1軒

どんなかちがありますか

つばぜり合いだ。

テレビ朝日系で放送されている「ポツンと一軒家」が
日本テレビの「世界の果てまでイッテQ」の視聴率を
初めて上回ったのは先月24日。
以来、両者抜きつ抜かれずデッドヒートの様相を呈している。

という争い?を気にしているのは、業界の一部くらいなもので
視聴者にとっては、どーでもいいこと。

今、これだけメディアがある中、テレビ局同士で争っている場合ではない。

視聴者の可処分時間の奪い合いから
「テレビのライバルはLINE」という声も聞かれる。
テレビ人は頭でわかっているつもりでも
いまだ、旧態依然として同じ土俵で戦っている向きもある。

という、メディア論的な話は、詳しい先生にお任せするとして、、、
「ポツンと…」は、「行く手には何が待ち受けているんだろうか?」というドキドキ感で引っ張り、そこに暮らす人の人間ドラマを見せるという作り。「何もこんな人里離れたところに住むって… どんな人がどんな理由で?」が見どころだ。

「便のいい場所だけに価値があるとは限らない」で思ったのが、駅徒歩20分くらいの分譲マンションで売れ残りを完売させたセールスの話。

売り出しの際は、広さや設備など、建物そのものの魅力を打ち出して
いたのだが、それだけでは完売とはいかず数戸が残った。
そこで、営業マンは客へのアプローチを変えた。
ファミリー客の、ママには「自然が多い環境で子育てできますよ」
パパには「毎日駅までウォーキングできて健康になりますよ」とPR。

ものは言いようだが、これで売り切ったという。客のすべてが「駅近」を望んでいるわけでないことを推測し行動に移したことがカギだろう。

もうひとつ、発想法の練習問題を思い出した。

山間にポツンとある1軒の宿。
秘境を売りに多くの宿泊客を集めていたが
町とつなぐバスが廃止され交通の便が悪くなった。
周辺には、これといった見どころは無い。
どうすれば、再び客を集めることができるか?

たとえば、、、
「周囲は緑一色!目に優しい宿」
「新鮮な空気が吸い放題の宿」
「NO電波!デジタルデトックスな宿」 
などなどあるだろう。

一つではないと思うが、答えの一つは
「依存症の人の宿泊施設にする」というものだった。

何もない=何もなくてもいい という環境から、「何かがなくてもなんとかなること」を考えると、なにかに頼りすぎている(=依存している)人には、抜け出すきっかけになるかもしれない。

「何もない」がどんな価値を持つか、という逆転の発想だ。

ところで、今夜の「ポツンと一軒家」と「イッテQ」
果たして、軍配はどちらに?

自分は、テレビをつけず noteの原稿を打っている。
個人的には、この作業の方が楽しいし、とてもためになっている。

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