CUBE 一度入ったら、最後 は想定通りの微妙さなので安心してください

私は元の映画CUBEが大好きです。ちなみにCUBE2は存在しないよ。本当だよ。日本映画リメイクCUBE、どうせクソ映画なのはわかっていたんですがそれでも人間には見に行かなければならない時がある!

↓↓↓↓↓↓↓結果

というわけで、ネタバレありでCUBEの感想を書いていこうと思います。
冒頭のストーリー以上のネタバレに入るときは忠告を入れるので安心してご覧ください。

また、CUBEはデスゲームものということで今話題の「イカゲーム」と比較しつつ、もちろん元のカナダ版にも触れつつ語っていこうと思います。

あらすじ

突然閉じ込められた男女6人。
エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、
フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、
整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)。
年齢も性別も職業も、彼らには何の接点もつながりもない。
理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、
殺人的なトラップが次々と襲う。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。
体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…
恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。
果たして彼らは無事に脱出することができるのか?!

※公式サイトより引用

あらすじの通り、立方体の中に閉じ込められた男女6人が脱出を目指し、CUBEを次の部屋へ、次の部屋へ……と進んでいくという単純なストーリーです。

その中でCUBEの仕掛けに気付いたり、極限状態の人間の異常行動が起きたり、また自分自身を見つめなおしたり(ン……?)、色々ありながらはたして彼らは脱出できるのか?というお話です。

よかったところ

菅田将暉をはじめとして、役者陣の演技は普通に悪くなかったと思います。ややくどいし演劇じみたところもあるけれど、背景がCUBEだけなので演技が大げさなのは良いのかな?と思います。

あ、あと映像はきれいでした。CUBEの部屋があれするところのCGとかは素直に良かったです(CUBEの室内自体はちょっと安っぽさを感じたけど)。

あと苦しんでいる菅田将暉の表情が良かったです!!!!!!あの顔に金払いました!!!!!!!!

はい。

どうしてこうなったのか? 邦画のサガなのか

昔観た カナダの映画であった
いかれた箱で殺されてゆくだけ

星野源「CUBE」歌詞より

元となったCUBEはマジでこの通りのいかれた箱で殺されていくだけの映画です。だからこそ面白かった、と私は思っています。
カナダ版CUBEの登場人物も6人。6人は個性的で、長所も短所も映画内できっちり描かれてはいますが、彼・彼女たちの個人的な背景といったものは最低限のセリフで描かれるだけです。

さて、現在大ヒット中のデスゲーム作品「イカゲーム」
この作品がヒットしている理由の一つが「デスゲームでありながらゲームではなく人間ドラマや社会的な物語をメインで描いていた」ということがあるでしょう。日本でヒットしづらい理由の一つとも言われていますね。
これはまさにその通りで、イカゲームは実際に見るとめちゃくちゃ面白いのですが、冷静になって「デスゲーム」として考えたときに「え……? クソゲーじゃん」となるのです。
しかしクソゲーであることとクソ映像作品であることは全く違います。クソゲー実況が面白いコンテンツであるのと同じく(これはちがう)。


****ここからネタバレを含みます****


日本版CUBEでの一番のポイントは、主人公後藤くんの過去にスポットライトが当たることでしょう。彼が犯してしまった罪が、映像として時折フラッシュバックする。
それだけではなく、終盤も終盤の大事なシーンでCUBEの壁がなぜか彼の過去棲んでいたマンションの階段に繋がっており、その先の屋上には……という過去へのつながりが映像として描かれます。

なんで???

他のキャラクターについても、やけに彼らの人間性の背景を大事にしています。しかし、CUBEという元の作品の大まかな流れはまんまそのままなので、過去の彼ら、彼らの人間的背景が単なる挿入された異物以上のなにものでもない状態です。

しかも、それだけなら「ああ、クソ映画だった」と思って終わりなのですが、続きがあります。

この登場人物、Twitterアカウントを持っているんですよ……!!!

例)主人公の後藤くん https://twitter.com/3641_y

そして、これを見ると腑に落ちることがいろいろあるのです。外部サイトを見ると「より楽しめる」はいいマーケティング。外部サイトを「見ないとわからない」は(そもそもそういうコンテンツでない限り)なんだそれは。
しかもこの記事を書き始めてから気付いたんですが

あらすじに書いてあったキャラクターたちの職業、映画内では一切言われてないんだがwwwwwwwwうけるwwwwwwww

日本らしいシナリオになっているため、6人が最初に顔を合わせたときからマトモな自己紹介は行われません。「あ、う……後藤です」くらいのものです。その結果、私はあらすじや彼らのTwitterで初めて彼らの職業を知っています(なんでだ)。

でも繰り返しになりますが、

私はこうなると思ってたよ。

細かい気になるところ

・なぜか越智の感情とシンクロするCUBE内のカラー(なんでだよ、感情センサーついてんのかよ)

・井手さんの帰りたい理由を何も言わずに死ぬところがモヤモヤする

・なんで後藤はそんなに数学に詳しいの?エンジニア=数学マニアじゃねーぞ

・なんでたまたま虐待児童と虐待された弟を持つ兄が同時に……?

・設定上アレならなんで甲斐はTwitterアカウント持ってるの? ネタバレ防止のために6人ともTwitterアカウント持ってないといけないから????

・「子供にいいこと言わせておけばいい」と思ってそうなシナリオライター

・「陰で悪い顔してニヤリとする」演出の「ニヤリ」の時間が長すぎる。演出どうなってんだ

・これらの不満を持ったままエンディングで流れてくる星野源の「昔観た カナダの映画であった いかれた箱で殺されてゆくだけ~」という歌詞が一番むかついた。星野源は悪くない。でも「どうしてあれがこうなった」という気持ちを爆増させてくれるぞ!

まとめ

何も期待しないで見たらまあまあ面白いと思うので、配信とかが来たら観てみてください。カナダ版が好きな方は、優しい心と期待値をミジンコくらいにしていくと楽しめると思います。~イケメンの顔面はすべてを救うのだ~

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