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涙さえ肯定できたら

2月の目標にしていた、たったひとつのこと。
「健康で過ごす」、これだけのことがいかに難しいか、あっという間に痛感させられた。

年始のばたばたで疲れもたまっていたし、生まれて初めて全身に出たじんましんにもずっと悩まされていた。

免疫力が落ちていたのだろうけれど、それよりも弱っていたのはきっと心だったんだろう。思い当たることはたくさんある。
社会人3年目でもなし、うまくやればいいんだと分かっている。「仕事だから」と違和感を見ないふりをしてきた。きっとあの先輩ならうまくひっぱりあげるだろうし、あの人だったら笑顔で最善のフォローをするんだろう……。そのうちに今この場にいない「あの人たち」とうまく立ち回れずに呼吸がしづらい自分を比べては、ただでさえゼロに等しい自尊心が思いっきりマイナスにふれていく。だんだん表情もなくなってくる。

そんな時には不思議と仕事もうまくいかなくなるし、極めつけに……みたいなことが起こる。ぽこっと体調も悪化してしまうと、悪い流れを止める術を持っていない私は、数日間布団の中で虫みたいに丸くなることしかできなくなった。

こんなことはもう何度目だろう。大人になったら、社会に慣れたら、きっと毎日ちゃんと生活ができるんだと思っていた。そんな期待は自分自身によって何度も何度も打ち砕かれて、些細なことが積み重なって簡単に落ち込んで。
もう毎日笑顔で生きていきたい、なんて高望みはしていない。日常にドラマも何もなくていい、穏やかな日々を過ごしたいだけなのに。ただそれだけなのに、生きていくことってどうして難しいんだろう。

ようやく重い体を無理やり起こして仕事に向かう。あっという間に引き返せなくなってしまうから、その前に少しだけ足掻いてみた。
帰り道、歩きながら何気なく音楽をかける。初めて聴いた曲なのに、始まりのフレーズがはっきりと耳に届く。

一体何に怯んでしまったの 一体誰を比べてしまったの
あなたが何度 あなたを嫌っても 僕はあなたのことを嫌いになれないよ
(ジャニーズWEST/僕らの理由)

一気に涙が出てきて、一曲聞きながらべそべそ泣いた。夜でよかった、マスクをしていてよかった。

彼らのことは関西だからか知っていたけど、いつも笑顔で、掛け合いも気持ちよくて、素な感じが心地よくて。
だからこそ、歌にも嘘がないと思った。ずっとジャニーズ自体は好きだったけど、曲を聞いて、こんなにまっすぐに響いたのは初めてかもしれない。
ちょっとだけ近くで誰かが微笑んでくれたような、力強さみたいな。うまく言えないけど。
(作詞作曲が柳沢さんだと知って納得したけど、多分他の誰でもなく、この7人に歌ってもらってよかった、なんて勝手なことを思ってしまう)

歌詞のどこを切り取ってもストレートだけど、やっぱり「嫌いになれないよ」ってすごい言葉。多分、これからも何度も落ち込むし、ぱっと切り替えられないのも簡単に変えられない。今だって何も解決していない。
何度嫌になってもうだめだって思ってもこのままで生きていくしかないんだよな、ってその都度思うのも確かで。

でも、こんな情けない私だからちょっとだけ癒されたり、ちょっとだけ元気をもらったりすることには気付けるのでは、なんて気持ちでいる。
すっかり遠ざかっていたこの場所に、マイナスだけじゃなくてプラスに感じた瞬間も少しずつ自分へ残していこう。

久しぶりに泣いたらちょっとすっきりしている自分に気づく。なんて単純でなんと疲れる……。




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