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話を聴く力を読書で養えないだろうか(後編)

前編はこちらから↓

前編を軽くおさらいします。というか、読み直すとやや言いたいことが怪しくなっている箇所があったので捕捉も兼ねてまとめます。

・発達障害がある方でよくある悩みとして「話を聞いて理解すること」が難しいことが挙げられる
・一方で僕自身、ADHD特性がありながら人から「聴き上手」と言ってもらえることが多い
・読書中にふと、自分が人の話を聴くときと本を読んでいるときとで、やり方に共通点がある気がした。
・それが何かを掘り下げることで、『聞くのが苦手』という状態の対策に近づけないだろうか

というようなことが言いたかったのです。

そして後編。
これから、僕がいかに普段人の話を聴いていないかということを書きます。ただ念のために言っておきますと、ココナラで行っている電話相談の際などは終始メモを取りながら真剣に聞いています。そこは誤解のないようお願いしたい次第です。

僕自身、常々疑問に思っていることがありました。
昔から周りの人は僕のことを「聴き上手」などと言ってくれるのですが…本当にそうだろうか? という疑問です。
嬉しい話ではあるんですけどね。ただ僕自身は「人の話、けっこう聞いてないんだけどな…」と思ったりします。

たとえば、日本聞きたくない話ランキング8位ぐらいに入ってくるのではないかと思われる「親戚のおじさんの説教」でイメージすると。

9割は別のことを考えてますよ。それっぽい顔をして聞き流しているだけです。たまにあいづちなど入れつつ。
ただ恐らく無意識に気を付けているのは、そろそろ話しの一区切りが終わりそうと思ったら話に注意を向けること。それと、キーとなるらしき言葉が登場したら注意を向けること。

失礼な!と怒る方もおられるかもしれませんが、話すべてを聞いていられません…。
聞いているうちにどこか遠くの世界へ旅立ってしまうのはもう、性なのです。
親戚のおじさんの説教で9割としましたが、実際には日常的な会話も何割かは聞いていません。たまに休憩と称して違う世界に旅立っています。
友人の面白い話も、自分が高いお金を払って参加している研修会の講義も同じです。このことからも、したくてしているというよりはそうせざるを得ない、ということが伝わると幸いです。
まあそもそも、人間の集中力の限界は45分などと言ったりしますから、どこまでが誰にでもある現象なのか分からないですが。

ようやく話を読書に戻します。
読書が苦手な方の話でたまに聞くのが、「登場人物が誰か分からなくなって前のページに戻ったりしてめんどくさくなる」とか「台詞は読めるんだけどそれ以外の描写が退屈で読めない」といった意見です。

なるほど…と思うとともに、内心「そんなの気にせずに読んじゃえばいいのに」とも思います。

僕も読書をしていて、特に外国人の名前などはワケが分からなくなったりします。でもそういうときは戻ったりせず、そのうち頭に入るかーの精神で読み進めます。
台詞以外の描写についても、確かに作家さんによっては読みづらい場合があります。そういう場合はそれなりに力を抜いて読みます。すごく描写から素敵な作家さんもおられるので、好きな文を書く作家さんの本は全文食い入るように読みます。
そこは好みで分ければいいのになー、とか思ったりします。

とはいえ、そう簡単に割り切れない方が多いのも分からなくはないです。細部が気になって、納得がいかないと進みたくない。読むならしっかり、全て理解して読みたい、と。

ん、なんだかこれ、前編で書いた「発達障害がある方が聞いて理解するのが難しい理由」の話と似ているような。
前編で書いたことを振り返ってみます。発達障害がある方が聞いて理解することが難しいときの、ワーキングメモリーや聴覚認知の影響を除いたものです。あくまで僕の考えですが…

・話の全体を捉える前に、細部に注意が向きすぎてしまう
・聞いている最中に他のことに気が散ってしまう
・興味が無い話へ関心が向けづらい
・聞いた言葉を具体的なイメージや心理状態に置き変えづらい
・話の流れを予測することが難しく、聞く準備がとりづらい

といったことがあると考えています。実際には他にもあると思いますがひとまずこれぐらいに。

これらの原因が分かったからといって、日常の会話の中で気をつけていくことは難しいです。会話って、巻き戻したりできないし消えていってしまいますからね。

でもたとえば、『話の全体を捉える前に、細部に注意が向きすぎてしまう』という点に関して。
読み返し禁止縛りで本を読むという経験は、「細部にこだわらずとも話の流れをつかめた」という成功体験とならないだろうかと思ったのです。
方法はシンプル。とにかく読み返さない。もともと読み返すクセがある方が対象、という前提になってしまいますが。

聞くことに対して苦手意識がある方って、聞こうとしすぎて逆に全体や要点が捉えられないこともあったりするのではないかと思っています。
今度こそ聞き逃さないようにしよう、と力を入れるほど全部を聞こうとして集中力の限界がきて大事なところを聞き逃す…。

そういった方も、読み返し禁止縛りで読書をしてみるのはいかがでしょう。
一読して分からないところがあっても、ひとまず遡らない。
すると、案外読んでいる間に全体が頭に入ってきます。一言一句頭に入らなくても、大まかに理解することはできるという成功体験です。

まずは読書という自分のペースでできるところから成功体験を積み、それが会話場面に活かせないか…という発想ですね。

実際にはもう少し説明したい点や考えたこともあるのですが、思ったより文字数もかさんでしまったのでこれぐらいにさせて頂きます。

ツッコミどころや穴も大きい話ですが、ふと思い立ったことを書いてみた次第です。
さすがにこの方法をいきなり人に勧めようとは思わないですけどね…とはいえ「かもしれない」から発見は始まるもの。

全然違うよ!という意見でも、賛同でもコメント頂けると嬉しい限りです。僕自身の勉強になりますのでね。

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