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たえられますか

100人に同じ情報を与えると99人は事実として受け入れる。
しかし、1人は「ちょっと変えてみたらどうだろう」と考えるという。

人間は好奇心のおかげで進化(変化)し続けている。
好奇心がなかったら今も洞窟で暮らし続けているだろう。

洞窟暮らしで、興味深い実験がある。

1965年に、男女がひとりずつ別々の洞窟でどのくらい生活できるか
連続最長記録に挑んだ。暗闇の中での孤独な生活で人体にどのような
変化が起こるか調べる検証実験でもあった。

結果、女性は88日間男性は126日間、それぞれ世界記録を達成。

注目されたのは、彼らが考えていた日時のズレ。

女性は、外に出て来た日を実際よりも約30日前、男性は、約60日前と主張した。つまり、どちらも主観的な滞在日数は大幅に短かった

人間の体内時計は25時間。毎朝、太陽を浴びることで1時間戻す。この生体時計が大きく狂ったことが原因だ。

洞窟内では生体時計の時刻を修正できない。二人の洞窟内での行動記録を見ると一気に30時間眠っている日もあったという。その後の研究によると、人間は洞窟生活を続けていると最大で一気に連続48時間睡眠もできるようになるという。

この時の実験にはNASAもかかわっていた。米ソが宇宙開発でしのぎを削っていた時代。長期の宇宙旅行で乗員に起こりうる肉体の変化を探る狙いもあった。

洞窟生活の世界記録達成後、アメリカは宇宙開発で一歩リード。1969年の人類初の月面着陸につながった。

以前、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が将来の火星移住に向けた実験をするため、外界と隔離されたシェルターで2週間生活する被験者を募集していた。デジタルデトックスや話のネタになると思って自分も応募してみたが音沙汰なかった。

世界記録を達成した二人。完全な孤独だったわけでないようだ。どちらも洞窟内にいたネズミをペットにしていたという。そういえば、1927年に大西洋単独無着陸飛行を成功させたリンドバーグ。33時間半の飛行中、孤独を癒してくれたのはコックピットに紛れ込んだ一匹のハエだったらしい… 
いずれにせよ、完全に孤独ってのが大きな敵っぽいな。

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