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かきますか

スマホ?パソコン?

noteユーザーは、どっち派だろうか?
最近は、PCを持っていない人が増えているという。

自分は、デスクトップPC>ノートPC>スマホ の順だが
アイデア出しをする時は、断然「ボールペン&裏紙」派。
頭の中に湧き出すフレーズ・ワードは、書いて残す。

台本や長い文章を書く時は、タッチが硬めのキーボードが断然速いのだが
こと、アイデア出しの際、キーボードだと、なぜか全くはかどらない。

単なる慣れのせいかと思っていたが、筆記開示と関係しているかもしれない。筆記開示とは、考えを書き出すこと。普段、失敗したり、嫌なことがあったりしたら、書くのがいいという。

自分の中に渦巻く感情を文字にして書き出す。なにが、どのくらい、嫌だったのか、そのまま文字にする。すると、心の負担が軽くなるという。

そんな単純なことで… と思うかもしれない。

しかし、多くの学者による「筆記開示」の実験で結果が表れている。

数週間から数か月で、被験者の「ウツ」や「不安」が穏やかになった
被験者の多くがネガティブ感情より多幸感が勝っていった
カップルはポジティブな感情が高まり、親密さが高まった
嫌いな相手も許せるようになった

という報告がされている。

実証実験によると、コツは
“頭に浮かんだこと”“20分以上”書き続けること。

人によっては、ネガティブな感情にふたをして押さえつけようとすることもあるがこれはストレスになり、逆効果だ。自分は大丈夫、大丈夫と言い聞かせる気合系アファメーションも、個人的にはストレスの根源だと思っている。

なので、書いてアウトプットする作業は、理にかなっているとしっくりくる。心のボウルにたまった毒素をかき出すようなものだ。書いて空にすることで、新たなインプットができる。

そういえば、「書いてみる」にまつわる話を思い出した。アメリカの田舎町であった話。

小学校4年生のクラスで定年間近の教師が、児童に「できないこと」を
ノートに書かせた。

「ボールを上手に蹴ることができない…」
「3桁の割り算ができない…」
「腕立て伏せが5回しかできない…」
「マシュマロを食べ始めるとやめることができない…」 などなど

児童がノート1ページ分の「できない」を書き終えると、そのページを集め
て箱に入れた。そして、箱を抱え、児童と一緒に校庭の隅へ行った。

教師は、児童にシャベルを渡し、穴を掘らせた。穴に持ってきた箱を埋め
上から土をかけた。まるで埋葬するかのように。

さらに、児童たちに手をつなぐよう促し、全員で頭を下げた。厳粛な空気が漂う中、教師は追悼の辞を述べた。

「今日はここに『できない』君の死を悼み、友人のみなさまにお集まりいただきました。故人となった『できない』君が安らかに永遠の眠りにつくことをみんなで祈りましょう」

セレモニーは続く。

「ここで、『できない』君のご遺族を紹介します。妹の『できる』さん、弟の『やる気』君、お兄さんの『今すぐやる』君です。3人は『できない』君ほど有名ではありませんが、みんなの力になって、いつかきっと大きな成功を残すでしょう」

児童たちにとって、一生忘れられないほどのイベントになったことだろう。

このセレモニーは「できない」というネガティブな考え方との別れであり、右脳に働く強烈な体験。自分で「できない」と思っていることを自分の手で葬ったのだ。

セレモニーはこれで終わりではなかった。

教室へ戻ると、「できない」君をしのぶ会を行った。思い出にひたりながら、クッキーとポップコーンを食べて、ジュースを飲んだ。

セレモニーは、過去への決別と同時に、新たな門出へのお祝いでもあった。

ネガティブな感情を書き出し、ここまでやり切れば天晴だ。

ところで「筆記開示」と名付けた心理学者のジェームズ・W・ペネベーガーによると、最低でも4日間連続で続けることが効果を得るコツだという。

手が届くところにあるペン立て。太さの異なるボールペンが10本以上。
気分によって使い分けている。

手入力、音声入力が発達しても、「書く」ことは一生続けるだろうな。

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