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【スポーツ栄養】スポーツ選手に知って欲しいエネルギー代謝の話


今回はスポーツ選手にとって大事なエネルギー代謝の話。
今私が1番重視している、食事からとった栄養素の代謝経路をいかに整備するか
どんな意味があるか、どういう指導をしてスポーツ選手のサポートができるかも、今日はご紹介します!

スポーツ選手の特徴

スポーツ選手とそうでない方の1番の差は、スポーツ選手は全ての土台となる健康な体がすでに手に入っていることかなと思います。一人一人違いはあるけれど、多くは選手として健康で運動が出来ています。
健康が土台となって、その上に目標があります。

現状、疾病がなく身体に特に大きな炎症がない選手の場合、栄養でどこをサポートできるのか。
それが、今回のテーマのエネルギー代謝。

身体を治すというより整備して、今より効率よく使いやすくすることがスポーツ選手に大切な視点かなと思います。


選手を取り巻く環境

身体の整備にはまず身体の仕組みを知らないといけません。仕組みを知って、正しく点検できるように。
ですが選手は練習に忙しくて身体について知らないことも多いです。興味がないこともあるし、練習に集中していてキャパが足りないこともあります。
食事について言えば、選手の生活環境が自分で料理を作ったり選んだりすることが多いのか、それとも出されたものを食べることが多いのかで栄養の知識やイメージにも大きな影響を与えるでしょう。
なので環境にもよりますが、本人以外の、選手に近い人もこの仕組みを知って、協力する環境が大切だと感じました。
例えば、ご家族、コーチ、監督、トレーナーさん……
専門的な知識を持った整備士さんがたくさんいます。
困った時はそれぞれ専門的に見てくれる人を頼れるといいですね。


必要な栄養は一人一人違う

よく、人の身体は車に例えられますが、栄養学的にそれで言うと車の車両本体は私たちの身体、車が動く為のガソリンや電気は、私たちにとって食事にあたります。車がガス欠を起こすと動かなくなるように私たちの身体も食事をしないといずれ動けなくなってしまいます。

車にガソリンを入れても運転手がエンジンをかけなければ動きません。そして運転にもコツがあって運転手が無理な運転ばかり繰り返すと事故を起こして車体やパーツが壊れてしまうでしょう。そうならないように燃費良く動かしたいですよね。
人も同じように全員で同じ食事をしても、そのエネルギーの量や使い方を間違えるといずれ怪我や病気につながってしまったりします。

運転のクセを知り、車体の特徴を知る
選手の思考のクセを知り、競技に適した身体を知る
その上で一人一人に合った栄養をとることが重要です。


自分を車に例えたらなんですか?
わたしは多分四駆の軽かな🚙🏔
[トレイルランニング*白馬国際クラッシック]



エネルギーの使い方


最後に具体的に栄養の話になります。
人の身体は関節に付着した筋肉が収縮して運動を起こしますが、その収縮を生み出すエネルギーは食事からの栄養素です。
無意識に踏み出した一歩も、今携帯を支える腕も全てがエネルギーを使った運動です。

そしてエネルギーの源には種類があります。
私たちの身体のなかでは三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質がエネルギーの源となり変換されています。
栄養素がエネルギーに変わる経路を代謝といって、最初に書いたようにこの代謝をいかに整備できるかがスポーツ選手にとって大事なことかなと思います。

もう少しお話しするとしたら、糖質と脂質の使われ方の違いです。
ザックリと書くと運動時には三大栄養素の中でも糖質と脂質がエネルギーとして使われやすく、さらに糖質の分解物は速筋細胞、脂質の分解物は遅筋細胞に多く存在しています。

瞬間的な大きな力が必要であれば糖質をエネルギー源のメインとした速筋を動かし、小さくても持続した力が必要な場合には脂質をエネルギー源のメインにした遅筋を動かします。
競技に例えると短距離選手では瞬間的な力の割合が大きくて、速筋が発達し使うエネルギー源も糖質が多くを占めます(9割近く)。一方でサッカーやバスケはその割合が半分ほどとなり、最後まで走り切る持続した力が必要になります。最初からMAXに近い力の出し方を続けては、速筋を動かす糖質からのエネルギーは枯渇してしまい、大きな力を使うシュート力が徐々に落ち、後半の得点に繋がらないでしょう。大きな力を必要としない場合には持続性のある脂質をエネルギー源として使えることが強い選手のカギになります。


まとめ


必要な筋肉を鍛えることと、同時にその筋肉を動かすエネルギー代謝を鍛えること。
アクセル踏みっぱなしではなくてECO運転ができる状態を常に持つことで、効率よく目的地に近づきます。
普段の食事や試合中の栄養補給のタイミングや量によって代謝経路を整備する。
環境や自分に合ったエネルギー代謝を知る。

これを知ればさらに目標に近づくはずです。


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