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『サマー・オブ・84』

新宿のシネマカリテで『サマー・オブ・84』を。『スタンド・バイ・ミー』『グーニーズ』『エルム街の悪夢』『13日の金曜日』など80年代のスピルバーグ監督などの作品のオマージュがある作品。『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』や『ストレンジャー・シングス』など80年代を舞台にした作品がヒットしている理由は『ニック・ランドと新反動主義』やマーク・フィッシャーの書籍などを読むとわかるが、これもその流れにある作品だろう。
1984年が舞台で主人公たちは十五歳ということだから日本で言えば中三の夏、となれば現在の五十歳ぐらいの人が主人公たちと同世代だ。『スタンド・バイ・ミー』『グーニーズ』の系譜にありそうなので、正直なところ、ホラーの要素もあっても最後まで安心して観れるんだろうなって思っていたら、最後の最後にまさかまさかの展開がやってきて、「えええ! そんなことになるの!」というある種の恐怖、そして嫌なリアルさみたいなものがあった。
『スタンド・バイ・ミー』『グーニーズ』にしても十代の冒険だったじゃないですか、危険がありながらも少年少女たちは危機を力を合わせて突破してハッピーエンドだったら少年少女の日々を終えていく、大人になって懐かしかった思い出となるものだったが、この作品そこが違う方向に向かう。四人の仲間の終わり方とか安心して観ていたら、正直引くぐらいの衝撃的なものがある。
あの終わり方は十代とかで観たらトラウマを与えそうな、これも『『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のようなものがあるのかもしれない。もう、おとぎ話のような少年少女時代をただ懐かしく感じられるようなものではなく、そこですら嫌なリアルはあったんだよっていうのは、わりとこの世界の窮屈さや切羽詰まったものが現れているのかもしれない。


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