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とんぼ

昨日の夕方、
部屋に帰ってカーテンを開けたら、

網戸にとんぼがいた。

じっと動かずに、上を向いてた。
「ゆっくりしてきな」って声をかけた。

しばらくして、
暗くなってきたから
カーテンを閉めようと思って近づくと、

まだいた。

「寒くないん?? ま、好きなだけおっていいよ」って声かけてカーテンを閉めた。

風呂上がりに見てみると、まだいた。
相当、居心地がいいらしい。
見つけてから、
だいたい6時間ほど経っていた。

翌朝、カーテンを開けると、
まだいた。

薄い羽に、朝露がついてた。

もしかして、
網戸につかまりながら、死んじまったのか??

と思ったけど、手足が少し動いた。

「ここ、そんなに居心地いいんか??」って言って、朝支度に入った。

出かけるとき、
「ごゆっくり〜」って言ってカーテンを閉めた。

帰ってきたときは、すっかり暗くなっていた。

もしかしたら、まだいるかも。
少し期待した。

と、同時に、死んでないか確認して、
もし死んでたら弔ってやらんと…と思った。

とんぼって
網戸につかまったまま死ぬとか、あるんかなぁ。

そうやとしたら、
なんでここが良かったんかなぁ。

とか、考えて家に入った。

カーテンと窓を開けたら、もういなくなってた。

なんか、安心したような、心配なような、
変な気持ちになった。



死んで、落っこちて飛ばされたかなぁ。

いや、どっか飛んでったんかな…



袖振り合うも多生の縁。

また来いよーー

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