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うまれますか

「駆け込み乗車は、おやめくださ~い!!!」

車掌さん、半ばキレ気味にアナウンス。

たまたま現場に遭遇すると、駆け込んだ人の「そのあとの行動」を観察してしまいます。

およそ、駆け込んだ勢いのまま、なるべく現場から遠いところへ移動していく傾向にありますね。

※駅の階段付近の出入口あたりに乗っていると遭遇率が高いです

よく、放火犯は現場に戻ってくるというけど、駆け込み犯は、決して戻って来ません。

車内アナウンスは、「おやめくださ~い!!!」のあと、「他のお客様のご迷惑となります。ダイヤの遅れにもつながります。怪我のもととなります。」といった、「弊害」を、とうとうと唱えます。

だけど、駆け込んだ本人に当事者意識がどれだけあるのでしょうか?いくら唱えても、おそらく馬の耳に…でしょう。

車掌さんがキレたくなる気持ちはよくわかります。が、そこは頭を切り替え、こうアナウンスしてみたらどうでしょう。

「今、駆け込まれたお客様。間に合っておめでとうございます。お近くのみなさん、拍手でお迎えください!」

少しは、当事者意識が芽生えるのでは?

現場から離れようと、車内を移動しても、拍手は鳴り止まず。座っていた人も立ち上がりスタンディングオベーション。まるで花道。箱根駅伝でゴールテープを切った選手の気分。違うか。

「あぶないぞ!」「やるな!」「やめろ!」といったネガティブな表現って、言われると、むしろ反発したくなるのでは?


かつて、自動車教習所といえば、鬼教官によるスパルタ教育型でした。
「遅い!」「すぐ切り返せ!」「ちゃんと見て!」
今、そんなやり方じゃ、すぐに悪評が立ってつぶれてしまいます。

今は、「いいですねぇ」「その調子」「飲み込みが早いですねぇ」といった、ほめて伸ばすところが人気です。

人って、「●●では、ない」という、否定表現に弱い生き物です。というか、否定で言われても、思考が止まるだけ。想像しにくいから。一方で、肯定的な表現をした方が、人のココロは動きやすいです。


今度、駆け込み乗車の現場に出くわしたら、率先して拍手を送ってみようと思います。あたらしい習慣が生まれる… といいですね。

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