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【読書_感想✍️】『僕の音楽キャリア全部話します』 松任谷正隆

作曲家や音楽プロデュースなど
さまざまなキャリアを持つ
松任谷さんの本。
音楽に関する自身のキャリアについて
松任谷さんがインタビュー形式に
答える形で明らかにしています。
年末年始の紅白で
ユーミンの曲に感動しすぎて
図書館で借りました。
この本を読んでわかったことは、
いわゆる名曲をつくっている人は
ずっと音楽をつくっているということです。
彼らを有名にした、
誰もが口ずさめる曲の
何倍もの数の曲を
つくってきたことがわかりました。
松任谷さんによると
”このアルバムは売れる”という感覚と、
実際のアルバムのセールスが一致した経験は
30年以上のキャリアの中で1回だそうです。
松任谷さんは日本を代表する音楽家です。
そんな偉大な音楽家でさえ、
つくる自分自身も納得し、
かつ世の中に広く受け入れられる音楽を
つくるのは難しいことなのだなと思いました。
個人的にアートとビジネスの関係、
アートをどのようにビジネスの波にのせて、
つくっている人に十分に資金を届けるのか、
ということに興味があります。
この本の中では、
音楽制作の裏側とともに
レコード会社とのやり取りや
資金面のやりくりの話など、
音楽をつくる前やつくった後の話も
具体的に書かれていたので、
興味深かったです。
また、松任谷さんは
良い音楽である条件として
風景があるということを挙げています。
彼のパートナーであるユーミンの曲で
一番私が好きな「春よ、来い」について、
詞を書いたユーミン自身は
もっと別のテイストを
想定していたが、松任谷さんの中に
和の風景が広がったのでこの曲が生まれた、
という話がありました。
実際にこの曲を聴くと
春の風景が浮かび上がってきて、
耳で聞く音が
立体的な世界につながる感覚が
好きだったので、
つくった本人が言語化して
説明してくれるのは
おもしろいなと思いました。
この本を読んだことで、
本に出てきた曲の数々を改めて聴いてみると
感じ方が深まった気がして、
その意味でも読んで良かったなと
思える1冊でした。


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