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ゆとりのゲーム感想「パズルボーイ(GB)」


【はじめに】


最近ゲームボーイやってねぇな〜 というか任天堂ハード自体に離れてる気がするわ。Switchはガンガンやってるけど。Switchレベルになるとそのハードの色というか雰囲気なんか無くなってほぼ一緒みたいなもんだからね。ハードの性能が違うぐらいで独占ソフトなんかまず無い。人気のゲームもPSだろうがSwitchだろうがXboxだろうが一緒だし。昔は任天堂vsセガといったバチバチのハード戦争があったみたいだが、今ではその辺に関しては大分ヌルいんじゃないかな?私が小さい時から思っていた「持っているハード」が枷とならないゲームライフというのが実現しつつある。ハード性能ガーなんて言ってるのは拗らせたおっさんオタクのみ。

・・・だよね?若い人でそれに参加している人なんているのかな…ゲハのこき下ろし見ても何が面白いのか分からん。その点、レトロゲームは違うよな。ハードによってなんというか色が変わる。ゲームボーイっぽさやドリキャスっぽさやPS1っぽさみたいなのがある。今の世代に熱弁しても分からんと思うけど・・・

そんで、ゲームボーイである。何故か去年は狂ったようにやっていたが今年はあんまりだった。飽きては無いし普通にやりたいゲームもまだまだあるんだけど、何でなんだろうな。やるきっかけが無いとか?それで言ったら50周年を迎えたファミコンなんか全然やらんかったし。気分が乗らなかったんや。ハハハ…

だからこそ、何かゲームボーイっぽいゲームをやりたかった。ゲームボーイっぽさと言ったらなんだろうか。カードリッジ式の携帯機でちゃんとヒットしたのはゲームボーイが最初だった。最初に発売されたのが1989年でカラーも含めると2002年ぐらいまで生き残ったと聞くと何か畏怖すら覚える。しぶとすぎるぜ。といってもほぼポケモンの功績みたいなもんだけど。

レトロゲームにハマりたての時は携帯機なんか目もくれなかった。だって明らかにハードの性能が低いから。当時の私はWiiや3DSのVCでレトロゲームをプレイしていた。3DSでファミコンができるんだからそれよりショボいゲームボーイをやる意味が分からなかったんだ。今となってはハードの性能差なんか気にしないが、昔の私の方がより尖ってたな。かく言う自分がゲハオタクだったんじゃねぇか。はぁ…

しかし、最近ゲームボーイの方がハマっている。何故かと言うと、ハード性能の低さを跳ね除ける程、工夫されたゲームが多いからだ。ファミコンは80年代のゲームであって、ゲームボーイは90年代のゲームである。ゲームの面白さや開発のノウハウが10年かけて蓄積されており、ファミコンよりもとっつきやすく楽しめるソフトが多いことに最近になって気がついたのである。スーファミで人気だったゼルダやシレン、ぷよぷよなんかもあるから、見た目がチープでも今でも全然遊べるな。そうそう、この地味でチープなのがゲームボーイっぽさだったな。

チープさが際立っているソフトを探してみたら「パズルボーイ」を積んでいたことを思い出した。確か開始1分で投げたな。コイツもチープだし地味だ。ゲームボーイの白黒も相まって何とも地味である。本作をプレイしクリアしたので感想を述べる。

【ゲーム概要】

ゲームボーイ用ソフト
「パズルボーイ」

「パズルボーイ」は、1989年にアトラスから発売されたゲームボーイ用ソフトである。

パッケージを見ると、子供向けとしておそらく微妙である謎キャラや題名から察するにパズルゲームなんだろうということが分かる。初代ゲームボーイはこういうパズルゲーム多いんだよな。しかし、ゲーオタなら惹き付けられるだろうお馴染みのロゴ。そう、アトラスである。本作はあのアトラスが手がけた作品なのである。今だと「ペルソナ」シリーズや「キャサリン」といったクールでスタイリッシュなゲームを生み出しているイメージが強いが、こんなゲームも出してたのか。調べてみると、本作が初めて自社販売した記念すべきゲームであり、本作のヒットが「真・女神転生」シリーズを作る資金源として使用されたとか。

「ペルソナ5 ロイヤル」と「キャサリンフルボディ」
どちらも本作と同じアトラスのソフト

何気にすごいソフトだった。今や名シリーズとなったペルソナもパッケージのジャガイモ君には頭が上がらないんじゃないか?調べてみるとディスクシステムやPCエンジンで移植され、さらに続編の2まであると言う。おいおい、普通にすごいじゃねぇか。

本作は見下ろし型の固定画面パズルゲームである。主人公のポテリンというじゃがいもをゴールまで導けばステージクリアである。モードが3つに分かれており、「パズルにちょうせん」、「ひとりでトライアル」、「ふたりで対戦」から選ぶことが出来る。今回はメインモードとなるパズルモードのクリアを目指した。全30ステージ。

プレイ画面

まぁ、よくある「倉庫番」タイプだと思って欲しい。といっても私はやったことないのだが…名前だけは知ってるけど、実はよく分からないゲーム代表だな。どうでもいい。倉庫番ではフィールドにある全ての木箱を所定の位置に持っていくのが、クリア条件だったが、パズルボーイはプレイヤーがゴールに着いたらステージクリア。よりシンプルだ。

操作はタテとヨコの移動とブロックといった仕掛けを押すこと、のみだ。倉庫番よろしくブロックを引いたりすることはできない。AボタンBボタンを使うことはメニュー画面の操作ぐらいかな。

仕掛けといったが、ブロックと穴とくるりんドアしかない。ブロックは押すことができる障害物。穴はその上を通ることができない障害物であり、その穴の形に対応したブロックを押して入れることで歩ける床に変わる。くるりんドアは軸が固定されている障害物で、プレイヤーがそこを通ると回転するドアになっている。壁やブロックで可動域が阻まれている場合は回転しない。

真ん中にあるのがくるりんドア
端を押すことで向きを変えることができる

パッケージに描かれているニンジンやナスは敵では無い。これは味方であり、1人用のパズルモードでも出てくる。ステージによってはマルチプレイとなっており、セレクトボタンでキャラクターを切り替えながら全てのキャラクターをゴールに導くステージもある。主人公のじゃがいも含め最大4人を扱うステージもあった。

マルチプレイステージでは
キャラを切り替えながら攻略する

ゲームの概要は以上だ。他のパズルゲームと比べての違いとしては、最初の段階で好きなステージを自由に選べるって所かな。パスワードの入力なしにいきなりラストステージから挑戦することができる。私はステージ1からやったが、これはすごくありがたかった。フラッピースペシャルとかだと毎回毎回パスワードを打つ必要があったからな。その度にゲームのパスワードを記録している紙を保存しているファイルからフラッピースペシャルのを取り出し、全てのステージが解放するようにしていたな。懐かし〜
・・・こんなこと本当にやっている人がいたらすごいな。ネットに頼ってない姿勢はマジで尊敬する。同時にドン引きするが。

【感想】


いやーキツかった。私はこの手のゲームに挑戦しては詰み、ネットに頼っていたのだ。しかし、今度こそはと意気込み(この意気込みももう30回ぐらいしているが)、ノーヒントでのクリアを目標にした。

あぁ…しんどい。待ってくれ。何度頭の中のハムスターが回転したか分からない。このゲームに限った話では無いが、頭がグラグラするな。絶対子供向けじゃないよこんなん。

全30ステージといったが、「やさしい」、「ふつう」、「むずかしい」というレベル別で10×3ステージというように分かれている。

「やさしい」のステージ2。この辺はまだ易しいな。上と下のブロックを左の方に押して真ん中のブロックを上にズラしたらOK。

「やさしい」のステージ7。くるりんドアが多く配置されているが、ブロックが無いので詰んだりとかは無い。ゴチャゴチャ動かしていたら普通にゴールに着いた。

「やさしい」のステージ10。マルチプレイなので、2人のキャラを切り替えながら進んでいく。1人目は楽にゴールまで辿り着けるが、2人目のルートを考えながらくるりんドアを動かす必要がある。

こんな感じで「やさしい」はちゃんと「やさしい」難易度だった。小学生でもまず詰まないだろう。こんな感じでサクサク進めればいいのだが…



「ふつう」のステージ1。段々、ブロックやギミックを自由に動かせる範囲は少なくなり、正解のルートを頭の中で構築する必要が出てきた。下のブロックを右か左に動かしたいのだが、隣のくるりんドアを動かして2マス分開ける必要がある。

「ふつう」のステージ2。ここで初めて完全に行き詰まってしまった。必要なブロックはいくつなのか、どのブロックを穴に落とすのかを考えなければクリア出来ない。あぁ、私は本当にこの手のゲームが苦手なんだな。1時間ぐらい考え込んでしまい、ようやくクリアした。

「ふつう」のステージ5。右上のブロックをどうにかこうにかして左下の穴に落とす必要がある。しかし、くるりんドアの動かし方によってはブロックが動かせずに詰んでしまうので、慎重に動かす必要がある。

「ふつう」のステージ7。とにかく長かったステージ。ブロックを動かしては、くるりんドアが動かせずに詰み、せっかくブロックを運んだのにじゃがいも君が通れずに詰み、半ばキレながらプレイしていた。あまりにもできなかったので、一旦落ち着いた後に再開すると一発でクリアできた。よくあるな。

「ふつう」のステージ9。マルチプレイで3人をゴールに導く必要がある。これ絶対子供には無理だろ… もう使わないブロックを端に寄せて道を作るのだが、どこに寄せるのかを考える必要がある。


ふぅ… 「ふつう」とは書いてあるが大人の私ですら頭を捻らないといけない問題ばかり。おそらく子供はこの辺りで投げるだろう。プレイしている最中の音楽も短いループと単調なメロディーが相まって頭を痛くさせる。とはいえ、まだ自力で攻略できる範囲だ。このままノーヒントでクリアできるか…!? はぁ。



「むずかしい」のステージ2。最初に大きなブロックを落とすとクリアできなくなる引っ掛け問題。大きなブロックを端に寄せて上下のブロックを先に落とす必要がある。

「むずかしい」のステージ4。

・・・・・・

・・・・・?

え?広っ…

何すればいいん?

私は狼狽した。今までのステージも難しいは難しかったのだが、何をすればいいのか、どのブロックが必要なのかはすぐに把握できた。しかし、このステージはそれすらも分からんかった。意味不。えーと、とにかく左下がゴールだろ。で、穴が空いてるからブロックを運ぶ必要がある。ゴールまでに必要な穴は4つだからブロックもそこそこ必要と。あ、道中にも穴が空いてるじゃねぇか。だから、その穴を埋める必要もあるな。いやでも押せるブロックも限られてるのか。穴も慎重に埋めなきゃだわ。右下の広いスペースは何だ?あそこからもブロックを調達しなきゃいけないっぽいな。えーと、だから・・・・・

リアルに5日間経った。結果は分からないということに落ち着いた。難しすぎる。え、どうすればいいん?どうやってもブロックが1つ足りないのだ。道中の穴を埋める用とゴール付近用。どこかで1つ使わずに取っておく必要があるのは分かったのだが、そうすると道中の道が塞がってしまう。うーむ、分からん。諦めよう。

結局、このステージはネットに頼ってしまった。はぁ… いや、自分でも悔しかったよ。自力で解きたかった。ただ、答えを見ても手順が多すぎる&正解のルートがそれしかない為、これはしょうがないと自分で説得した。いやぁ、これは厳しい。

「むずかしい」のステージ8。マルチプレイで4人に増えた。要は左のブロックを右に運べば良い。・・・のだが、ここも5時間ぐらいかかった。ひらめき系なのにキャラを待機させとく場所も固定だったので、1粒で2度難しかった。クソが。

「むずかしい」のステージ10。最終ステージ。・・・なのだが、割と簡単にクリアできた。何だかあっけないな。


そして、晴れてエンディング。クレジットが流れて・・・なんていうのは無かった。最後のステージをクリアするともう一度「やさしい」に戻された。達成感にすら浸さない。これがゲームボーイクオリティー。ゲームボーイっぽさである。はぁ。

ノーヒントでクリアとまでは行かなかったがほぼ自力でクリアすることが出来たのは嬉しかったな。考える、試す、上手くいく、気持ちいい。単純で原始的だがゲームの面白さといえばコレである。余計な装飾無しに純粋なパズルを楽しめた。楽しかった。

この手のパズルゲームでいえば、ボリュームは少ない方だろう。しかし、私みたいな馬鹿にはこれぐらいが丁度良かった。というかもう一度やって、と言われても正直解き方を思い出せないかもしれん。それは無いか。多分ね。とはいえ、レベルの跳ね上がり方が凄かったので、ステージをもう少し増やしてレベルの上がり方を緩やかにしてくれたらやりやすかったのかなって。

ストーリーはほぼ無いようなものだろう。この手のゲームにはいらんな。しかし、演出も一切無いというのはあまりにも寂しすぎる。「モグラーニャ」のようにちょっとしたムービーを流してくれると心に残るゲームとなったのだろうが、それも無かった。地味すぎる。

【まとめ】


まだまだゲームボーイは遊べそうだな。ファミコンとはまた別の気持ちよさと苦痛だった。これこそがゲームだ。苦しめば苦しむ程、達成感は倍増される。最新のゲームでもこういったゲームフィールは勿論感じることができるが、レトロゲーは何と言うか天然な感じだ。偶然が重なってできた難易度やゲームバランス。それはレトロゲーでしか体験できないと思う。今となっては地味すぎるゲームボーイも私の中では発色数なんかに拘らない新しい世界を見せてくれるだろう。





(このゲームを遊ぶには実機で遊ぶしか無いようだ。興味がある方は遊んでみてはどうだろうか。)




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