[艶々] 落日のパトス

漫画家を目指す青年・藤原秋の隣に、高校生時代の恩師・仲井間真が引っ越してきた。偶然の再会に喜ぶが、彼女は人妻となっていた。夜、隣から漏れ聞こえる、この声は――。

最新巻は第7巻。寸止め、焦らしが、これ程までにエロいとは、この「落日のパトス」を読むまで、露にも思っていなかった。艶々の描く真が艶めかしすぎるのだろうか。勿論、それもあるが、いや、それだけでは、ここまでの性的な昂ぶりを覚えるとは思えない。

主人公の二人は、お互いに「良識」があるつもりで、限界の一線を探り合っている。心が惹かれているのか、ただ単に肉欲に惹かれているのか、それが分からなくなってくる。寸止めできるということは、真実は肉欲だけなのかもしれない。人間も動物だ。やはり、生殖に関する本能は、凄まじく強くて、動物の生殖本能に逆らうのが、当事者ではなくただ読んでいるだけでも、こんなにもシンドイ感覚を覚えるとは、本当に驚きだ。

同じ焦らしの展開では飽きてくる、それは人間の日常でも同じだろう。だから少しずつ、その一線が、広がっていく。そしてどんどん曖昧になっていく。続巻毎に、新しいキャラや新しいシチュエーションが出てくるが、今後、どこまで楽しませてくれるのか。キスは駄目、セックスは駄目、それ以外なら、どこまでもいいのか？

（CUTBOSS）

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