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中高生当時ならハマったかも~『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』(荻原規子)~

*この記事は、2020年9月のブログの記事を再構成したものです。


以前から読みたいと思っていた「レッドデータガール」シリーズを、ようやく読みました。

↑kindle版


正直、ちょっとがっかりでした。主人公の泉水子は度を超えた引っ込み思案で、苦手なものも多く、かなりイライラさせられるキャラです。そんな何のとりえもない女の子が、思いがけない力を秘めていて……というシンデレラストーリーなのですが、それにしても泉水子、ダメすぎ。中盤の、修学旅行で東京に出てきた泉水子が空港や駅の雑踏にパニックを起こすシーンでは、この子は秘めた力を持つのではなく、単なる感覚過敏ではないかと思ってしまいました。


また、登場人物の一人である深行が修学旅行を「自由参加だろ」と言っていますが、単位の一部(たいていは「総合的な学習の時間」にカウント)なので、原則参加しなければいけません。まぁ、「修学旅行が自由参加の世界」を描いているのかもしれませんが。


とはいえ、副題の「はじめてのお使い」に2つの意味があることが最後の最後に判明するなど、「え、こういうことだったの? そしてどうなるの?」と思わせる力がストーリーにあるので、読み進めてしまいます。それは同じ著者の「西の善き魔女」シリーズでも味わった感覚でした。いろいろ気に入らない点はあっても、何だか知らないけど、読み進めてしまったものです。


ちなみに「西の善き魔女」シリーズですが、調べてみたら、実は最初の4冊しか読んでいないことが判明しました。外伝を含め、あと4冊あるらしい(^-^; 読みたい本・読まねばならない本が、読める量を上回っているよ……。


「レッドデータガール」に話を戻すと、中高生当時に出会ったら、ハマったかもしれません。中高生の子にとっては、泉水子に何らかの形で親近感を覚えるでしょう。あそこまで自分はダメではないと思いつつ、泉水子のように、ちょっとずつでも自分で道を切り開く大切さに気付かされるのではないでしょうか。


見出し画像には、泉水子たちが修学旅行で訪れる東京タワーの写真を使わせていただきました。


↑文庫版



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