11才に読み聞かせをしています。「私のコレクション」児童書もそえて
読み聞かせというと、就学前の小さい子供に絵本を読むことだと思っていました。しかし、11才になるこどもに(ほぼ)毎晩読み聞かせをしてみたところ、たくさんのいいことを発見したので、それをシェアさせて下さい。
絵本のみりょく
私は、絵本が大好きです。
絵本を読んでいると、何か大きな温かいものにくるまれている気分になります。それは、きっとお母さんのお腹の中にいたときのような、完璧な安心感なのだと思うのです。
その感覚はおそらく、私の母がたくさん私に読み聞かせをしてくれたおかげだと思います。
記憶力が悪いので、小さいときの記憶はほとんどありません。でも、小学生のころ、私が風邪をひいて学校を休んだ時。高熱で苦しくて、母に頼んで絵本を読んでもらったことがありました。
その時のことを思い出すと、タバコとウィスキーが混じった母の息の匂いと、母の温かいぬくもりで胸がじんわりと温かくなります。
読み聞かせは、こどもからの贈り物
そんな絵本好きな私は、もちろん自分のこどもにも、たくさん読み聞かせをしました。
こどもを膝にのせて、お日様の匂いがする髪の毛をなでながら、たくさんの絵本を読みました。こどもの笑い声を聞いていると、読み聞かせはこどもへの贈り物というだけでなく、親が子供からもらう贈り物でもあるのだと、理解するようになりました。
『子供は生まれて3年で、一生分の親孝行をする』と、聞いたことがあります。本当にその通りだと思います。
読み聞かせを再開した理由
たくさんの読み聞かせをしたにもかかわらず、わが子は読書が好きではありません。今でこそ、人並みに本を読めるようになりましたが、小学校低学年の頃は、リーディング特別クラスに入って、本の読み方を教わっていたほどです。
そんな読書嫌いのわが子ですが、お話を聞くのは大好きです。ですので、オーディオブックをよく聞いています。図書館のアプリでオーディオブックを借りることもできるので、よくそれを使って本を聞いています。
そのおかげで、こどもの語彙力、表現力は、今では年齢相応のものになりました。この効果を見て、日本語のオーディオブックがあれば、日本語も伸びるのではと探してみましたが、、残念。見つけられませんでした。
そこで、無いなら私が読めばいいのではと思ったのが、読み聞かせを再開したきっかけです。
日本語の児童書を読み聞かせ
最初は、こどもの好みに合った本を読んでいたのですが、私の気持ちが乗らない。そうなると、毎晩読むのが苦痛になって、結果、続かなくなりました。
私、理想に燃える母ですが、更年期に苦しむミドルエイジでもあるので、無理はききません。すみません。
ですので、思い切って自分の好きな本を読むことにしました。思い切ってというのは、こどもの日本語力では理解が難しいと思っていたからです。(こどもは、アメリカ生まれのアメリカ育ちで日本語は第二言語になります。)
まず、私が子供のころに大好きだった「コロボックルシリーズ」。
だいぶ昔の本ですので、表現や登場するものが古かったりと、説明がたくさん必要でした。それに、こどもはあまり興味を持ってくれなかったのですが、何より私が楽しい!毎晩続きを知りたくて、私の方が読み聞かせの時間が楽しみになりました。なので、ほぼ毎晩読み聞かせを続けることができました。
そして、今読んでいるのが「魔女の宅急便」。コロボックルシリーズもですが、以前帰国した際に、ブックオフで買っておいた本です。ジブリの映画で見たことはありますが、本で読んだことはありませんでした。
これは、こどもも映画が大好きだったこともあり、親子で楽しんでいます。
魔女の宅急便の続きが読みたくなり、探したところ、紀伊國屋のサイトで電子図書という形で見つけました。そこで、今は「魔女の宅急便シリーズ2」を読んでいます。コロボックルシリーズの読み聞かせのおかげか、それともYoutubeのおかげか、こどももしっかり日本語の読み聞かせを楽しんでいます。
読み聞かせをして、見つけた良いこと。
そんな風に、ほぼ私主導で続けていた日本語の児童書の読み聞かせ。こどもは、そんなに楽しんでいないんじゃないかと少し心配でした。しかし、ある晩、私の体調が悪く読み聞かせができなかったとき、こどもが
「一日で一番大好きな時間だから、残念だなあ。」
と、言ってくれたのです。その時、こどもも読み聞かせの時間を楽しみにしてくれたのだと知り、とてもうれしくなりました。
そういえば、私も母に本や新聞の記事を読んでもらったとき、母の声が耳に優しくて、ずーっと聞いていたかったことを、思い出しました。
そして、改めて私が自分のこどもにとって、そんなゆりかごのような、温かい存在になっていたのだと、とても心が温かくなりました。
ベストセラーとして今も読み継がれる児童書は、人生で直面する難しさや、喜び、そして心の移ろいというような、そんな話題が盛り込まれています。ですので、こどもが共感しやすいところを拾って、親子で話をするようになりました。
どうして、この子はこんなことをするのかな?悲しいのかな?おこってるのかな? あなたならどうする? なるほどね、それはそうだね。ママは、こう思うよ。
など、いろんな話をするきっかけになっています。そして、その流れからこどもが、ぽつぽつと学校での出来事を話してくれるようになりました。
以前は、学校でのことはあまり話さない子でしたが、最近はよく話してくれるようになったのです。それは、
読み聞かせが、こどものセーフスペースになっていて、安心して話せるようになった。そして、そこで親子の信頼関係がさらに強くなったこと。
そして、こどもの日本語力が読み聞かせのおかげで上がったので、自分の気持ちを以前より伝えられるようになったことが理由だと思っています。
眠る前の大切な時間
こどもが大きくなってからの読み聞かせも、やはりいいものだと感じています。日中は、こどもも私も日々のことで忙しく、ゆっくりと話をする時間がなかなか取れません。
しかし、読み聞かせの時間は二人だけの時間です。ベッドにはいり、読み聞かせを始める準備が整うと、こどもがまず話したいことを話します。それは、学校でのことだったり、その日気づいた事だったり、、。
一通り、話し終えて満足すると、読み聞かせが始まります。こどもの体温を感じながら、静かに読み聞かせをしていると、とても幸せな気持ちになります。
そうです。今も私は、こどもから読み聞かせの贈り物をもらっているのです。こどもが、もういいと言うまで、読み聞かせを続けていきたいと思っています。
ちなみに、オーディオブック 英語の巻は、
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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