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【芸術部 NY】ガゴシアンギャラリー 石田徹也展のオープニングレセプション

Good Morning & Good Evening !
芸術部ニューヨーク支店の石村です。
 
先日、9月12日に行われたガゴシアンギャラリーでの
石田徹也 展覧会「My Anxious Self」
オープニングセレモニーに行ってきました!!
 
作品で表現されている不安感、孤立感、疎外感が、
鋭利なナイフとなって、鑑賞者の胸に突き刺さってきました。血まみれになりそうでした。
鑑賞後のあと味が悪いということではなく、
「あぁ、その孤独感分かる」のような、過去の体験が自然に呼び起こされ共感してしまう感じです。
 
展覧会を通して、アーティスト石田徹也氏への尊敬を抱き、その才能に脱帽しました。
 
激しく心揺さぶられる展示会の様子を
ガゴシアンのHPに掲載されていない作品を中心にご紹介いたします!!

それでは、世界最強のパワーギャラリーにLet’s GO!!

Gagosian Gallery 入口 555 West 24th Street, New York
エントランススペース
賑わう展示スペース:Waiting for a Chance

2005年に31歳で亡くなった石田徹也の
「My Anxious Self(不安な自分)」と題された展示は、
5つのテーマに沿ったキュレーションで、
バブル経済崩壊後の日本の「失われた10年」である
1990年代に成人を迎えた無数の日本の若者たちと
共有した不安やトラウマを捉えた作品が紹介されています。


1. Waiting for a Chance(チャンスを待っている)
最初のフロアでは、日本の企業文化の歯車に囚われた
同一の外見をした個人が登場する初期の作品から始まります。
(今回の展示では、最も大きなスペース)

Cargo, 1997
Untitled, 2001
Under the Company President’s Umbrella, 1996
Interview, 1998

日本で会社員として、鍛えられてきた私には、痛いほど共感してしまう不安感、歯車感、悲しみ。そして、心の声を無視し続けることで、どうにか日常を維持していこうとしている様子。
 
描かれているのはいわゆる1990年代の就活氷河期世代の若者たち。
時代は流れても、今と変わらない苦悩をそこに見ることができます。
 
この日本の会社員の大変さが、アメリカ人に伝わるのだろうかと、周りを見渡しながらふと疑問に思ってしまいました。笑


2. Desperately Lonely (絶望的に孤独)

若者の孤立と孤独を捉え陰鬱な雰囲気に満ちた作品は、
家庭内に閉じ込められた引きこもりを思い出させます

Self-Determination, 2004
Untitled, 2001–03
Plant-Eating Dragon, 2004


3. Restless Dream (休むことのない夢)

「日本の社会制度の矛盾に翻弄される人々」を
描き続けなければならないと感じていた
強迫観念ともとれる彼の意志がテーマとなっています

Frontline, 2001
Body Fluids, 2004
Search, 2001
展示の様子

若くして亡くなってしまったアーティストの
お財布には、いつも1ドル札が入っていたそうです。
このことについて、彼の弟であるミチアキ氏は
「ようやく彼がこのお金を使う機会を得られたこと
に感謝します」と、今回の展覧会に寄せてコメントをしています。


4. Helpless Metamorphoses (無力な変容)

人間と異質の生き物が組み合わされた人体は
あたかも変身が痛みと不安に満ちた人生において
実行可能な最後の選択肢であるかのように感じさせます

Distance, 1999
Offspring, 1999

5. Neo-Tokyo (ネオ-東京)
アーティストは世界を非友好的なものと想像し、
それは世界が滅びた後の“ネオ-東京”を思い起こさせます

Untitled, 1998
Interruption, 2004
赤い壁の展示室。正面には銀座中央通りの風景
エヴァンゲリオンのマンガが並ぶ
1990年代のニュース映像などがモニターに表示されている

石田徹也展、いかがでしたでしょうか?
それでは~♪
Have a good one!!

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