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【母と、笑っていたいだけなのに】結婚式まであと69日

全くnoteを更新しないまま月日が流れて、
気づけば結婚式まであと69日になってしまった。(絶対読者様ついてこれてないぞ)


私が結婚後に住む新居は、実家から新幹線でも3時間はかかる。
30年近く父と母と暮らしてきたのに、結婚式の次の日からはもう、実家から遠く離れた場所での生活が始まってしまう。

この約30年、父と母、そしてお犬様と一緒に暮らし、たまに一人暮らしの兄・妹が帰ってくる。これが私の家族の形だった。
だけど結婚式の翌日から、私の家族の形は変わってしまう。
父と母との生活は終わり、彼と2人の生活が始まる。

マリッジブルーになるのかなぁと思いきや。
今のところそこまでブルーになっていないのが本音。

多分これは、彼のおかげなんだと思う。
仏のように優しい彼だからこそ、新生活が待ち遠しく思えるし、想像する新生活は本当にキラキラしたものなのだ。今は。(今はと付け加えるのはやめなさい)



だけど。新生活が楽しみなのだけど。

この30年間の形が変わってしまうのだ。父と母の元から離れてしまうのだ。


私が実家から離れたら、父と母は2人でどんな生活を送るんだろう。
想像もつかない。私が家族のバランスをとっていた自負がありすぎて本当に想像がつかない。


想像がつかなさすぎて心配ではあるのだけれど、
父が言っていた通り、「やってみないとわからない」のだ。
今からあれこれ心配したところで私が実家に住み続けることはできないし、新居の契約を取り消すだなんてことも父と母が望むとは思えない。

だから心配はせず、「なんとかなるだろう、両親も大人なんだから」という呑気な考えでいることにした。



悲しみもせず、心配もせず。


じゃあ今の私が今何を思うのか。


それは、「結婚式まで残った家族の時間を最高に素敵な時間にしたい」ということ。

泣いても笑っても、
とんでもない事件が起きない限り私のこの今の家族の時間は69日しか残っていないのだ。


だから、この時間はただひたすら笑って過ごしたい。
悲しい涙ではなく、ありがとうの涙を流したい。
悲しい気持ちになるのではなく、あの時悲しかったなという思い出を話して笑い合いたい。


とにかく、「いい時間」を過ごしたいのだ。


だけど。



だけど。




うまくいかない。


母と喧嘩ばかりしてしまう。すれ違ってしまう。

父は基本口数が少なくあまり私の生活にも介入してこないから、
父と喧嘩した記憶はほとんどない。
仲が悪いとかではない。普通に仲はいいが喧嘩はしない。


けれど母とは本当にいろんなことを話すし、
一緒にいる時間が父よりも何倍も長い。
コミュニケーション量が多いからこそ喧嘩する数も多いんだとは思う。

トータルで見ると本当に仲の良い親子なんです。私と母は。
休日はよく2人でショッピングに行くし、何度も2人で旅行にも行った。
母が泣いていると胸が苦しいし、嬉しそうにしていると私も本当に嬉しい。


だけど、「普通の親子」だからこそ喧嘩してしまう。


お母さん。


私はただお母さんと笑っていたいんだよ。

この最後に時間を、ただひたすら笑って、
たまには思い出話をして泣いて。

この残った時間が、優しくて温かい宝物のような時間だったという思い出を私は作りたいのに。


どうしてわかってくれないの。


お母さんとぶつかるたびに、

「もう早く解放されたい」とさえ思ってしまう。


解放されたいだなんて思っている自分が嫌になってしまう。
もう69日しかないのに。


泣かせないでよ。私の気持ちをわかってよ。


そんなことばかりを思ってしまう。


でもこれはきっと、母もそうなんだと思う。


私との残った時間を楽しく過ごしたいだろうし、
いい時間を過ごしたいと思ってくれてるだろう。

だって、本当に優しくて強い母だから。
愛情に溢れて、自分を犠牲にしてまでこの家族を守ってくれた母だから。


母も私のように、
喧嘩するたびに心では泣いているのだと思う。

楽しい時間を過ごしたいのにまたやってしまった、と。


私がこの残りの69日を楽しく過ごしたいだなんてことは
本当に当たり前の感情で、
絶対達成できる、現実になるものなんだと思っていたけれど。

当たり前こそ難しいのだと思う。


実感を離れる私。

娘を送り出す母。


その言葉に表すことのできない複雑な感情の行き違いがあるからこそ、喧嘩なんて起きて当たり前なんだと。

私と母はどちらも悪くないんだと。


そう、自分を慰めるようにしている。



永松茂久さんの、「喜ばれる人になりなさい」という本を今日たまたま見つけて買ってみた。


1ページ目は、このような文章から始まっていた。



「一時期、母の長電話が嫌だった。

今、母と長電話をしたい。」



私はいつか、思うのだろう。


「一時期、母といるのが嫌だった。

今、母と会いたい。」


必ず必ず、こう思うのだ。


お母さん。


あなたは私にとって、本当に大事な人。大好きな人。


気持ちをわかってあげれずごめんね。


これから少しでも多く、
優しくて温かい時間を過ごしていこう。

少しずつ。できる限り最大限に。


まにょ。


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