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日本VS.クロアチア Q&A方式プレビュー をやってみる。

 暇なのでやってみる。日本初のベスト8をかけた負けられない戦いpart3。どうしてもだらだらと書く癖のある自分に、10問(予定)のQuestionを立てて自分に答えさせるという試みで簡単なプレビューをしてみたいと思う。
 12時までの皆さんの暇つぶしになればうれしいです!!

①予想スタメン

 最初に予想スタメンだけ抑えとこう。日本は最適解となりつつある5-4-1撤退からの後半の「計算された神風アタック」でくるはず。板倉の不在と冨安の復帰、遠藤の再登板は可能性が高い。
 一番予想が難しいのが、右のシャドー。非常に申し訳ないが、前半だけの守備専に最適なのはクロップに鍛えられた南野であるのは間違いないので、彼をここに使ってほしいという希望も込めてこの予想にした。酒井のスタメンもないわけではないが、彼のインタビューを聞くとスタメンはないのでは?と思う。

 対するクロアチア。いつも通りなのだが、日本のWBアタックを警戒してソサorユラノヴィッチ⇒スタニシッチ、またはベテランCBヴィダを使ってグヴァルディオルの左SB起用は、スタートからしてくる可能性は低いにしても、展開によってはありそう。リザーブのパシャリッチ、ヴラシッチあたりはもちろん、神童マイェルもかなり曲者なので気を付けたい選手である。

Q1 日本とクロアチアどっちがボールを持つのか?

 これはわからない。多くの識者がいっているように、クロアチアは相手に合わせる戦い方ができるカメレオン的チーム。クロアチアのグループ3戦でのボール保持率は、モロッコ戦65%、カナダ戦48%、ベルギー戦48%となっている。カナダ戦、ベルギー戦はスコアや突破条件なども影響して、基本的にはボールを持たない戦い方を選んでいたが、カナダ戦のビハインド時、ベルギー戦の序盤はハイプレッシングでボールをコントロールしようとする狙いが見えており、始まってみないとわからない感は大きい。
 ただ、相手にべた引きされたモロッコ戦は相手の守備ブロックを崩すのにかなり苦労していて、距離間が空きすぎていることによって嫌なボールの奪われ方をしてピンチをたびたび招いていた。カナダ戦、ベルギー戦のように「相手がある程度、前に出てくる」という状況のボール保持は得意だが、べた引きされるときつい印象はある。
 よって、どっちも相手にボールを持たせて後方でブロックを固めたいという意図が透けて見える我慢比べの試合にはなりそう。(モロッコとの試合もそんな感じだった。)

Q2 クロアチアの攻撃のストロングポイントは?

 モロッコ戦がそうであったように、相手に合わせられるとはいっても、本音はボールを持ちたいクロアチアが攻め、日本が守りの構図にはなるはず。
 そうなると、日本が守備をするうえでどのポイントを気を付けたいのかという話になる。最重要なのは、言わずもがなクロアチアの3枚の中盤

 グループリーグ第2節で4-4-2のミドルブロックを敷いてきたカナダに対して、両SBとWGが大きく広がることでこの3センターに中央の広いスペースで仕事をさせて、前半のうちに逆転に成功した。ということで正直4バックは危険である。4-4-1-1で中盤をマンツーマン気味にする手はあるが、そこで出てくるのが左CBのグヴァルディオルだ。1トップに対して2CBという数的優位を活かしてくボールを持ち運ぶ彼から、3センターや中盤に下りて仕事もできるCFリヴァヤにズレを生み出して相手の守備ブロックを崩される可能性はかなり高い。
 それゆえの5バック選択。ライン間の相手選手をズレを作らずに後ろから潰せる5-4-1のブロックを組むのが得策に見えるし、日本がスペインに見せた5バックであれば、そう簡単に彼ら3枚の司令塔も仕事ができないはずだ。

Q3 クロアチアのサイド攻撃の質はどうなのか?

 中央が崩せないとなれば、サイド。そこで質的優位を生めなかったスペインは後半の日本の5-4-1のブロックに攻めあぐねる結果となった。では、クロアチアはどうか?

②クロアチアのサイド攻撃の構造(対ベルギー戦より)

 さっきもいったように、クロアチアはカメレオン的なチームである。あまり約束事がないといわれるが、個人的にはドイツなどと比べると緩めな原則を持ちながら、その試合ごとに攻撃のかたちを作り出せるという強みを持つチームであると感じている。
 実際、②のように(守備時は)4-3-3のミドルブロックで相手の攻撃を絶対にサイドに誘導するという意思を見せたベルギーに対して、左肩上がりで3バック気味になり、右はSB-IH-WGの三角形で、左はCB-SB-IH-WGのひし形をベースとするサイドからの崩しを見せていた。
 そうなると、日本戦もやはり怖いのは左サイド。ペリシッチという絶対的なWGと攻撃が持ち味の左SBソサと、中央からアクセントを加えるコヴァチッチ。そして、その起点にいるのはかの有名なグヴァルディオルである。モドリッチがいる右サイドも要警戒であるが、純粋なドリブラーではなくCFタイプのクラマリッチが中央で待つこととなる「左サイドからの崩し⇒中央で合わせる」が一番怖いので、そこは気を付けたいところ。(もちろん、カナダ戦の2点目のように周りとの連携の上手いクラマリッチから右サイドの崩しでも得点しているので、結局両サイド気を付けたい…笑)

Q4 日本が狙いたい、クロアチアの弱点は?

③クロアチアのSBの幅を取った攻撃とモドリッチのアドリブ

 クロアチアが攻め、日本が守りという局面になったときに、狙いたいのは徐々に高い位置を取り始めるクロアチアSBの背後のスペース。ありきたりではあるが、ボールを保持して押し込んだ相手のDFラインの背後のスペースはやはり狙いどころである。
 特に狙いたいのが相手右SB裏。左サイドのIHコヴァチッチは守備を固める相手へのSBの高い位置を取る動きに対してほとんどの頻度でCBの脇に下りる動きをするのに対して、攻めあぐねると左サイドにも顔を出すモドリッチはその右CBの脇に下りないときもそこそこある。そうなったときに、良くも悪くも攻撃の原則が緩いクロアチアは右CBロヴレンもあまり広がらずに、右SBユラノヴィッチも高い位置に留まったままであることもある。その結果、右CBロヴレンがパスコースがなくなって捕まるということが、相手が4-1-4-1の守備ブロックを固めたモロッコ戦でも見られており、日本としては、この箇所で奪ったボールを大外の純也が合わせるというかたちをつくりたい。
 それを踏まえると、左のシャドーはボールを奪ったときに長い距離を運べる相馬の起用もありかもしれないが、そもそもボールを奪わないと始まらないため、守備のインテリジェンスの高い鎌田or南野がやはり最適な気がする。

Q5 日本の超ハイプレッシングは通用する?

 前半に日本が無得点で終わった場合に得点を奪って勝機を見出すもう1つの手段が、独・西戦で見せた日本の超ハイプレッシングである。それが、クロアチアに効くのかといえば、「効く可能性はあるが、独・西に比べると最も可能性は低い」といえる。

 ここでまた、カナダ戦がヒントになる。前半をビハインドで折り返したカナダはクロアチアの4-3-3に対して守備時3-1-4-2でブロゾヴィッチを中盤3枚の誰かが見るというかたちでの"ほぼ"数的同数プレッシングを見せた。しかし、結果は無得点&2失点で1-4で試合終了。「ロングボールで逃げる」術のあるクロアチアは、激しいプレスに正面からぶつからずに、ロングボールのセカンドボールの奪い合いの勝負に持ち込んだ。
 もちろん、理論上は五分五分となるロングボールのセカンドボール争いはカナダにもチャンスを生んだが、お互いに間延びした打ち合いの状況でも真価を発揮する3人のMFがいるクロアチアが勝利を収めたという試合だった。

 しかし、日本の超ハイプレッシングはカナダのそれとは比べ物にならないのも我々は知っている。スペイン戦の得点シーンでは相手GK+4バックに対して5トップでプレッシングをかけるという常軌を逸したプレーがゴールにつながっている。そして、ロングボールでのセカンドボール争いになったとしても、日本には走れる戦士が中盤にはいるので、日本の超ハイプレッシングがクロアチアに通用し、得点につながるチャンスを作れるかというのは始まってみないとわからない。

Q6 日本がビハインドになると、どうなるのか?

 ここまで、二度の逆転ゲームを演じた日本だが、前半0-1という状況は前の2試合ほど楽観できるものではないかもしれない。

④クロアチアの4-1-4-1の守備ブロック

 日本がビハインドで折り返した場合の後半には、超ハイプレッシング発動!⇒クロアチアはロングボールで逃げる⇒日本が回収⇒クロアチアは即時撤退という構図が生まれる可能性が高い。そうなると、日本はドイツ戦の後半やコスタリカ戦で見せた「戦術三苫」を見せるはずだ。
 だが、ドイツと違ってクロアチアは4-1-4-1の守備ブロックを基本としながら、右WGクラマリッチがDFラインに入って5-4-1のような配置で守備を固める(ポーランドに近い)。そうなると、相手4バックに対する5トップと大外の破壊力が通用しなくなる。もちろん、三苫VS.クラマリッチの1on1を考えればいけそうな気もするが、前線のプレスバックによる挟み込みも速いクロアチアの守備を崩すのは簡単ではない。
 矛盾した表現になるが、それでもクロアチアの守備には明確な弱点がある。それは「基本が4-1-4-1」であるということだ。(攻撃時は3-4-3の)ベルギー戦でも、右WGのクラマリッチが相手左CBまでプレッシングを掛けたことで、右SBユラノヴィッチが大外の相手左WBカラスコとの勝負に晒されてピンチを迎えるというシーンが何度かあった。また、右サイドの場合はモドリッチがアドリブで4-1-4-1の配置を崩して列を上げて、4-4-2のようなかたちになってプレッシングを掛けることもあるため、そこで前進できれば一気にチャンス、逆にそこで奪われれば一転ピンチという状況が生まれるはずであり、日本としてはその部分を狙いたいところ。

まとめ

 10問くらいと適当に想定していたが、一問に対する回答が長すぎた(笑)。のであとは割愛。

 個人的予想をすると、前半は0-0orどちらかのリードの1-0の塩試合、後半にビハインド側が勝負を掛けて局面が動くという試合展開になりそう。ある意味、一番怖いのは今まで一度も経験していない日本が1点リードでHTを折り返すという状況かもしれないが、やはりクロアチアに先制されると、グループリーグ1失点で(「ルカク…」だったとはいえ、)2試合クリーンシートの相手を崩すのはかなり難しいはず。そう考えると、「前半0-0、後半超ハイプレッシングで先制して逃げ切る!」が理想のパターンな気がする。
 試合が同点で推移したら、日本はどうするの?、どこで勝負掛けるの?が至上命題だけれど、そこは勝負師森保さんを信じましょう!!
 では。

タイトル画像の出典
https://publicdomainvectors.org/en/free-clipart/Painted-flag-of-Croatia/47669.html

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