいという欲求がとても薄いチビマナをみて、ミドルになって携帯がないことが友達作りの壁にならないかと、心配していました。なので、ミドル入学をきっかけに携帯を買おうかと思っていたのです。
しかし、いろいろな話を聞き、携帯を与えるのを焦る必要はないと考えるようになりました。むしろ、できるだけ伸ばしたいと思っています。
友達との連絡は、パソコンでできますしね。
しかし、wait util 8th に誓う必要は感じません。なぜなら、やはり子供には親の目が届くうちに、携帯およびテクノロジー全般の付き合い方を学ぶ方がいいと思うからです。
チビマナが欲しいと言った時に、なぜかと理由を聞き、それが妥当と判断したら買い与えるつもりです。
それまでに、私の準備ができているように、私自身テクノロジーに置いて行かれないように勉強を続けていきたいなと思います。
そして、携帯を買い与えたとき、ルール決めでチビマナが不公平だと文句を言った時は、
You live under my roof, you follow my rule!
と、言ってやろうと思います。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
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