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取り入れられるものだけ~『食生活が人生を変える』(東城百合子)~

この本はずっと家にあったのですが、ぱらぱら読んだことがあるだけだったので、しっかり読んでみました。


書き出しから、ちょっと「おお」と思いました。

「根のごとく枝葉は出る」と言います。
病気、不幸は根(心)があって枝葉に出てきた現象にすぎません。でも、私達はその出てきた枝葉である病気、不幸を何とかしようとあせる。

p.3

別の箇所では、こう言い換えています。

病気や不幸や災難にみまわれるのは、不自然さやトラブルの根があるからです。その出てきた枝葉から、もとになった根を探せばいいのです。

p.26


ちなみに、この本を以前はぱらぱら読んだだけで放っておいたのは、この本で勧めている玄米菜食に抵抗があったからです。当時、まさに玄米菜食をしている同僚がいたのですが、その人がかなり性格に難ありだったので。何せ、「白米と書いて『かす(粕)』なんだから、白米なんてカスよね~」などと言う人だったのです。加えて、あまり健康的に見えない上、後に大きな病気もしたので、玄米菜食には問題があるのではと思っていました。

そうしたら、まさにそういう人のことが書かれていました。

玄米健康法の人は、朝から晩まで「玄米でなければ人にあらず」式に、玄米とゴマとヒジキにとりつかれて、きつく真黒な顔になりコリコリになっていました。そのため、肝臓のひどい疲労がありました。ここに心のひずみがあり、結果として病を呼んでしまったのです。

p.23

同僚は「きつく真黒な顔になりコリコリ」というのとは違いましたが、百合子さんは「これでなけれなダメ」というタイプの人ではないと分かったので、読みすすめる気になりました。


よく噛めばこめかみがよく働いてくれますから、これが脳に響いて神経が活発に動き出し、細胞も働き出します。
すると、心が明るくなり、何か下腹に力が入ってずしりとした重みと落ち着きができてきます。よく噛むと唾液が出て消化を助け、アルカリの血液にかえますし、バロチンというホルモンを多く出して細胞に活力をつけ、穴のあいた胃をふさぐ力となります。血行を良くし、公害も毒物も流します。

p.41

「穴のあいた胃をふさぐ力とな」るかはともかく、噛むことの大切さを改めて感じます。ここ半年ほど、自分がよく噛まずに食事をしている自覚があったのですが、このお正月に胃腸を壊したのを機に、意識的によく噛むようにしたら、改善に向かいましたし。


玄米の中にはイノシトールやフイチン酸という成分があります。イノシトールは肝臓を強めて老廃物を体の外に排泄する大切な役目をしてくれます。また、フイチン酸は、ストロンチウムと結合して老廃物を体の外に出す性質があります。

p.51

この後、玄米と一緒に梅干しを食べると、更に老廃物を排泄しやすいこと、玄米には自律神経を調整する成分も含まれることが述べられています。

玄米が無理なら、白米に雑穀を混ぜるのでも良い、と書かれているのですが、我が家はもう10年以上、まさに白米に雑穀を混ぜて食べています。


もちろん、何でも参考になるかというと、違います。

(サツマイモは)たくあん漬とか白菜漬、ぬかみそ漬などの漬物を一緒に食べるとむせないし、食べたあと味も良くなります。ゴマのふりかけをまぶしたらなお良いでしょう。

p.61

そんなサツマイモの食べ方、嫌だなぁ。


地球の中心に近いほど陽性が強く、上に高くなるほど陰性が強い。下にのびる根のものは陽性。
土のかたい所にのびるものほどエネルギーを要しますから陽性(野草は栽培野菜に対して陽性)、上にのびるもの、高いもの(木になるくだものなど)ほど陰性。地面に近いものほど陽性。

p.71

上にのびるものが陰性というのは、感覚と違うので、面白いです。


食物でも、体内で植物性のものは酸素を送りこみ、二酸化炭素を排出させる。つまり血液浄化を助け、血液をアルカリ性にもっていきますが、動物性のものは二酸化炭素を多く出して酸素をとりこみ、血液を汚れやすくするので、少なめが体には良いのです。

p.85~86

食物になってからも、植物や動物が生きていた間と同じだということですね。


(インディオは)家も土でできていて、家具などはなく土間に寝ます。成人病などはごく少なく、母乳の出ない母親はここでもほとんど見られないそうです。
奇妙なことに、これが都市生活をして口ざわりの良いおいしいものを食べだすと、食べすぎてしまい、口角炎、結核、心臓病といった病気が増えてくるのです。集落で貧しく自給自足しているインディオのほうが健康でおおらかだと言います。
メキシコのインディオの調査をされた共立女子大学の泉谷希光教授も、同じようなことを言っておられます。
開拓時代に、トウモロコシを主食にしていたアメリカ人にベラグラ(黒皮病)という病気が多発しました。ところが、同じトウモロコシを主食にしているインディオにはまったくない。なぜかと言うと、インディオは完熟したかたくしまったものを食べ、甘くおいしい未熟なものは食べないからです。

p.88

これにはちょっと考えさせられました。


胃腸がくたびれると、かぜに負けやすくなります。(中略)
気持ちがだれたり、くよくよしたりすると、自律神経が疲れて働きにくくなります。その上、胃腸が弱っていたら年中かぜを呼びこむようになります。

p.188

上記のとおりお正月に胃腸を壊したので、思い当たる節大ありでした。もともと胃腸が疲れ気味だったところ、ちょっとストレスがかかることがあり、なのに少々無理をして普通に食べていたら、てきめんに壊しました。


しかし百合子さん、玄米ご飯にすりごまをかけることを奨励するのは良いのですが、通常で大さじ一杯、ぜんそくの人の体質改善には「必ず大さじ二、三杯」(p.200)って、多すぎな気が……。ごまがのどに張り付いて、余計に咳が出そう。とはいえ炒った自然塩をまぜたすりごまのふりかけ、美味しそうですね。


取り入れられそうなものだけ、取り入れてみようと思います。

 

見出し画像には「みんなのフォトギャラリー」から、百合子さん推奨の、玄米ご飯にゴマをかけた写真をお借りいたしました。




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