あなたに首ったけ顛末記<その18・トラブルには頭から突っ込まないほうがいい>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その18>
◇◇ トラブルには頭から突っ込まないほうがいい ◇◇
(25900字?キノセイ,キノセイ)
<1>御崎十緒子は脱皮する
(5200字)
「やほー、十緒子。視えてるぅー?」
手をヒラヒラと振る彼女に合わせて白い着物、白衣の袖が揺れる。巫女装束……赤い袴は、緋袴っていうんだっけな? 袴の長い裾の下にのぞく白足袋と赤い鼻緒の草履が、こちらに一歩踏み出した。
その足元、なんだけど。そこには床とか地面とか、そういったものが存在しな